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10話
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英単語の小テストの結果を見て、私はほっとため息をついた。よかった。今日も満点ね。
「モモカちゃん。小テストどうだった?」
「なんとかなったみたい」
「そう言って満点なんだってこと、あたし知ってるんだから」
「勉強した甲斐があったみたい」
「否定はしないんだね」
ミコトは小テストの紙をひらひらと団扇のようにあおぐ。
「あたしは今回もヤバいかも」
「それにしても意外よね。『王子様』のミコトの弱点が勉強だなんて」
「やらなくちゃいけないとは分かってるんだけど、つい遊びたいゲームがたくさんあってさ」
あはは、とミコトは乾いた笑い声を立てた。
「あと1週間で中間テストがあるのよ。大丈夫なの?」
「大丈夫じゃないかも……部活もテストが終わるまではないし、頑張らなくちゃとは思ってるんだけどねぇ」
ミコトは使い魔のコアラを出す。
「1番不安なのはこいつ。テストの間も起きてられるかなぁ」
コアラさんは今日もスヤスヤと眠ってるみたい。かわいいけど、ちょっと不安ね。
「モモカちゃんは大丈夫?ちゃんと魔法テストは受けられる?」
「今のうちに体調は整えておくから平気よ」
魔法には様々な種類がある。練習すれば誰でも扱える「一般魔法」と魔法使いの「固有魔法」、そして使い魔自身の能力を生かした魔法である「隷属魔法」。他にも種類はたくさんあるけど主なのはこの3つね。
それから、この世界には「魔法領域」というものがあって、魔法使いはその領域を外れたら魔法を使うことはおろか使い魔を出すことすら許されていないの。
魔法学校は魔法を学ぶだけじゃなく、魔法をちゃんと制御する訓練を行う場所でもあるのね。
だから中間テストでは、生徒と使い魔それぞれのテストを行う。結構体力を消費するから、座学とは別の日に行うことになってるのよ。
「普段の授業見る感じ、モモカちゃんは魔法を扱うのも上手だもんね……はぁ」
「ミコト。今から勉強すればきっと大丈夫よ。元気出して」
ミコトは私の手を掴んだ。
「モモカちゃんお願い!私に勉強を教えて!テスト終わったらパフェ奢ってあげるから!使い魔バトルの良い席取ってあげるから、お願い!」
教室中に声が響き渡る。話を聞いていた女の子達が一斉に集まってきた。
「2人とも勉強するの?」
「都築さん、よければ私も勉強教えてほしいんだけど」
「良い点取ったら好きな服買ってくれるって約束してるの」
私達の周りは途端に人が集まる……こんなにたくさんの女の子がいると、ちょっと目眩を起こしそう。
男の子をあしらうのは得意だけど、女の子は苦手なの。つい彼女達には甘くなっちゃう。
「みんな、モモカちゃんが怯えてるからちょっと落ち着いて!」
私はミコトに抱きついてギュッと目を閉じる。困った時はお友達に頼っちゃうのが1番よね。
「モモカちゃん、大丈夫?」
「ありがとうミコト。ちょっとびっくりしちゃっただけよ」
私は周りの女の子に笑いかける。
「みんなで一緒に勉強会って楽しそうね。私が教師役では力不足かもしれないけど」
「そんなことない!教えてくれるだけでも助かるよ!」
「それに私達都築さんと仲良くしたいって思ってたの」
「私と?」
「うん。あまり話しかけられるのが好きじゃないみたいだから、あまり馴れ馴れしくしない方がいいかもって思ってたんだけど」
……みんな優しいのね。優しい子と喋っていると罪悪感がある。
私っていつからこんなに性格が悪くなっちゃったんだろなんて、そんなことを考えちゃう。
「ありがとうみんな。私もみんなと仲良くできたら嬉しいな」
私達は放課後に勉強会を開くことになった。
「都築さん勉強会開くんだって?よければ俺たちも混ぜてくれない?」
「男子はお断りでーす」
「あんたたち都築さんに近づきたいだけでしょ」
女の子達が男の子を追い払ってくれた。
「都築さん。女の子同士で楽しくおしゃべりしましょうね?」
……この状況、結構楽しいかも。
