上 下
159 / 303

第157話 動乱の閉幕

しおりを挟む
祭の事後処理も色々有るもので。塵拾いや塵掃除。
ポイ捨て、捨て置きは厳禁です。

邪神の呪いの特性上。不足を補う道具類が在るのではとノドガの屋敷に戻る前に、マイアゼル(指輪)の出発地点へクワンに運んで貰った。

「へぇ」
割と大きな建物。そこの屋上に到着。

屋敷や邸宅、よりも大きな工房。工場だなこれ。
「ここが怪しかったと」
そうだと一鳴き。
「一番大きな建物で。一番人の出入りが少なかった場所でしたから」
その矛盾に疑問を持っていたようだ。

完全自動化とかはこの世界にまだ無いからな。自動化された工場なら人も少ない。

鉄製の屋上扉を蹴破り(外壁が壊れた)内部へ侵入。取り敢えず中に居た人々を弱い麻酔で眠らせ、建物西側の空き地に並べた。

夏場で風邪は引かないと勝手に信じます。

索敵の色で判別するのは大局だけに留め、常用をしてはいけないんだと猛省。誰が何に対して敵意を持っているかは聴取してみないと解らない。

ラザーリアの地下に居た5人。行き成り斬り捨てたのは拙かった。謝罪なら地獄に落ちてからにして貰おう。

「悪魔め!」あの時吐かれた言葉が脳裏に浮かぶ。
今なら納得の言。俺が最も勇者に不向きな人間だ。

一言で相応しくない。

この世界の勇者は碌でも無いな。初代はベルさんぽいから救いはそこだけだ。

英雄で勇者で技工士。他にも色々やっていたなら俺なんてそこいらの雑魚と同じだ。
「自分を追い込むのは後でも出来ますよ」
仰る通り。ありがとロイドちゃん。

やる気を取り戻して集中集中。

全面破壊すると間違い無く後悔すると考え、一部屋一部屋丹念に捜索。

…地上1階は白い粉の生産工場。地下蔵に大量の合成麻薬が袋詰め。人間が一番怖い、てのはホントだな。

大麻、幻惑草、液化コカイン、精製ヘロイン。気持ち悪!
いったい何に使うんだか。

西に向かう地下通路は最初に岩を敷き詰め封鎖。外へ繋がる扉と全窓は鉄板で内側から溶接。

壁は後で強化を頼もう。

通気用の横穴は各所に開けて準備完了。

整った段階でレイルもここへ来ると連絡が入った。
建物2階の道具工房を物色中に合流。
「お疲れレイル。そいつが召喚士?」
「ちと違ったが似た様な者じゃ」
影から出され、床に転がる…婆さん?を見て。

縄で簀巻きに放置し、別室で各地の様子を報告し合った。

「はぁ…。大量の麻薬は西で使ってたのか」
「その様じゃの」
「娘さんは大丈夫なの?」
「さあて。禁断症状で多少暴れるじゃろうが薬如きで錯乱したりせぬ。人間の身体と一緒にするでない」
気にしなくて良さげ。

「イゾルバの工場はクワンが壊してくれたから、ここの資材を焼却すれば一応供給源は断てる。でも生産技術は流出してるだろうから時間の問題かなぁ。
外に寝かせた人たちの記憶って弄れたりする?」
「娘が関わっておるなら遣るしか有るまいて。殺さぬのなら数年間の記憶を消し飛ばすがの」
そこはお任せ。

簀巻きにしたアノヒハと言う名の老婆を回収…。芋虫みたく床を這い回っていた。
「何この見た目に合わない生命力は」
「生血と涙と樹液を原液で飲ませたからのぉ。死にたくとも死ねぬ身体じゃて。元々自分で改造しておったから通常の人間でもなかったがの」
こいつは自分の意志で人間辞めてたのか。なら遠慮は要らない。

ゴロゴロ転がしながら色々な部屋に連れ回し、必要部品の回収作業を実施。

台座中核の黒魔石を床下から掘り起こした時はクワンが悔しそうにしていた。
「気にすんなって。他の2つは海に沈んだって話だし」
「クワァ…」

撫で撫でして次々に回収。

掛けた魔力量に応じてゴッズの出現確率を引き上げる杖。
儀式用に製作途中だった転移の石碑。
多数の隷属化・従属化の魔道具。
マリス他を操っていた魔道具。

「これの相手は埋め込み式なのか」
首を縦に振っている。随分素直だな。

アノヒハの記憶を読んだレイル曰く、頭部の中に埋め込まれたらしい。
「無理に取り出そうとすれば後遺症が残る…」
「表皮に近い場所の様じゃ。解呪の彫像で駄目なら妾が引き抜いてやるわ」
「それは最終手段かな。表面なら外科手術で取り出せるかも知れないし」

