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四章 JKゲーム
第8話 華炎と氷華の舞踏
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「その炎、あの小柄なショートヘアの子のやつね」
「ええ、そうよ」
私がほむらちゃんの炎を出したことに、魔女は驚きつつも納得した表情をみせた。
この円筒形の廊下みたいな空間は私と魔女の力が拮抗して構成されているから、お互いに制限がかけられている状態。
だから、共通認識のものでないと現すことができない。
そして魔女は、ほむらちゃんや聖名夜ちゃんと戦っているから、私がここで再現できる。
こんな風に──。
「右手に炎、左手に冷気……。やるわね、優子」
魔女、ちょっと焦っているわね。
真逆の属性を同時に展開するのは難しいみたいだから。
でも私にとっては親友二人の力を表している。
「残りの時間、この力で防ぎきってみせる!」
「いいわ、優子。その力で防げるか、私が突破するか、試してみましょう!」
そう言うと魔女は私の背後に回ってそこから抱きつこうとした。
「むん!」
私は回転しながら、右肘と左手を振った。
それを追いかける炎と冷気が鞭のようになって魔女の接近を跳ね返す。
「つっ……」
思わぬ反撃に、魔女は後ろに飛ばされ、空中を舞うも、一回転してきれいに着地した。
魔法で身体強化しているとはいえ、基本的に運動神経はいいのよね。
「いい反応だわ、優子」
服についた炎や氷を髪の毛からの魔法で、消火、解凍する魔女。
「ありがと」
私が答えると、魔女は続けてもう一つ魔法を追加した。
魔女の身体が光ったことから、さらに身体強化の魔法を使ったんだ。
「もう一段、上げていくわよ」
そう言って魔女は跳び出した。
!
右、左……。
惑わせるようにしながら隙を伺っている。
だったらとにかく近寄らせないようにするだけ。
左手を前にして周りの床に冷気を這わせ、そこから一・五メートルくらいの剣みたいな氷柱を、私の周囲三メートル程度の範囲で展開させた。
あくまで聖名夜ちゃんの魔法を再現しているだけだし、細い氷柱をまばらに設置するのが精一杯。
いちおう、魔女にとって邪魔になる形で、刃にもなるものだから切れると思わせて心理的ブレーキを与えることもできると思う。
頭上が無防備になるけど、そこはほむらちゃんの炎で迎撃する。
「ふふ」
魔女が笑ったかと思うと、高速移動しながら氷柱を砕いて接近してきた。
え、いやそれ痛くないの?
氷柱は立てた剣を四本組み合わせたかんじで、十字に刃が四つあるんだけど、まるで問題にしていない。
まずい。
「優子──」
ボッ!
再び炎で牽制しつつ、守るために攻撃に転じる。
「やああああー!」
私のかけ声とともに、横に円を描きながら、三つの炎と三つの冷気が魔女に迫る。
上へ下へ、右へ左へ、次々と赤と青の軌跡を残しながら魔女を求めて円舞を繰り広げていく。
回る六つの円が、お坊さんの持つ錫杖の遊環に見えることから、その名前がついたものであり、ほむらちゃんの得意技。
炎舞乱・六僧。
それのもどきであり、私のアレンジ。
炎か冷気、どちらかだったら対処はできたんだろうけど、両方同時に攻められては難しくなるでしょう。
「いいわね、それ。私たち踊っているみたい」
楽しそうに言う魔女。
私と一緒にいく炎と冷気の円を躱すのが、魔女には二人で踊っているように思うみたいね。
炎舞乱と、舞の字があるとおり手や足を大きく振る動作だから、そう思われても仕方ないけど。
「もっと踊っていたいけど、いまはダメね」
すると魔女は突然立ち止まって、躱すのを止めた。
こっちは円の勢いがあるから当然、炎と冷気は魔女へぶつかっていく。
炎は燃え上がり、冷気は接触面から凍結していってその部分を形作る。
相反する二つだけど、相殺されることなくお互いに役割を果たしているし、これじゃあ魔女も動けない。
諦めた──、わけじゃない!
目の前に魔女が現れて私に抱きついた。
「ふふ」
黒いブラの肩ひもが見えるから、魔女は下着姿。
ということは、いま炎と冷気がぶつかったのは魔女のスーツだけで、忍者の空蝉の術みたいにして本体は脱出したんだ。
「捕まえたわよ、優子……」
そのまま押し倒そうとする魔女。
近すぎてうまく力が入らない。
魔法を使うにしても何を……。
そっか。
このまま後ろへ倒れて──。
ゴン!
