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前日譚
深い愛でクズは終わりを迎えた
しおりを挟む「ユナイテッドホテルまで」
「かしこまりました」
タクシーに乗り込み目的地へと向かう。
窓越しに外を見ると、今日は雪が降っていた。一段と寒く、人肌が恋しくなる日だ。
こんな日はいい女を抱くに限る。
車内で携帯を操作し、連絡をする。
「今タクシー乗った。後15分くらいだと思う」
「わかった、気をつけてね。先に入って待ってるからね。603号室だから」
「了解。溜まってるからすぐやりたい。先シャワー浴びてて」
「うん、わかった。早く会いたいよ。いっぱいぎゅーしてね」
「俺もだよ」
早くやりたいからな。
「嵐くんっ!」
「お待たせ」
ホテルについて、603号室に入ると待ち合わせしていたセフレが抱きついてきた。
どうやらこいつも早くやりたかったらしいな。
そこからはまぁ、いつも通りだよ。
特に何の変哲もない。
クリスマスではあったのだけれど、
俺にとっては恋人と過ごす日なんて認識はなく、ただの数いるセフレの1人と過ごすだけの日で、たまたまその日に約束をしただけである。だから豪華なディナーやプレゼントなんてものはお互いに用意すらしてなくて、
ホテルで待ち合わせして、
いつも通りに愛のないセックスをしただけの日だ。
ただお互いの性欲と欲望を吐き出すだけの行為。
快楽のためだけの関係。
そんな割り切った関係をこいつと俺は、
いや、俺と数多いるセフレ達は築いている。
だからいつも通りにセックスして、
汗だくのまま、程よい疲労感と人肌の温さに包まれ眠ることにする。
「すっきりしたわ。おやすみ」
「あっ...ねえ、あのね...」
「?なに?眠いんだけど」
「ううん、なんでもない。ごめんね。おやすみ、嵐くん...」
なんなんだよ。
まぁ気にせず、本当にいつも通りに眠りについた。
ただ唯一いつもと違ったことがあったな。
「ごめん、ごめんね....」
「どうしても、あなたの最後の女になりたいの」
その日、俺はセフレに刺された。
血が熱い。
段々体温が下がってくるのを感じる。
あぁ、死ぬのか。
あーあ。
本当に、クソみたいな人生だったな
俺は本当の意味で眠りにつ
そんな、ホワイトクリスマスの一シーン。
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