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二章 城跡戦
第3話 入浴と食事と
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「さっきは、やばかったッスねー」
ビジネスホテルの一室みたいな十畳ていどの広さをもつ私の居住空間に到着。
そこから開口一番のセリフがこれッス。
「あ、え? 彩の部屋?」
「ジュマ!」
まだよく分かってない文姫さんに、ジュマが肯定して答えたッス。
「あのまま戦っても勝ち目ないんで、一旦、下がって作戦を練り直すッス」
「そ、そう……」
キョトンとした顔の文姫さん。
まあ、説明している暇がなかったんで当然ッスけどね。
「シャワーを浴びるッス。文姫さんも一緒にいかがッスか?」
「シャワー……、ああ、お風呂ね。いいわ、入りましょう」
古風な方なんで、ピンとこなかったみたいッスね。
「それじゃあジュマ、よろしくッス」
言いながら私はロックグラスとパイソンを空間倉庫に転送。
「ジュマ!」
了解、という感じで敬礼のポーズをしながら見送るジュマ。
私と文姫さんは脱衣室へ。
袖抜き白シャツ、紺色のミニプリーツスカート。赤の見せブラとショーツである私と違い、文姫さんは着物なんで脱ぐの大変だろうなって思っていたら自動ッスね。
着物が勝手に脱げていって棚にたたまれていくッス。
浴室へ入り、シャワーに手をかける私。
「あ、文姫さん────」
振り向くと文姫さん、隅っこで木製のイスや桶をポンと出して使い、手拭いで身体を洗ってるッス。
本当は文姫さんが使えるような物があったッスが、なんかご自分のを使われているみたいッス。
お湯とか石鹼なんかも、どこから出してるんッスかね。
まあ、そっとしていおいて、シャワーをかけないように気をつけるッス。
「それにしても彩、あなたあれだけの猛者を相手に無傷なんてすごいわね」
「そうッスか? あざーッス」
「だって、ふつうはあそこまで戦えないんじゃなくて」
「まあ、タタカイノキオクもあるッスからね」
「それは人間の戦い全てが納められた情報空間のことよね。情報や知識だけで動けるものなの?」
「運動も込みでの能力ッスね。ただ、スタミナまでは含まれてないんで、身体がきつくなるッスけど」
「だからさっきは撤退したと?」
「それもッスけど、環境のこともッスね。あそこで爆裂系の魔法を使う手もあったッスが、世界夜でふっとばすと現実世界にも影響が出るッスからね。なるべくなら影響のないようにしたかったッス」
「ふーん」
感心したかんじで答える文姫さん。
そのあと、私は備え付けのボディソープで身体を洗い、文姫さんは自前の木製湯船につかって身体を温めたッス。
「────ふう、さっぱりした」
文姫さんの一言をいただき、揃って汗を洗い流した私たちは浴室を出たッス。
魔力で髪や身体を一瞬で乾かし、脱衣室で部屋着に着替える。
それは文姫さんも同様ッスが、部屋着ではなく、元の着物姿ッスね。
着物が意思をもったみたいに自動的に着付けられるんで、素直に便利だな、て思うッス。
私の、デジタル迷彩柄ピンクTシャツに黒のジャージズボンと比べると、いろいろ違うって感じるッス。
「そんじゃジュマ、食事にするッス。カレーライスを頼むッス」
「ジュマ!」
部屋に出て、テーブルに向かいながらイスに座る私。
「────私はここにするわ」
そう言いながらテーブルの端っこで、ポンと自分サイズの座布団を出して正座する文姫さん。
するとその目の前に文姫さん用のお膳が現れ、皿に盛られたカレーライスがのっていたッス。
「あ、文姫さんもカレーライスッスか?」
「ええ、わたしもちょっと食べてみたくなりましたの。食神、お勧めのものを頼みましたわ」