私達はミコトの家で集まって勉強をすることになった。ミコトは親しみやすい性格をしているけれど、意外にもお家は大きなお屋敷だった。
「お邪魔しまーす!」
「わぁ、おっきい部屋!」
「あんまりジロジロ見られると恥ずかしいな。モモカちゃんには負けるだろうし」
「モモカちゃん家って絶対豪邸よね」
「執事やメイドがたくさんいたり?」
「番犬にシェパードを飼ってたり?」
「壁に有名画家の絵が貼ってあったりするのよね」
「あとリムジンがとにかく長いのよ」
みんなはどれだけ私のことをお嬢様だと思ってるのかしら。期待に添えなくて残念ね。
「皆さんいらっしゃい。娘がお世話になってるわね」
ミコトのお母様がお茶とお菓子を持って部屋にやってくる。
「皆さんのお話はミコトから聞いてるわ。この子ったらいっつもみんなのことをカワイイって言ってるんだから」
「もぉ、お母さんはちょっと黙ってて!早く向こう行ってよ!」
「はいはい」
可愛らしいお母様ね。大切に育てられてきたのね。羨ましいな。
「ここの式はどういう意味なの?」
「そこは教科書の例題2を応用して解くのよ。X=2の時にYの値がこのようになるのは……」
「先生!これはどうするの?」
「ここの計算を間違ってるから上手く値が出ないのね。ここはこのようにして……」
計算をいくつかやりながら、ミコトのお母さんが持ってきてくれたお菓子を食べる。
「やっぱりモモカちゃんに頼んでよかった!モモカちゃんの説明すっごく分かりやすいんだもん!」
「ふふ。ありがとう」
「はぁー、何問か解いただけでもう頭が痛くなってきたぁ」
女の子の1人が腕を大きく広げて床に寝転んだ。
「ちょっと休憩しよ~」
「そうね。ちょうどいい時間だから少し休憩しましょうか」
わぁ、と歓声が上がる。クラスメイトの子が私に近寄ってくる。にこにこと笑みを浮かべて……どうしたのかしら?
「都築さん。恋バナしよ?」
「恋バナ?」
「うん。せっかく私達しかいないんだからさ、秘密のお話をしようよ」
恋バナ。ああ、恋のお話のことね。
「でも私、今まで付き合ってきた人なんていないよ」
「またまた~。そんなこと言って色んな人から告白されてるんでしょ?」
告白は確かにされるかも。でも大抵はミコトが適度にあしらってくれるし私が断ってきたら、そのうち告白する人も減ってきた。
「モモカちゃんって他校でも噂になってるのよ。ミコトさんのマジスタグラムを見た人達が噂にしてるんだから」
「ミコトに新しい彼女ができたってね」
「そう。私はモモカちゃんのことを心から愛して……て違う!」
鋭いツッコミ。
「都築さんは気になってる人はいるの?」
「好きなタイプは?」
「相手に求める条件は?」
「え、えっと……」
その時、1人の子が言った。
「染谷くんのこと好きなの?」
「……クリスくんはいいお友達よ」
「クリスくんなんて言っちゃってさ。ちゃっかり仲良くなってるじゃん」
「モモカちゃんって変わってるのね。あんなやつの何がいいのよ」
クリスくんとはあの日以来顔を合わせていない。私があんなことを言ったから、私のことを意識しちゃって話しかけられないのかもね。
それに中間テストが終われば学祭の準備が始まるから、使い魔バトルのためにユキノくんと訓練をしているのかも。『王子様』は決闘を拒否できないから。
そしてもうひとつ。『王子様』に決闘を申し込まれた人は拒否できない。
染谷クリス。あなたはどうするのかしら。
「クリスくんはとてもいい人よ」
「嘘だ。いい人が、あんなふうに人前で誰かを晒し者にするなんてありえない」
「かわいそうに。結城くんもあれ以来学校に来れてないんだから」
私がクリスくんを助けてから、結城くんは不登校になってしまった。私がクリスくんを助けたんだってことは別に言っても構わないのだけど、クリスくんに嫌われるのはイヤだからやめておきたい。
「……顔がいいとか」
「顔だけよ」
「背も高いし」
「背が高くたって最初はいいかもしれないけど、喋ってると首が痛くなるじゃん」
「勉強も運動もできるし」
「それはモモカちゃんも同じでしょ。だったら私はモモカちゃんの方がいいよ」
私は頭の中でクリスくんのいいところを考える。