少し残念がってた。

3階で薬草や前世界近代医療に近い注射器。地下蔵に貯蔵された物を残らず回収し終え。最後に残したのが地下の魔人製造容器。

中身は空だがどうしたもんか。

「壊した所で西に設計者が居るなら、あんま意味無さそうだしなぁ」
と宣いながらも粉微塵に破壊して浄化した。

驚くアノヒハを無視して屋敷の各所に油を撒いて着火。その間にレイルが外の人の記憶を書き換え敷地外に押し出した。




---------------

取るべき物は取り尽くし、ノドガ邸に連れて来た。
が、次にこいつをどうしようで皆で相談。

「城に付き出すと仲間が逃しそうで困る」
「三日後に西へ運ばせる予定じゃ。折角飲ませた樹液が勿体ない」
そっちの方が重要だな。
「レイルの手柄だから文句は無い。この場で呪いを解除させてフィーネがマリスさんの身体拾ってペリーニャのとこに飛ぶ。て流れでどうかな」

「解く前に王都で打ち合わせして来るわ。彼女が今どうなってるのか気になるし」
「マリスなら昏睡状態じゃな。アノヒハが意志を手放しておる間は見た目は寝ている」
「見た目は?」
「手早く済ませんと脳みそが壊れる」
非常に解り易い。そしてエグい。

手術をするならパージェントのカメノス医院に連れて行くのが最適だがあちらとは打ち合わせ不足。

道具類は一通り持っているのでアッテンハイムで清潔な部屋を用意するのが早そう。

手術となれば男の出番は皆無。
彫像をフィーネに渡し、全面的に動いて貰った。

マリスを連れ出す間は擬態したレイルが代打。フィーネの助手はアローマ。クワンが外回りの偵察。残りはアノヒハの監視要員。

「婆さんを取り返しに来るかも知れない。何処も彼処も今夜が山だ」
マリスのダメージを最小限で食い止める為には休んでる暇は欠片も無い。

気合いを入れ直し、早速女性陣とクワンがザッハークに飛んだ。


アノヒハの監禁部屋で待機。ソプランは廊下側。グーニャが窓の外で臨戦態勢。

長い夜。見た目老婆と2人切り…。

喉が潰されてお喋りも出来ず。本日の戦利品の鑑定をしながらフィーネからの連絡を待った。

対面のオマルに座らせると獣のように唸り始めた。
「何だよ。水が欲しいのか?」
下半身剥き出しのアノヒハが大きく頷く。

我が儘な奴。水分代わりに秘蔵コレクションから麻薬入りポーションを出し、遠慮無くガブ飲みさせた。

直ぐに虚ろな眼差しを浮べて気色悪いったら無い。

耐性が上がっているのか、それ以上の変化は無く静かになった。

YES・NOは首で答えられるので尋問形式で暇潰し。
「正しく解除しないとレイルに八つ裂きにされるぞ」
YES。
「寧ろそれが望みだろうから半殺しだろうがな」
NO。そりゃまあ拷問は嫌だわな。
「お前らの望みは何だ。邪神呼び出して世界征服でもしようってのか」
NO。良かった。

冗談の積もりで。
「まさか、この世界の滅亡とか考えてる?」
YES。…んだとコラ!!

