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亜人大陸編
202話
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レクス以外はひとまずノインが知っているという人目のつかない場所に移動することにした。
着いたのは家の裏。
誰の・・・・・・・・・
あれ?家の近くに馬車が・・・・・・
今は言及するべきではないか。
「俺は・・・・・・」
ノインがその続きを言いにくそうにしている。恐らく彼女のもとに向かいたいのだろう。
「行ってあげて」
レイもそう予測したのだろう。
ノインが続きを発する前にそう答える。
それに頷いたノインはさっさと移動魔法を使いその場から姿を消した。
耳をすますと遠くから戦闘音が聞こえる。
「僕達も早く行こう」
「そやな」
こうして僕達は微かに聞こえる戦闘音を頼りに走っていくのだった。
◆
「お待たせ」
そう言いながらカリアの前に一瞬で現れるノイン。
「良かった、無事で」
そう言って抱きしめてくるカリアにノインはどう対応して良いのか困りつつ、
「仲間を呼びに行っただけだから・・・・・・・・・ここは?」
改めて周囲を見回したノインは知らない建物の中にいることに気付いた。
「ここは私が働いている所の事務所だよ。社長は戦闘の心得があるし、先輩の視野もある。だから、ここは安全だよ」
「俺、手伝ってくる」
「あ、まっ・・・・・・」
「ん?」
「ううん、気を付けてね」
「うん」
こうしてノインは移動魔法でカリアの家の裏、つまり皆と初め移動してきた場所に来た。
◆
ノインを呼び止めようとしていたカリアだったがそれは出来なかった。
なぜならその行動力が彼の良いところだと知っていたためだ。
本当は危険な場所には行って欲しくなかった。
彼が強いのは何となく知っている。
まず、ウルフール学校の授業についていけるだけで優秀なのだ。
ミリアに聞いたところ余裕そうだったという話なので実力があるのは分かっている。
分かってはいるのだが、やはり心配してしまうのだ。
◆
レクスは精霊王と初めて会った部屋に来ていた。
ここならば移動魔法を限られた者にしか見られないと考えての事だった。
想定外だったのはそこにサテュロスがいた事だろう。
「どうしたんだい?」
「魔物の群れの襲撃を受けていると聞きましたので」
「やっぱりそうか。悪いね、こんな形で引き止めてしまうつもりは無かったんだけどね」
「何故ここに?」
獣人の王でもあるサテュロスは本来精霊王の姿でここに居るのはおかしい事だ。
「ちょっと精霊達と情報共有してたんだよ」
そして、顔を少し暗くする。
「この問題はこれきりでは終わらないだろうね」
着いたのは家の裏。
誰の・・・・・・・・・
あれ?家の近くに馬車が・・・・・・
今は言及するべきではないか。
「俺は・・・・・・」
ノインがその続きを言いにくそうにしている。恐らく彼女のもとに向かいたいのだろう。
「行ってあげて」
レイもそう予測したのだろう。
ノインが続きを発する前にそう答える。
それに頷いたノインはさっさと移動魔法を使いその場から姿を消した。
耳をすますと遠くから戦闘音が聞こえる。
「僕達も早く行こう」
「そやな」
こうして僕達は微かに聞こえる戦闘音を頼りに走っていくのだった。
◆
「お待たせ」
そう言いながらカリアの前に一瞬で現れるノイン。
「良かった、無事で」
そう言って抱きしめてくるカリアにノインはどう対応して良いのか困りつつ、
「仲間を呼びに行っただけだから・・・・・・・・・ここは?」
改めて周囲を見回したノインは知らない建物の中にいることに気付いた。
「ここは私が働いている所の事務所だよ。社長は戦闘の心得があるし、先輩の視野もある。だから、ここは安全だよ」
「俺、手伝ってくる」
「あ、まっ・・・・・・」
「ん?」
「ううん、気を付けてね」
「うん」
こうしてノインは移動魔法でカリアの家の裏、つまり皆と初め移動してきた場所に来た。
◆
ノインを呼び止めようとしていたカリアだったがそれは出来なかった。
なぜならその行動力が彼の良いところだと知っていたためだ。
本当は危険な場所には行って欲しくなかった。
彼が強いのは何となく知っている。
まず、ウルフール学校の授業についていけるだけで優秀なのだ。
ミリアに聞いたところ余裕そうだったという話なので実力があるのは分かっている。
分かってはいるのだが、やはり心配してしまうのだ。
◆
レクスは精霊王と初めて会った部屋に来ていた。
ここならば移動魔法を限られた者にしか見られないと考えての事だった。
想定外だったのはそこにサテュロスがいた事だろう。
「どうしたんだい?」
「魔物の群れの襲撃を受けていると聞きましたので」
「やっぱりそうか。悪いね、こんな形で引き止めてしまうつもりは無かったんだけどね」
「何故ここに?」
獣人の王でもあるサテュロスは本来精霊王の姿でここに居るのはおかしい事だ。
「ちょっと精霊達と情報共有してたんだよ」
そして、顔を少し暗くする。
「この問題はこれきりでは終わらないだろうね」
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