何であいつなんかのために必死になって考えてるのかしら。
「……ええっと、その」
たくさんの視線が私に集まる。そういえばクリスくんに告白する時も彼の好きな理由なんて考えてなかった。
私は……
「怪我した動物を手当てしてあげるところ……?」
「モモカちゃん。小テストどうだった?」
「なんとかなったみたい」
「そう言って満点なんだってこと、あたし知ってるんだから」
「勉強した甲斐があったみたい」
「否定はしないんだね」
ミコトは小テストの紙をひらひらと団扇のようにあおぐ。
「あたしは今回もヤバいかも」
「それにしても意外よね。『王子様』のミコトの弱点が勉強だなんて」
「やらなくちゃいけないとは分かってるんだけど、つい遊びたいゲームがたくさんあってさ」
あはは、とミコトは乾いた笑い声を立てた。
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「大丈夫じゃないかも……部活もテストが終わるまではないし、頑張らなくちゃとは思ってるんだけどねぇ」
ミコトは使い魔のコアラを出す。
「1番不安なのはこいつ。テストの間も起きてられるかなぁ」
コアラさんは今日もスヤスヤと眠ってるみたい。かわいいけど、ちょっと不安ね。
「モモカちゃんは大丈夫?ちゃんと魔法テストは受けられる?」
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魔法には様々な種類がある。練習すれば誰でも扱える「一般魔法」と魔法使いの「固有魔法」、そして使い魔自身の能力を生かした魔法である「隷属魔法」。他にも種類はたくさんあるけど主なのはこの3つね。
それから、この世界には「魔法領域」というものがあって、魔法使いはその領域を外れたら魔法を使うことはおろか使い魔を出すことすら許されていないの。
魔法学校は魔法を学ぶだけじゃなく、魔法をちゃんと制御する訓練を行う場所でもあるのね。
だから中間テストでは、生徒と使い魔それぞれのテストを行う。結構体力を消費するから、座学とは別の日に行うことになってるのよ。
「普段の授業見る感じ、モモカちゃんは魔法を扱うのも上手だもんね……はぁ」
「ミコト。今から勉強すればきっと大丈夫よ。元気出して」
ミコトは私の手を掴んだ。
「モモカちゃんお願い!私に勉強を教えて!テスト終わったらパフェ奢ってあげるから!使い魔バトルの良い席取ってあげるから、お願い!」
教室中に声が響き渡る。話を聞いていた女の子達が一斉に集まってきた。
「2人とも勉強するの?」
「都築さん、よければ私も勉強教えてほしいんだけど」
「良い点取ったら好きな服買ってくれるって約束してるの」
私達の周りは途端に人が集まる……こんなにたくさんの女の子がいると、ちょっと目眩を起こしそう。
男の子をあしらうのは得意だけど、女の子は苦手なの。つい彼女達には甘くなっちゃう。
「みんな、モモカちゃんが怯えてるからちょっと落ち着いて!」
私はミコトに抱きついてギュッと目を閉じる。困った時はお友達に頼っちゃうのが1番よね。
「モモカちゃん、大丈夫?」
「ありがとうミコト。ちょっとびっくりしちゃっただけよ」
私は周りの女の子に笑いかける。
「みんなで一緒に勉強会って楽しそうね。私が教師役では力不足かもしれないけど」
「そんなことない!教えてくれるだけでも助かるよ!」
「それに私達都築さんと仲良くしたいって思ってたの」
「私と?」
「うん。あまり話しかけられるのが好きじゃないみたいだから、あまり馴れ馴れしくしない方がいいかもって思ってたんだけど」
……みんな優しいのね。優しい子と喋っていると罪悪感がある。
私っていつからこんなに性格が悪くなっちゃったんだろなんて、そんなことを考えちゃう。
「ありがとうみんな。私もみんなと仲良くできたら嬉しいな」
私達は放課後に勉強会を開くことになった。
「都築さん勉強会開くんだって?よければ俺たちも混ぜてくれない?」
「男子はお断りでーす」
「あんたたち都築さんに近づきたいだけでしょ」
女の子達が男の子を追い払ってくれた。
「都築さん。女の子同士で楽しくおしゃべりしましょうね?」