邪神てそっち系だったのか。西の本体を潰さないといけなくなった。

無害だったら放置してもいいかと淡い期待をしていた俺が馬鹿だった。

ウットリしてるアノヒハを問い詰めても良い事は何も無さそう。

自分の方が混乱して来た頃に準備OKの連絡が入った。




---------------

アッテンハイムの首都。教皇本邸の一室を借り切りマリーナ立ち会いの下、マリスの施術準備を整えた。

ペルシェさんに立ち会って欲しい気持ちも有ったが時間的に厳しく巻き込めない。

自分でやるしか無い。

スタンと通話をオープン。予めソラリマを傍らに置いてレイルとの遣り取りも整った。

返却された双眼鏡で頭部をスキャニング…。チップが埋め込まれていたのは延髄と頭骨の境目。表皮に近く、小さな瘤状に盛り上がっていた。

芯部の脳髄は無事でも一歩でもミスれば中枢神経が傷付いて首から下が不随になってしまう。それは絶対回避。

プレッシャーが半端ない。外的損傷を治療するのとは訳が違う。

意識朦朧とするマリスの後頭部を剃り上げて消毒。

アルコール液に浸けた施術道具と浄化手袋をキャスター台の上に並べた。

「準備OK」
「じゃあ解除させるぞ」

糸が切れた操り人形みたくプツリと崩れたマリスの身体を俯せで寝かせ、全身麻酔を施した。

アローマさんに頭を固定して貰い手術開始。

メスで十字に切り込み開頭。一部皹割れた箇所からピンセットでチップと頭蓋の破片を取り出す。チップの方は簡単に外せたが破片が問題だった。

太い血管の下側に抉り込んでいた。
「ここまで無事だったのが奇跡ね」
激しい運動でもしようものなら髄膜と血管を破って内出血であの世行きだった。

傍らのマリーナがマスク越しに口を抑えて青ざめた。

「周囲との癒着は無し。但し血が吹き上がったら終わりだと思って。ペリーニャ、ヒールでサポート。マリーナは腰を押えながら女神様に祈って」
「「はい!」」

先細で丸いピンセット2本持ちで隙間を作り、サイドから破片を引き摺り出した。

1つ、2つ、極少のが3つ目。

双眼鏡で異物確認。残存無し。

「良し。縫合します」

表皮の中腹までで縫い合わせ、自分もヒールを掛ける。最後まで油断は出来ない。

何とか閉じ切り、ペリーニャの手に重ねてヒールを開始。

最後の確認でも内出血は見られなかった。

「手術は成功よ。ここからはマリーナの仕事。朝までに自然呼吸に戻らないと結構拙い」
アローマがポンピングしていた呼吸器をマリーナに引き継ぎ仰向けに起こした。

私とアローマで汚れた下の清掃と取り替え。数回毎に呼吸を確認し続け、約1時間後に自然呼吸に戻った。

大きく息を吐き出して。
「御目出度う。マリーナの祈りが通じたのかもね」
「有り難う御座います。私は何もしていません」

スタンに成功と朝までこの場に留まる旨を伝え、ペリーニャと修女さんが持ち込んでくれたお茶とプリンで一休み。

「半日以内に目覚めなかったら点滴を打つわ。2週間分は持ってるけど早いに越した事は無い。定期的に声を掛け続けて」
「はい」

マリアを思い出してくれると信じ。私たちは交代で仮眠して一夜を過ごした。




---------------

マリスが目覚めたのは手術から2日後。起きた当初は記憶の混濁が見られたが何とか取り戻し、姉妹で抱き合い再会を喜ぶ姿には感動を覚えた。

場所をザッハーク城の自宿舎に戻し、引き渡しを明日に控えたアノヒハの取扱を協議した。
「クエ・イゾルバに在る西との通信具を奪うか破壊すれば一応中央大陸内の任務は完了する訳だけど」
「このまま終わるとは思えないよねぇ」
不吉な言葉の通り。頭を潰しても動き続ける残存部隊をどう処理するかが悩ましい。

「西との折衝はスターレン様方にお任せします。それ以外の残党狩りは我々国軍にお任せを。アノヒハの情報と姉上に残る記憶から対処は可能かと思います」
「あんまり国政に首突っ込みたくないから俺たちはそこまでにする。大半の敵はゴッズ討伐関連で自滅したし。モーランゼアにお誘い受けたしな」

「タイラントには帰らねえのか」
「ケイルガード様の国境越えを見送ったら帰るよ。大部分解決したんだからお休み貰わんとやってられない」
「頑張ったご褒美に」
「休み目指してもう一踏ん張りか」
「一月で数ヶ月分働いた気がします…」
お疲れの2人に特別ボーナスを。

「その他諸々処理して。折り返しのモーランゼア訪問は俺たちだけで行く積もり。ソプランたちとレイルとはタイラントで一旦お別れかな」
「メレディスまで引っ張られたらどうしよ」
「何も聞かずに転移で逃げよう」

