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4章 紡ぐ
紡ぐ
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ゼンと出会ってから、間もなく1年が過ぎようとしていた。相変わらず学校には行けない日々が続いていた。ただゼンのおかげで心の底から笑える機会が増えているような気がした。
ゼン、君はどんな人生を送ってきたんだい?想像を膨らませようにも、まるで思いつかない。それでも試行錯誤しながらでも、夢の欠片を紡いでいこう。
-お母さん、みんな、何処に居るの?ボクは此処でずっと待ち続けているよ。何故みんな来てくれないの?寂しいよ。
-ボクは優しい母さんと5人兄弟として生まれたんだ。茶色い壁で囲まれた小さな部屋がボクらの遊び場だった。
みんなやんちゃですぐ喧嘩になったけどお母さんが優しく止めてくれたよね。兄弟たちは意地悪だけど、楽しかった。ボクはみんなより弱かったから母さんがいつも味方してくれた。凄く嬉しかった。暖かかった。
-ある日兄弟たちと遊んでいると、爪が目の中に入った。その時も母さんは優しくいつもみたいにボクを舐めてくれた。普段ならそれですぐ治ったんだ。でもその時は何かが変だった。とても眩しい!目を閉じているといつの間にか眠っているようだった。目を覚ました時、やっぱ眩しい!お日様が凄く大きくなっちゃったみたいだ。ボクはずっと目を開けられなくなっちゃった。ご飯も食べられなくなり元々弱かったボクは更にやせ細った。兄弟たちは相変わらず意地悪してくるけど、母さんはもう助けてくれなくなっていた。
-あの日突然、みんなとの生活は終わった。大きな手がボクをつかんで世界の外に出した。そしてそのまま真っ暗闇に閉じ込められた。何かにぶつかったり、凄く激しく揺れたりとても怖かった。そのまま気を失った。
-気付いたらボクは知らない場所にいた。今までいた世界よりもずっとずっと広い世界、そこに独りぼっち。
そこまで書いて僕は止まってしまった。もう考えることが出来なくなっていた。隣に寄り添ってきたゼンを抱き締めた。その体は出会った時と変わらない。やせ細ったままだった。
ゼン、君はどんな人生を送ってきたんだい?想像を膨らませようにも、まるで思いつかない。それでも試行錯誤しながらでも、夢の欠片を紡いでいこう。
-お母さん、みんな、何処に居るの?ボクは此処でずっと待ち続けているよ。何故みんな来てくれないの?寂しいよ。
-ボクは優しい母さんと5人兄弟として生まれたんだ。茶色い壁で囲まれた小さな部屋がボクらの遊び場だった。
みんなやんちゃですぐ喧嘩になったけどお母さんが優しく止めてくれたよね。兄弟たちは意地悪だけど、楽しかった。ボクはみんなより弱かったから母さんがいつも味方してくれた。凄く嬉しかった。暖かかった。
-ある日兄弟たちと遊んでいると、爪が目の中に入った。その時も母さんは優しくいつもみたいにボクを舐めてくれた。普段ならそれですぐ治ったんだ。でもその時は何かが変だった。とても眩しい!目を閉じているといつの間にか眠っているようだった。目を覚ました時、やっぱ眩しい!お日様が凄く大きくなっちゃったみたいだ。ボクはずっと目を開けられなくなっちゃった。ご飯も食べられなくなり元々弱かったボクは更にやせ細った。兄弟たちは相変わらず意地悪してくるけど、母さんはもう助けてくれなくなっていた。
-あの日突然、みんなとの生活は終わった。大きな手がボクをつかんで世界の外に出した。そしてそのまま真っ暗闇に閉じ込められた。何かにぶつかったり、凄く激しく揺れたりとても怖かった。そのまま気を失った。
-気付いたらボクは知らない場所にいた。今までいた世界よりもずっとずっと広い世界、そこに独りぼっち。
そこまで書いて僕は止まってしまった。もう考えることが出来なくなっていた。隣に寄り添ってきたゼンを抱き締めた。その体は出会った時と変わらない。やせ細ったままだった。
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