……この状況、結構楽しいかも。
私達はミコトの家で集まって勉強をすることになった。ミコトは親しみやすい性格をしているけれど、意外にもお家は大きなお屋敷だった。
「お邪魔しまーす!」
「わぁ、おっきい部屋!」
「あんまりジロジロ見られると恥ずかしいな。モモカちゃんには負けるだろうし」
「モモカちゃん家って絶対豪邸よね」
「執事やメイドがたくさんいたり?」
「番犬にシェパードを飼ってたり?」
「壁に有名画家の絵が貼ってあったりするのよね」
「あとリムジンがとにかく長いのよ」
みんなはどれだけ私のことをお嬢様だと思ってるのかしら。期待に添えなくて残念ね。
「皆さんいらっしゃい。娘がお世話になってるわね」
ミコトのお母様がお茶とお菓子を持って部屋にやってくる。
「皆さんのお話はミコトから聞いてるわ。この子ったらいっつもみんなのことをカワイイって言ってるんだから」
「もぉ、お母さんはちょっと黙ってて!早く向こう行ってよ!」
「はいはい」
可愛らしいお母様ね。大切に育てられてきたのね。羨ましいな。
「ここの式はどういう意味なの?」
「そこは教科書の例題2を応用して解くのよ。X=2の時にYの値がこのようになるのは……」
「先生!これはどうするの?」
「ここの計算を間違ってるから上手く値が出ないのね。ここはこのようにして……」
計算をいくつかやりながら、ミコトのお母さんが持ってきてくれたお菓子を食べる。
「やっぱりモモカちゃんに頼んでよかった!モモカちゃんの説明すっごく分かりやすいんだもん!」
「ふふ。ありがとう」
「はぁー、何問か解いただけでもう頭が痛くなってきたぁ」
女の子の1人が腕を大きく広げて床に寝転んだ。
「ちょっと休憩しよ~」
「そうね。ちょうどいい時間だから少し休憩しましょうか」
わぁ、と歓声が上がる。クラスメイトの子が私に近寄ってくる。にこにこと笑みを浮かべて……どうしたのかしら?
「都築さん。恋バナしよ?」
「恋バナ?」
「うん。せっかく私達しかいないんだからさ、秘密のお話をしようよ」
恋バナ。ああ、恋のお話のことね。
「でも私、今まで付き合ってきた人なんていないよ」
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「そう。私はモモカちゃんのことを心から愛して……て違う!」
鋭いツッコミ。
「都築さんは気になってる人はいるの?」
「好きなタイプは?」
「相手に求める条件は?」
「え、えっと……」
その時、1人の子が言った。
「染谷くんのこと好きなの?」
「……クリスくんはいいお友達よ」
「クリスくんなんて言っちゃってさ。ちゃっかり仲良くなってるじゃん」
「モモカちゃんって変わってるのね。あんなやつの何がいいのよ」
クリスくんとはあの日以来顔を合わせていない。私があんなことを言ったから、私のことを意識しちゃって話しかけられないのかもね。
それに中間テストが終われば学祭の準備が始まるから、使い魔バトルのためにユキノくんと訓練をしているのかも。『王子様』は決闘を拒否できないから。
そしてもうひとつ。『王子様』に決闘を申し込まれた人は拒否できない。
染谷クリス。あなたはどうするのかしら。
「クリスくんはとてもいい人よ」
「嘘だ。いい人が、あんなふうに人前で誰かを晒し者にするなんてありえない」
「かわいそうに。結城くんもあれ以来学校に来れてないんだから」
私がクリスくんを助けてから、結城くんは不登校になってしまった。私がクリスくんを助けたんだってことは別に言っても構わないのだけど、クリスくんに嫌われるのはイヤだからやめておきたい。
「……顔がいいとか」
「顔だけよ」
「背も高いし」
「背が高くたって最初はいいかもしれないけど、喋ってると首が痛くなるじゃん」
「勉強も運動もできるし」
「それはモモカちゃんも同じでしょ。だったら私はモモカちゃんの方がいいよ」
私は頭の中でクリスくんのいいところを考える。
何であいつなんかのために必死になって考えてるのかしら。
「……ええっと、その」
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