以降の話はそこそこに。

アノヒハを届けるのが大きな分岐点。ノドガ邸に居る救出者たちの帰宅手伝い。各地の要人との交渉事。西と中央との組織分断。残務は色々。

実際の交渉は深い因縁を持つレイルが仕切る。

交渉役がレイルになった事にマリーナは首を捻り。
「スターレン様ではないのですね」
「トップは表に出ないもんさ。ピエール様みたいに裏でコソコソやるのがいいんだよ」

足に偽装ギプスしてる身だしな。




---------------

アノヒハの引き渡し日当日。

早朝から寝起きを襲いに来た別働隊を殲滅。城内はマリーナ率いる部隊と合同で叩き潰した。

午後からクエ・イゾルバの拠点倉庫に殴り込み。
通信具…通信設備をごっそり奪い取った。

「アノヒハとやらは西大陸に送り返す。生血と樹液を全て飲ませた。欲しいなら娘と引換に魔王と交渉でもするのじゃな。妾と遊びたいなら…そうじゃのぉ。あの日の続きでもするかえ」
「…ま、待てっ」
レイルが率先して設備を粉に変え、交渉?は決裂。

粉砕した設備はアルカンレディア遺跡倉庫へ納入。

町内の完成品麻薬、関連植物の種、精製器、レシピも奪取し無人島で炭に変えた。

種は何処かで拡散してるだろうからその場凌ぎ。それでも台座部品含めて数年レベルの時間は稼げた筈だ。

自前で儀式が行える道を与えてやれば目が他に向く比重も変わるだろう。

アノヒハも虹色だったし…。

お薬を焚いた序でに金の指輪全部とゴッズ確変道具も溶かしてインゴットに換えて貯蔵。

解体を後回しにしていたゴッズたちを纏めて処理。

大車輪からは地の最上位魔石と真・大地の呼び声。それと防具に加工可能な硬質パーツ。別の物にも使えそう。

空飛ぶリングからは風と雷の最上位。天使の雷と言う名の天使の輪。サイズは任意変更可能らしい。他はタワーズと命名された謎の円柱。何に使えと?

匂い立つ双頭の蛇からは血袋と食用肉。水の最上位。耐圧性能に優れた浮き袋。蛇皮等の素材が大量に出た。獄炎竜の吐息袋と合成出来そうだが、これも使用用途が今一不明。

薬を焼いた煙と蛇の体臭がミスマッチで軽く吐いた。

臭いは消えても長居はしたくないと灰を海に流して即時撤収。

残りの麻薬をタップリと飲用、注入されたアノヒハを現われた元眷属に引き渡して作業は完了。


夜から翌日に掛け、救出者の皆様を各地に運搬。内10名が身寄りを失いウォンドとミミルさんが引受人となった。
12名は脅されていた高官や官僚の親族。順次ノドガから連絡を回して手続き開始。
残りの人は平民で将来有望な料理人見習いや食材仕入れを専門としていた行商見習い。希望者は家族の元へ。拒否者はノドガ邸専属の使用人へと配転。

「しっかしどうして若い子ばっか」
「少しでも娘の気を引こうとしたのじゃろうな。妾と違ってそっちの趣向性は持ってはおらぬから意味は無さそうじゃが…。長く会っておらん内に変化したのかのぉ」

理由不明で大勢に襲撃されたと大々的に公表し、山の様な遺体を軍部に引き取らせ、こちらの事後処理もほぼほぼ完遂した。

大会でお祭り騒ぎの王都との温度差にベンツール代表のノドガが怒りの狼煙を上げ、事件は明るみに。隣接町まで情報は拡散。

各町で人質の帰宅や誘拐事案の発覚。次々に声が上がって敵組織壊滅へと一斉にシフト。一時クワンジア内が大混乱に陥り、事態の収拾には凡そ1ヶ月を要した。

あれだけ盛り上がっていた闘技大会もすっかり落ち着き。予定のスケジュールも滞り無く進められ、男性部門はヤーチェとバリンが1,2。女性部門の優勝はあの汗臭そうな巨漢レスラー。準優勝が何故かフラーメw。ご愁傷様。

何でも有力視されていたメレディスの参加者数名が用事を思い出して、或は病気を理由に帰国してしまったらしい。

強い割に逃げ足も速かった。


大会表彰式。

男子優勝者のヤーチェに授与された凍土の石英。置いて行かれたならあれは贋作だったのか。盗み出す時間が足りなかったのかは不明だ。

唯彼が敵では無いのはインタビューの言葉から解った。
「素晴らしく大きなクリスタルだ。これぞ故シュライツ様の墓標に相応しい。誰も居なくなった遺城の玉座に飾り、生涯城を守り抜くと誓う」
仲間の4人と万歳していた。

