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2話
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しおりを挟む「じゃあ、弟くんは、絵画専攻なんだ、すごいね、相当実力あるってことだ、私たち教育の美術専攻と比べて」
「いや、そんなことは」
普段は強気の春樹が、今は亜紀の迫力に負けている。
「いえ、凄いわ」
いつの間にか話の中心は春樹になっていて、大学の専攻の話で盛り上がっていた。
柑菜は、みんなの残り少ないカップの量を見て、「何飲みたい?」と聞く。
コーヒーと紅茶派の二つに分かれた結果、結局どちらもお菓子に合うということで、紅茶とコーヒーの2つを用意することにした。
柑菜は、キッチンから3人の姿を見る。
自分の友達と弟がこうやって話をしているのを見ると、なんだか変な気持ちになるけどどこか嬉しくもあるなあ、と柑菜は微笑ましくなった。
柑菜は、そういえばと思い出し、駅前のデパートで以前に買って来たチョコレートを用意した。
四角や丸、白やピンクに緑、そしてお馴染みの黒茶のチョコレート。
小さなチョコレートが、上品な入れ物に綺麗に並べられてある。
それを、みんなのいるテーブルに置いた。
「みんな、チョコレートどうぞ」
それを見た櫻子と亜紀は、「わあ」と小さく声をあげた。
「これ、遠慮せずに食べてね」
「ありがとう」
2人は、ひとつを手に取り、口に含む。
「美味しい」
高級なチョコレートは、舌の上で滑らかに溶ける。これのおかげで、みんなはより笑顔を咲かせる。
4人は、その後もチョコレートやクッキーを食べながら大学の話で盛り上がり、結局恋愛の話をほとんどすることのないまま、夜になってしまった。
「今日はありがとう」
「ぜひまた来てね、絶対よ」
柑菜は、2人が来たのが本当に嬉しかったのか、強い口調でそう言った。
2人は、そんな柑菜を見て笑っている。
「私の家にもいらっしゃって、もちろん春樹くんも」
櫻子の言葉に、柑菜と亜紀は「うん、もちろん」と返事をした。
「お邪魔しました」と言う櫻子と亜紀を、柑菜と春樹は玄関で見送る。
こうして、4人のティータイムは幕を閉じた。
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