「へー、シンプルな見た目ッスけど、おいしそうッスねー」
「そう? じつは私、初めて食べるの。いちおう甘口なんだけど」
「いいじゃないッスか。私も甘口ッスよ」
私の前にもジュマが宅神から食神の経路で買った、馴染みの食堂が作るカレーライスが現れたッス。
少し緊張した感じの文姫さんッスが、私が笑顔でいうと、ほぐれたみたいッスね。
「では、いただきます」
手を合わせ、一礼してスプーンを手に取る私と文姫さん。
ライスにカレーを絡めてスプーンにのせ、静かに口へ運ぶ。
「おいしい!」
文姫さん感嘆のお言葉。
「これは、素晴らしいわね」
「はは、よかったッス」
ぱくぱくと夢中になって食べてる文姫さんを見て、私もうれしくなるッス。
おそらく文姫さんのカレーはどこか有名店のものでしょうが、それでもカレーライス自体を受け入れたみたいッスからね。
私にとっては家族と思い出のメニュー。
みんなで食べた味。
楽しいひととき……。
「────ごちそうさまでした」
手を合わせ満面の笑みを浮かべる文姫さん。
「ごちそうさまでした」
私も食べ終え、静かに手を合わせる。
使ったカレーライスの皿やスプーン、そして文姫さんのお膳はテーブルから消え、食神の元へ転送。
いれかわりに、私には水が入ったコップ。
文姫さんには緑茶が注がれた湯吞が現れたッス。
「ふう……」
一口飲んで息をもらす私と文姫さん。
「それで彩、この後どうするの? 就寝?」
もう寝るだけの状態なんで文姫さんが確認してきたッスね。
「いや、もう少し起きてるッスよ。ジュマ」
「ジュマ!」
ジュマが敬礼して答えると、テーブルの上にA3サイズの白地用紙と黒のサインペンが現れたッス。
私はサインペンを右手に持ち、城跡の地図と夜獣さんたちがいた場所、配置を書いていく。
「お腹がいっぱいになったところで、作戦会議、いきましょうか」
そう言って顔を上げると、ジュマはテーブルの上にのり、文姫さんの表情は真剣なものになったッス。
ビジネスホテルの一室みたいな十畳ていどの広さをもつ私の居住空間に到着。
そこから開口一番のセリフがこれッス。
「あ、え? 彩の部屋?」
「ジュマ!」
まだよく分かってない文姫さんに、ジュマが肯定して答えたッス。
「あのまま戦っても勝ち目ないんで、一旦、下がって作戦を練り直すッス」
「そ、そう……」
キョトンとした顔の文姫さん。
まあ、説明している暇がなかったんで当然ッスけどね。
「シャワーを浴びるッス。文姫さんも一緒にいかがッスか?」
「シャワー……、ああ、お風呂ね。いいわ、入りましょう」
古風な方なんで、ピンとこなかったみたいッスね。
「それじゃあジュマ、よろしくッス」
言いながら私はロックグラスとパイソンを空間倉庫に転送。
「ジュマ!」
了解、という感じで敬礼のポーズをしながら見送るジュマ。
私と文姫さんは脱衣室へ。
袖抜き白シャツ、紺色のミニプリーツスカート。赤の見せブラとショーツである私と違い、文姫さんは着物なんで脱ぐの大変だろうなって思っていたら自動ッスね。
着物が勝手に脱げていって棚にたたまれていくッス。
浴室へ入り、シャワーに手をかける私。
「あ、文姫さん────」
振り向くと文姫さん、隅っこで木製のイスや桶をポンと出して使い、手拭いで身体を洗ってるッス。
本当は文姫さんが使えるような物があったッスが、なんかご自分のを使われているみたいッス。
お湯とか石鹼なんかも、どこから出してるんッスかね。
まあ、そっとしていおいて、シャワーをかけないように気をつけるッス。
「それにしても彩、あなたあれだけの猛者を相手に無傷なんてすごいわね」
「そうッスか? あざーッス」
「だって、ふつうはあそこまで戦えないんじゃなくて」
「まあ、タタカイノキオクもあるッスからね」