その他の賞品は男女同じ保証書付きの宝石。女子優勝者には大きなダイヤの原石が授与された。

ちょっと欲しいと思ったのは内緒。

男子の敢闘賞は何と!おいら。お小遣いと小さな宝石。
特別賞にはハイマン。ヤーチェと唯一競り合い、善戦出来た戦い振りが高く評価された。しっかり見てるじゃん。

女子準優勝のフラーメが終始ゲッソリ。

閉会宣言前のレオハインの発表でV字回復。

「前任者の遺書には本戦出場者を兵士に勧誘せよとの記載が有った。…全く以て意味不明。
現状国内は混迷の極み。余力も暇も無い。交通費を割増し返還するので早々に国へお帰り頂きたい」

心底安堵した表情を浮べていた。


カジノの景品は粗品。便利な日用品と綺麗に消せる消しゴムに似た物が当たった。

品揃えを垣間見る限り。バザーで余った商品を並べて一括処分した感じ。

オシオイス氏、大逃げの様相。賢い選択だ。


大会明けも直ぐには帰らず(帰れず)約束していたソーヤンとの交渉、ケイルガード弟との会談、ピエールに事後報告と目白押し。

間にデブルとの初折衝が挟まれたがお互い腹の探り合いであっさりと終わった。無い腹探っても何も無い訳です。
最後は目を合わせて苦笑い。
「スターレン殿の信用が勝ち取れなかったのは残念だ」
「デブル殿の周りが特に怪しかったもので、つい避けてしまいました。国内が安定した後もその席に座っていたなら是非お酒でも」

「それも残念だが私は下戸でね」
「おぉ失礼。そう言えば食事会でも一口も飲まれてませんでしたね」
「良く見て居られる」
すんません、適当っす。
「こう見えて外交官ですので」
形ばかりの握手を交してサヨナラ。

再来国時はお茶でもするかな。


首脳陣との接見が終わる頃にクエ・イゾルバから数隻の大型船が西大陸に向け出港したとの情報が舞い込んだ。

儀式は何れ阻止するが今ではない。精々沈んだ台座でも釣っていろ。

それ以前にレイルの娘さんが暴れ出しそうだ。




---------------

私マリーナことマリアは姉マリスの従者として私兵を連れてチャーチャの町まで随伴した。

操られていた時に愛した、国内最後の裏切り者の下へ。

後方にはスターレン様の従者の二人も同行。心強い。

主のお姿はここには無い。不思議な女性レイルダール様の姿も。

上に立つ者の定め、か。

駐屯所で再会した衛兵長ベントナに姉はこう告げた。
「貴方の兵長の座を解き。国家反逆罪を犯した罪人として中央に投獄します」
観念したベントナは跪き。
「謹んで、お受けします」

「抵抗は為さらないのですね」
「敬愛する姫様が別人だと。薄々感じていながらお止め出来なかったのは事実です。後悔は有ります。多くの同胞を死なせた罪も」

「他の者の罪まで背負うのですか」
「大義がマリス様の下に戻ったなら。知り得る全てをお話します。この命は疾うの昔に捨てました」

姉は目を伏せ息苦しく話した。
「罪を償い。国が為、この私の為に尽くし。再起して下さい」
「必ずや。貴方様の剣として。再び日の当たる御許へ」

揺るぎない信念を携えた騎士。斯く在らんとする姿。

時と場が少しでも違えば。この二人は結ばれていた。そんな気がして為らなかった。

互いの手が僅かに動いたが、その手が交わる事は無かった。

切なく胸突く昼下がりの日の下で。




---------------

ノドガ邸で最後に居残った救出者ラメル君が焼いてくれたチョコレートムースとココアのシフォンケーキを頂いて思わず唸った。

「凄い!この2つって全然焼き具合が違う物だよな」
「どっちもしっとりフワフワ。完璧よぉ」
「美味ですわね」
『ニャ~ン♡』
レイルの言葉遣いが何時もと違うが女性2人が大絶賛。

「光栄です。ムースは仕上げだけですし、オーブン内のプレートの厚みを変えただけで難しくはないですよ」
「これなら直ぐにでも焼き菓子店開けるレベルだ。変な連中に目付けられる訳だよ。タイラントに是非来て」

「有り難いお言葉。ですがノドガ様に強く引き留められまして…」

そりゃあかんわノドガっち。
「ノドガさーん。先約はこっちだよ」
「抜駆けは良くないですねぇ」
「最初に目を付けたのは私ですわ」

ロープで拘束されたノドガはガックリと肩を落とした。
「ご自由に。窮地を救ってくれた恩人方に頼まれては断る術を持たない…」

交渉成立。直ぐ様証文を起し、身元引受人と主従の移行手続きを。本人の署名を入れて締結。

ブチ切れそうなレイルに耳打ち。
「帰ったらちゃんとレイルに移行するから落ち着けって。ギルドを省いた直接取引なら俺の名前の方が早いんだよ」
「そ、そうなのね。あら私ったらはしたない」

