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第四章
可憐な少女は扉を開ける⑤
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それを受け取った先生は、そのまま画面を見せてきた。
「ほら、河合さん。これを見て?」
ぐるぐると螺旋状に回転する、不思議な画面。
赤、青、黄色‥。それらの色が、混ざり合って‥
「や、やめてっ」
頭の中を何かが入り込んでくるような不快感に襲われて、私は目を背ける。
しかしそれは、後ろにいた高良さんによって叶わなかった。
「大丈夫ですよぉ。これを見たら、すぐに気持ちよくなりますからぁ」
頭を強く抑えられ、半強制的に画面を見せられる。
私は、その画面を見ないように目を瞑る。
これは、見たら駄目だ。何となく、そう確信した。
なのに、何で‥。
薄らと目を開ける。
すると、先ほどよりも強い色が、そこにはあって
「あ、あ、れ」
私は、導かれるようにしてその画面に釘付けになった。
「心配しなくていいわよ。私は、貴方の理解者。そうでしょ?」
「真野先生、理解者‥はい」
そうだ。真野先生は、いつも私の相談に乗ってくれる。
「だから私に全てを任せて頂戴。ほら、深呼吸して、肩の力がすーっと抜けてくるわよ」
すぐ隣から、息を吸う音が聞こえて、私も真似をする。
強張った肩の力が抜け、だらん、と地面に触れた。隣から甘い匂いもする。
いい匂い、それに、地面が冷たくて、気持ちがいい。
「河合さん、あなた、悩みがあるわよね?」
先生の優しい声が胸の奥底に響く。私は頷く。
「それを解決したい。そうでしょ」
うん、解決、したい。
ぐるぐると回るその螺旋を見ていると、初めに感じた不快感が嘘のように無くなっていた。むしろ、なんていうか‥。
「貴方は責任感が強くて何でも一人で抱えてしまうけど、今は頭の中を空っぽにしてね。そうしたら、あなたの悩みは消えるわ」
「頭の中、空っぽ、悩み、消える‥」
そう、か。私は、考えすぎなんだ。空っぽに、しないと。
「私の質問に答えてね。そうすると、貴方の悩みは消えてなくなるわ」
「質問、答える、はい‥」
画面がふっと消えた。
なのに目の前には、まだぐるぐると回っている。
「貴方は、週にどれくらいオナニーをするの?」
オナニー‥オナニー、って、あの、あれ、ちょっと
「な、何を聞いてるんですか」
「ちっ。もう一度だ」
スマートフォンがタップされ、先ほどの画面がまた私の前に、現れる。
「あ、れ‥はぁ」
なんだろう、この画面を見ていると、とても、きもちがいい。
「真野。直接的な質問に行くな。じっくり、導入をしろ。ランク4の生徒だからな」
「はい‥。河合さん、今、どんな気分ですか?」
「い、まは、なんていうか、その」
「気持ちがいい?」
「え、あ、あの‥」
正直に言わないと、悩みは解決しませんよ?耳元で語られる甘い声。
私は、頷いた。
「そうですか。ほら、今も気持ちがいいでしょ?今から貴方は質問に答えるとより快感がその身を襲いますよ」
快感、きもちがいい、感覚。
ぞくっと背中をなぞられた感覚がした。
「ほら、河合さん。これを見て?」
ぐるぐると螺旋状に回転する、不思議な画面。
赤、青、黄色‥。それらの色が、混ざり合って‥
「や、やめてっ」
頭の中を何かが入り込んでくるような不快感に襲われて、私は目を背ける。
しかしそれは、後ろにいた高良さんによって叶わなかった。
「大丈夫ですよぉ。これを見たら、すぐに気持ちよくなりますからぁ」
頭を強く抑えられ、半強制的に画面を見せられる。
私は、その画面を見ないように目を瞑る。
これは、見たら駄目だ。何となく、そう確信した。
なのに、何で‥。
薄らと目を開ける。
すると、先ほどよりも強い色が、そこにはあって
「あ、あ、れ」
私は、導かれるようにしてその画面に釘付けになった。
「心配しなくていいわよ。私は、貴方の理解者。そうでしょ?」
「真野先生、理解者‥はい」
そうだ。真野先生は、いつも私の相談に乗ってくれる。
「だから私に全てを任せて頂戴。ほら、深呼吸して、肩の力がすーっと抜けてくるわよ」
すぐ隣から、息を吸う音が聞こえて、私も真似をする。
強張った肩の力が抜け、だらん、と地面に触れた。隣から甘い匂いもする。
いい匂い、それに、地面が冷たくて、気持ちがいい。
「河合さん、あなた、悩みがあるわよね?」
先生の優しい声が胸の奥底に響く。私は頷く。
「それを解決したい。そうでしょ」
うん、解決、したい。
ぐるぐると回るその螺旋を見ていると、初めに感じた不快感が嘘のように無くなっていた。むしろ、なんていうか‥。
「貴方は責任感が強くて何でも一人で抱えてしまうけど、今は頭の中を空っぽにしてね。そうしたら、あなたの悩みは消えるわ」
「頭の中、空っぽ、悩み、消える‥」
そう、か。私は、考えすぎなんだ。空っぽに、しないと。
「私の質問に答えてね。そうすると、貴方の悩みは消えてなくなるわ」
「質問、答える、はい‥」
画面がふっと消えた。
なのに目の前には、まだぐるぐると回っている。
「貴方は、週にどれくらいオナニーをするの?」
オナニー‥オナニー、って、あの、あれ、ちょっと
「な、何を聞いてるんですか」
「ちっ。もう一度だ」
スマートフォンがタップされ、先ほどの画面がまた私の前に、現れる。
「あ、れ‥はぁ」
なんだろう、この画面を見ていると、とても、きもちがいい。
「真野。直接的な質問に行くな。じっくり、導入をしろ。ランク4の生徒だからな」
「はい‥。河合さん、今、どんな気分ですか?」
「い、まは、なんていうか、その」
「気持ちがいい?」
「え、あ、あの‥」
正直に言わないと、悩みは解決しませんよ?耳元で語られる甘い声。
私は、頷いた。
「そうですか。ほら、今も気持ちがいいでしょ?今から貴方は質問に答えるとより快感がその身を襲いますよ」
快感、きもちがいい、感覚。
ぞくっと背中をなぞられた感覚がした。
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