制服を抱きしめながら、魔女は前のめりになっておでこを床に打ちつけた。
「あ、いたた……」
そして魔女は座り込みながら患部に右手をあてた。
「優子、早速キャストオフするなんて、相変わらず抜け目ないわね」
私を見ながら嬉しそうに言う魔女。
「……」
脱出ということで、魔女の空蝉の術を再現してみた。
まあ、魔女はキャストオフって言ってるけど。
そのため、いまは私も下着姿。
「それに思ったとおり、健康的でいい身体。学生らしい健全さがでてる」
魔女は立ち上がりながら評した。
そう言う魔女はいま、下着がとても大人なかんじだけど。
「そして、この格好でいいのは、夜とベッドがあるときよね。場合によっては下品なだけだから」
すると魔女はまた紫のスーツ姿に戻った。
「優子、やはりあなたがいれば飽きないわ。もっと遊びたいけど、時間がきてしまったみたい」
「え?」
促されて見ると、壁や窓が白い靄のようなものに包まれていた。
「ええ、そうよ」
私がほむらちゃんの炎を出したことに、魔女は驚きつつも納得した表情をみせた。
この円筒形の廊下みたいな空間は私と魔女の力が拮抗して構成されているから、お互いに制限がかけられている状態。
だから、共通認識のものでないと現すことができない。
そして魔女は、ほむらちゃんや聖名夜ちゃんと戦っているから、私がここで再現できる。
こんな風に──。
「右手に炎、左手に冷気……。やるわね、優子」
魔女、ちょっと焦っているわね。
真逆の属性を同時に展開するのは難しいみたいだから。
でも私にとっては親友二人の力を表している。
「残りの時間、この力で防ぎきってみせる!」
「いいわ、優子。その力で防げるか、私が突破するか、試してみましょう!」
そう言うと魔女は私の背後に回ってそこから抱きつこうとした。
「むん!」
私は回転しながら、右肘と左手を振った。
それを追いかける炎と冷気が鞭のようになって魔女の接近を跳ね返す。
「つっ……」
思わぬ反撃に、魔女は後ろに飛ばされ、空中を舞うも、一回転してきれいに着地した。
魔法で身体強化しているとはいえ、基本的に運動神経はいいのよね。
「いい反応だわ、優子」
服についた炎や氷を髪の毛からの魔法で、消火、解凍する魔女。
「ありがと」
私が答えると、魔女は続けてもう一つ魔法を追加した。
魔女の身体が光ったことから、さらに身体強化の魔法を使ったんだ。
「もう一段、上げていくわよ」
そう言って魔女は跳び出した。
!
右、左……。
惑わせるようにしながら隙を伺っている。
だったらとにかく近寄らせないようにするだけ。
左手を前にして周りの床に冷気を這わせ、そこから一・五メートルくらいの剣みたいな氷柱を、私の周囲三メートル程度の範囲で展開させた。
あくまで聖名夜ちゃんの魔法を再現しているだけだし、細い氷柱をまばらに設置するのが精一杯。
いちおう、魔女にとって邪魔になる形で、刃にもなるものだから切れると思わせて心理的ブレーキを与えることもできると思う。
頭上が無防備になるけど、そこはほむらちゃんの炎で迎撃する。
「ふふ」
魔女が笑ったかと思うと、高速移動しながら氷柱を砕いて接近してきた。
え、いやそれ痛くないの?
氷柱は立てた剣を四本組み合わせたかんじで、十字に刃が四つあるんだけど、まるで問題にしていない。
まずい。
「優子──」
ボッ!
再び炎で牽制しつつ、守るために攻撃に転じる。
「やああああー!」
私のかけ声とともに、横に円を描きながら、三つの炎と三つの冷気が魔女に迫る。
上へ下へ、右へ左へ、次々と赤と青の軌跡を残しながら魔女を求めて円舞を繰り広げていく。
回る六つの円が、お坊さんの持つ錫杖の遊環に見えることから、その名前がついたものであり、ほむらちゃんの得意技。
炎舞乱・六僧。
それのもどきであり、私のアレンジ。
炎か冷気、どちらかだったら対処はできたんだろうけど、両方同時に攻められては難しくなるでしょう。
「いいわね、それ。私たち踊っているみたい」
楽しそうに言う魔女。
私と一緒にいく炎と冷気の円を躱すのが、魔女には二人で踊っているように思うみたいね。
炎舞乱と、舞の字があるとおり手や足を大きく振る動作だから、そう思われても仕方ないけど。
「もっと踊っていたいけど、いまはダメね」
すると魔女は突然立ち止まって、躱すのを止めた。
こっちは円の勢いがあるから当然、炎と冷気は魔女へぶつかっていく。
炎は燃え上がり、冷気は接触面から凍結していってその部分を形作る。
相反する二つだけど、相殺されることなくお互いに役割を果たしているし、これじゃあ魔女も動けない。
諦めた──、わけじゃない!
目の前に魔女が現れて私に抱きついた。
「ふふ」
黒いブラの肩ひもが見えるから、魔女は下着姿。
ということは、いま炎と冷気がぶつかったのは魔女のスーツだけで、忍者の空蝉の術みたいにして本体は脱出したんだ。
「捕まえたわよ、優子……」
そのまま押し倒そうとする魔女。
近すぎてうまく力が入らない。
魔法を使うにしても何を……。
そっか。
このまま後ろへ倒れて──。
ゴン!
制服を抱きしめながら、魔女は前のめりになっておでこを床に打ちつけた。
「あ、いたた……」
そして魔女は座り込みながら患部に右手をあてた。
「優子、早速キャストオフするなんて、相変わらず抜け目ないわね」
私を見ながら嬉しそうに言う魔女。
「……」
脱出ということで、魔女の空蝉の術を再現してみた。
まあ、魔女はキャストオフって言ってるけど。
そのため、いまは私も下着姿。
「それに思ったとおり、健康的でいい身体。学生らしい健全さがでてる」
魔女は立ち上がりながら評した。
そう言う魔女はいま、下着がとても大人なかんじだけど。
「そして、この格好でいいのは、夜とベッドがあるときよね。場合によっては下品なだけだから」
すると魔女はまた紫のスーツ姿に戻った。
「優子、やはりあなたがいれば飽きないわ。もっと遊びたいけど、時間がきてしまったみたい」
「え?」
促されて見ると、壁や窓が白い靄のようなものに包まれていた。
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