今からチャーチャのお姉さんに挨拶。その後俺たちが北部から戻るまでもう暫くノドガ邸で預かる事を約束した。


カットケーキを手土産に町の東門を通過する際。
「お菓子も得意ですが僕の志望は料理人で…」
前方から現われたキャラバンの先導車を見た途端に言葉を失い、レイルの影に隠れた。

「どったの」
「あれが僕を連中に売ったキャラバン隊です」

レイルは舌打ちしたがこの場では流し、すれ違って遣り過ごした。

「ここでは捕えんのか」
「往来の真ん中だし。多分王都から北かアッテンハイム方面へ行くと思う。嫌でもそこで会うだろうさ」
得てして下っ端は堂々としてるもんだ。

「済みません。僕、戦いは空っきしで」
「料理人の腕は宝物だからな。戦闘は専門家に任せときゃいいんだよ」
「一流の料理人を目指すなら人を喜ばせることだけ考えれば良いの」
「そうじゃ…掃除も人に任せるものよ」
演技は直ぐに崩れそう。もう止めたらいいのに。

腕が動かなくなったら弟子を育てて口と頭を動かせばいいじゃないかと冗談話を挟みながら程なく目的の宿屋に到着した。

宿には顔見知りのレイルが入り、俺とフィーネとグーニャは外で待機。

今日のクワンはソプランたちとマリスの護衛。同じ町でも場所が離れていて遭遇はしない。

「そういや大橋の袂で鱧が釣れるんだっけ」
「あ、そうそう。お話盛り上がってるみたいだから行ってみよっか」
『ニャン』

ソラリマ経由で釣りしてくると伝えて河川の管理事務所に赴いたのだが。

「こないだ死亡事故があって遊泳はちょっと」
何してたんだレイルは。
「泳がないって。釣りするだけ」

何とか許可が取れ釣りを始めた。
「レイル飛び込んだのかな」
「鱧って警戒心強くて嫌気が差したのかもね」

30分経過。ホンマや全く釣れん。
「グーニャGO!」
『ニャ!』

猫の手を借りて大物の鱧を6匹ゲット。

レイルたちと合流後。マリス隊よりも早くノドガ邸に引き返し、キッチンを借りて鱧の調理を開始した。

挙動不審なラメル君の前で失敗は許されない。
「なぜ挙動不審?」
「姉が…。人一倍マナーに厳しかった姉が。レイル様の前では猫なで声でべったりと…」
微妙にレイルから距離を置いて若干怯えていた。
「ちょっと仲良くなっただけじゃない。お酒が入って砕けたのかしら。気が合う?馬が合う?そんな感じで深い意味は無いわよ」
お姉さんの方も連れて行く気満々だな。

強制的に従属化してるでも無さそうだし任せよう。女同士の友情は男には理解出来ない物だと思います。

「チャーチャでは鱧は殆ど捨てられてるって聞いたけどホント?」
「殆ど処か全てと言っていいですね。身が少なく小骨が多く下処理が難しい食材で」
「勿体ないねぇ」

鰻と同じ要領で捌き、大骨と腑、鰭類を綺麗に取り除き一度水洗い。

半透明の身が開けたらピンセットで突出した骨を取り除き皮まで切断しないように賽の目に大体3mm間隔で身と骨をカッティング。

1匹目は湯引きで梅肉ソースと檸檬を添えて。酢橘でもいいな。

初品が終わった頃にはノドガ邸の料理人たちも興味津々で眺めていた。

そこへソプランたちも王都から合流したので結構な人数になっちゃった。
「鱧はまだまだ有るから皆で試食しますか」

小皿に取り分け一同満面の笑みで唸った。

ラメル君が興奮気味に総評。
「正しく下処理すれば意外に食べ易いですね。身も臭みが無くて、この赤い酸味の有るソースが良いアクセントになってます」
「鱧自体は淡泊で曲が無い肉質だから。酸味の有る果実ソースがお勧め。この赤いのは梅の実の塩漬けを潰した物。梅なら世界各地で樹勢分布してるから探してみて。
タイラントでは豊富に採れるってだけ」