「それは人間の戦い全てが納められた情報空間のことよね。情報や知識だけで動けるものなの?」
「運動も込みでの能力ッスね。ただ、スタミナまでは含まれてないんで、身体がきつくなるッスけど」
「だからさっきは撤退したと?」
「それもッスけど、環境のこともッスね。あそこで爆裂系の魔法を使う手もあったッスが、世界夜でふっとばすと現実世界にも影響が出るッスからね。なるべくなら影響のないようにしたかったッス」
「ふーん」
感心したかんじで答える文姫さん。
そのあと、私は備え付けのボディソープで身体を洗い、文姫さんは自前の木製湯船につかって身体を温めたッス。
「────ふう、さっぱりした」
文姫さんの一言をいただき、揃って汗を洗い流した私たちは浴室を出たッス。
魔力で髪や身体を一瞬で乾かし、脱衣室で部屋着に着替える。
それは文姫さんも同様ッスが、部屋着ではなく、元の着物姿ッスね。
着物が意思をもったみたいに自動的に着付けられるんで、素直に便利だな、て思うッス。
私の、デジタル迷彩柄ピンクTシャツに黒のジャージズボンと比べると、いろいろ違うって感じるッス。
「そんじゃジュマ、食事にするッス。カレーライスを頼むッス」
「ジュマ!」
部屋に出て、テーブルに向かいながらイスに座る私。
「────私はここにするわ」
そう言いながらテーブルの端っこで、ポンと自分サイズの座布団を出して正座する文姫さん。
するとその目の前に文姫さん用のお膳が現れ、皿に盛られたカレーライスがのっていたッス。
「あ、文姫さんもカレーライスッスか?」
「ええ、わたしもちょっと食べてみたくなりましたの。食神、お勧めのものを頼みましたわ」
「へー、シンプルな見た目ッスけど、おいしそうッスねー」
「そう? じつは私、初めて食べるの。いちおう甘口なんだけど」
「いいじゃないッスか。私も甘口ッスよ」
私の前にもジュマが宅神から食神の経路で買った、馴染みの食堂が作るカレーライスが現れたッス。
少し緊張した感じの文姫さんッスが、私が笑顔でいうと、ほぐれたみたいッスね。
「では、いただきます」
手を合わせ、一礼してスプーンを手に取る私と文姫さん。
ライスにカレーを絡めてスプーンにのせ、静かに口へ運ぶ。
「おいしい!」
文姫さん感嘆のお言葉。
「これは、素晴らしいわね」
「はは、よかったッス」
ぱくぱくと夢中になって食べてる文姫さんを見て、私もうれしくなるッス。
おそらく文姫さんのカレーはどこか有名店のものでしょうが、それでもカレーライス自体を受け入れたみたいッスからね。
私にとっては家族と思い出のメニュー。
みんなで食べた味。
楽しいひととき……。
「────ごちそうさまでした」
手を合わせ満面の笑みを浮かべる文姫さん。
「ごちそうさまでした」
私も食べ終え、静かに手を合わせる。
使ったカレーライスの皿やスプーン、そして文姫さんのお膳はテーブルから消え、食神の元へ転送。
いれかわりに、私には水が入ったコップ。
文姫さんには緑茶が注がれた湯吞が現れたッス。
「ふう……」
一口飲んで息をもらす私と文姫さん。
「それで彩、この後どうするの? 就寝?」
もう寝るだけの状態なんで文姫さんが確認してきたッスね。
「いや、もう少し起きてるッスよ。ジュマ」
「ジュマ!」
ジュマが敬礼して答えると、テーブルの上にA3サイズの白地用紙と黒のサインペンが現れたッス。
私はサインペンを右手に持ち、城跡の地図と夜獣さんたちがいた場所、配置を書いていく。
「お腹がいっぱいになったところで、作戦会議、いきましょうか」
そう言って顔を上げると、ジュマはテーブルの上にのり、文姫さんの表情は真剣なものになったッス。
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