「梅の実でしたか…。スターレン様!ぼ、僕を弟子に」
「タイラントにも凄腕の料理人がいっぱい居るからその人たちに教えて貰って。俺たちは外に出るのが仕事だから」
「そ、そうでしたね…」
本気で残念がって。素直に嬉しい。

2匹目はノドガ邸に進呈。梅肉ソースと酢醤油も添えて。
3匹目はマリーナとマリスへのお土産。上にはお任せ。

残り3匹は酒蒸しに。串打ちしてさっぱり醤油焼き。
「ラメル君やってみて。初見で何処まで出来るか見てみたいから」
これが出来れば鰻も行ける。
「解りました!頑張ります」

状況を観察しただけで次に何をするか説明要らず。ラメル君のスキルは天才料理人だろうか。

炭火焼きで皮はパリッと身は炙るのみでしっとりふっくら。

文句無い仕上がりで全員で拍手。
「焼きに関しては教える事は何も無いな。その他の調理方法や食材を沢山学べよ」
上から目線は勘弁してね。
「はい!精一杯精進します」

彼の行く先が本決まりになり、安心して王都へ戻った。




---------------

自室に戻ってマリーナを呼び出しお土産を渡すと。
「これは何ですか?」
「チャーチャの町で手付かずの鱧て魚。添え物代えると激変する良食材だよ。調理方法はノドガの屋敷の料理人に教えたから上に配布したいなら呼び出してみて」
「栄養豊富で病み上がりのマリスさんに最適だと思って。まずは2人で食べてみて」

「何から何まで有り難う御座います。吟味して考えます。
それとは全く別のお話が…有りまして」
何故かアローマを見て言い淀んだ。
「私に、何か?」

「先刻からアローマさんに会わせて欲しいと懇願する大会出場者の方が。玄関前で座り込みを」
あぁフラーメかぁ。
「呼び入れてもいい?」
「付き纏われても迷惑ですから。宜しければここで話を付けましょう」
半分ウンザリ。でも何処となく嬉しそう。


マリーナと入れ替わりフラーメを招き入れた。

部屋に入って来るなり。
「何じゃこりゃ。私たちの宿舎とは大違い…。個室風呂まで付いてるじゃないかい!?」
「見学に来たのならお帰り下さい。私が恥ずかしいです」
即座に軌道修正。
「悪い。つい目移りしちまって」

鱧を摘まみにグラスを並べて酒盛り開始。

対面で座るアローマとフラーメから1席空けて。横耳を立てた。

クワンとグーニャには冷やした西瓜ジュースを配布。

「この場は主様のご厚意。歩を弁えてお話を」
「解ってるよ」

「こちらの調査でも貴女が実の姉だと判明しました」
「だったらもう外で会ってくれても」

「信用に足りません。身内だろうと敵側の人間なら私は躊躇無く斬り捨てます」
「敵じゃないって」
「マッハリアでスターレン様の配下に矢を射った一件はお忘れですか!」
「あれは…」
容赦の無い叱責にションボリ小さくなった。

出来の悪い姉にしっかり者の妹な構図。

「あれは?何ですか」
「あの件はメンドルフが受けた大口の仕事さ。報酬に釣られてね。逆転移で飛び出て来た人間を攻撃して動けなくするだけでいいって話で。誰が出て来るかは教えられてなかったんだ」
顔面狙われた気がするのは俺だけだな。

「事後で詳細を知ったとでも」
「その通り事後さ。あんな化け物だって知ってたら誰も受けてない。一瞬で捕まり気絶。起きた時には依頼人と当事者が居なくなってた」
「そのお話を鵜呑みにしろと」

「…あんたを探す為に必死で手に入れた化粧水も奪われて。何とか取り戻せないかとギルド職員を有り金全部と身体で買収したんだよ。気分悪いからそれはいい。
少ない情報から去年タイラントとロルーゼが打つかった時に良く似た奴が前線に居たって聞いて。更に突っ込んだらタイラントの高官の部下だって聞いたのさ」
グラスのウィスキーを一気に飲み干し続けた。
「マッハリアを救った英雄様だって聞きゃ浮かぶ名前は一人だけだろ。この国で待ってれば来国するって噂を耳にしてね。あれ以来組織とは縁切った積もり。依頼人が消えた時点で誰からも声は掛けられてない。大会で大金手にしちまったから。もう仲間も誰も信用出来なくて。国外に逃げる前にどうしても、あんたに会いたかった」

アローマに伸ばし掛けた手を戻した。

「ケリヤー様からの依頼内容は」
「それは簡単さ。参加して本戦に出ろって話。私以外にも何人か居たそうだよ。王妃様は男よりも女の方が怪しいと睨んでた。男は国外からの人間が多くて女はメレディスからの来国者が大半だったからね。
実際大会中に国に帰ったのは女の方が多いよ。中身はどうだか知らないけど」

「女性の優勝者もメレディスの民だと聞きましたが」
「さあね。戦った感触だと何も考えてない脳筋だったよ。何も考えてないから思考も順手も全く読めなかった。あれで何か隠してんなら厄介な曲者だねぇ」

「国外に宛は有るのですか」
「無いね。故郷が在る南西大陸にでも隠れようかな。今ならそこに居る誰かのお陰で治安も良いらしいし。誰か何も知らない田舎男でも見付けるさ」
「そうですか…」

「アローマさん。彼女を信用してあげたら?」
「少なくとも嘘は吐いてない。組織との繋がりも見えん」
フィーネとレイルのお墨付き。
「お二人がそう言うのであれば、信じます」

2人は席を立って熱い抱擁を交した。
「良く顔を見せてミルフィン」
間近で目に焼き付けるように。
「はい。フラーメ姉さん」

良かった。本当に殺さなくて良かった。
「物事は常に慎重に。この世界の勇者に成ってしまったのですから」
ふぁい!勇者は自分の意志ではないんだけど?
「些事を一々気にしていけませんよ」
些事ではないよ、ロイドちゃん…。

「そういや鍛冶屋のヤンとはどうなんだ。こっちに来てからの馴染みなんだろ」
「ヤンとは…もう駄目さ。職員に抱かれたって口を滑らせたらそれっきり。今じゃ挨拶もしてくれないよ」
嫉妬深い潔癖症だったのか。
「言わなければ良かったのに」
「予選突破で浮かれて。祝杯中につい出ちゃった。盆暗なあんたよりも上手かったって…」

俺とソプランが盛大に酒を吹いた。
「それ一番言ったらあかんやつやん」
「絶望的だな。それは切られる」

「職員が水竜教の妻子持ちじゃなけりゃあねぇ」
そう言う問題じゃないと思われる。
「何その浮気男。感じ悪い。水竜教徒の風上にも置けないわね」
悪いのは男やね。そう言う事にしとこ。
「金に汚いあいつか。だったら納得だ」
「多分そいつで合ってるよ」

「勝手な話。ヤンとセットだったらタイラントにスカウトしようと考えてたけど。その様子だと無理そうだな」
「本当かい!それなら…ちょっと説得してみようかな」
揺れ動く乙女心。金か打算か愛故か。

怖いです。

「まあ個別でもアローマの姉妹て事で仕事は紹介出来る。俺たちが北部から戻るまで城内に寝泊まり出来るように話付けるから。ゆっくり考えて説得しといて。
ヤンを勧誘する話はまだ本人にしてないから滑らすなよ」
「解った。城下に戻るのは嫌だったから助かるよ」
酒が入ると口が軽くなるのは頂けないが。アローマの姉を放置する気にもなれない。
「それにしてもこの摘まみは美味いねぇ。何処の魚だい?」
「…これは厳しく監督しないと拙いですね」
「何のこと?」
マジで大丈夫だろうか…。

鱧の話をしながら残りで飲み直した。当然その日の夕食の喉の通りは悪かったっす。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

魔道具作ってたら断罪回避できてたわw

かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます! って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑) フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。

【完結】そして、誰もいなくなった

杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」 愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。 「触るな!」 だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。 「突き飛ばしたぞ」 「彼が手を上げた」 「誰か衛兵を呼べ!」 騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。 そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。 そして誰もいなくなった。 彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。 これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。 ◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。 3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。 3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました! 4/1、完結しました。全14話。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

番だからと攫っておいて、番だと認めないと言われても。

七辻ゆゆ
ファンタジー
特に同情できないので、ルナは手段を選ばず帰国をめざすことにした。

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

うちの娘が悪役令嬢って、どういうことですか?

プラネットプラント
ファンタジー
全寮制の高等教育機関で行われている卒業式で、ある令嬢が糾弾されていた。そこに令嬢の父親が割り込んできて・・・。乙女ゲームの強制力に抗う令嬢の父親(前世、彼女いない歴=年齢のフリーター)と従者(身内には優しい鬼畜)と異母兄(当て馬/噛ませ犬な攻略対象)。2016.09.08 07:00に完結します。 小説家になろうでも公開している短編集です。

処理中です...