189 / 277
亜人大陸編
鬼ごっこ 3
しおりを挟む
マイはカイとわかれた後適当に歩きながら時間を過ごしていた。
隠れる場所をとも思ったが森の中ということで周りには木しかなく全身を隠せるものは何もなかった。
しかし、木で視界が悪いため途中で隠れるのは諦めていた。
そのため周りに気を付けつつ歩き回っていた。
そのためかすぐに鬼に見つかってしまう。
「こっちはイチャイチャしてないわね」
猫人族のイネールは先程リーセスとレイを見逃してきたため少し不機嫌だった。
マイにとってはとばっちりだったがイネールは本気で追いかけ始める。
幸いマイは気づいた瞬間に逃げ始めていたためすぐに捕まることはなかった。
しかし、距離は縮まる一方。
そこで、魔法を使おうとそちらに意識を向けたとき突然つまずいてしまう。
それはイネールが魔法を使い地面に窪みを作ったのが原因だった。
それを理解しきる前に転ける衝撃に備える。
しかし、その衝撃が来るよりも前に抱えられる感触に襲われる。
その後、すぐに風を切る感覚を覚える。
衝撃に備え閉じていた目を開けるとそこにはカイの顔があった。
しかし、それよりも気になるのが背景の移り変わりの早さだ。
すごいスピードで木々の間を通りすぎていく。
◆
しばらく進んだ後、
「ここまで来れば大丈夫でしょ。大丈夫?」
マイは乗り物酔いをしており、若干顔色が悪かった。
「だ、大丈夫。ありがとう」
なんとか答え深呼吸をする。
それから落ち着くまでの間二人は共にいた。
「近くにいたの?」
落ち着いた後マイがカイに尋ねる。
「いや、走り回ってただけ」
「え?」
予想外の答えにマイは固まる。
「なんか楽しくなっちゃって」
そう笑うカイにどう反応すれば良いのかわからないマイ。
結局苦笑いで乗りきりもう一つの気になることを聞く。
「どうやって走ってるの?」
そう、あまりに早かった。それこそ彼が野生の目を発動したときと同等位には。
水中と地上という違いはあるが、以上であることには変わりない。
「踏み切る瞬間に足裏から風を噴射してるだけだよ?」
事も無げにそう告げるカイにさすがだなと思いつつ、
「助けてくれて、ありがとう」
そう言いながら抱きつく。
嗅ぎなれた匂いに安心しつつその状態をキープする。
「な、長くない?」
しばらくたった後先に動いたのはカイだった。
「そう?じゃあ、また終わってからね」
そして、走りカイを置いていった。
◆
少し前まで彼らを見ている視線があった。
追い付いてきたイネールである。
「こっちも・・・・・・」
イライラしながら次の目標を探しに行くのだった。
隠れる場所をとも思ったが森の中ということで周りには木しかなく全身を隠せるものは何もなかった。
しかし、木で視界が悪いため途中で隠れるのは諦めていた。
そのため周りに気を付けつつ歩き回っていた。
そのためかすぐに鬼に見つかってしまう。
「こっちはイチャイチャしてないわね」
猫人族のイネールは先程リーセスとレイを見逃してきたため少し不機嫌だった。
マイにとってはとばっちりだったがイネールは本気で追いかけ始める。
幸いマイは気づいた瞬間に逃げ始めていたためすぐに捕まることはなかった。
しかし、距離は縮まる一方。
そこで、魔法を使おうとそちらに意識を向けたとき突然つまずいてしまう。
それはイネールが魔法を使い地面に窪みを作ったのが原因だった。
それを理解しきる前に転ける衝撃に備える。
しかし、その衝撃が来るよりも前に抱えられる感触に襲われる。
その後、すぐに風を切る感覚を覚える。
衝撃に備え閉じていた目を開けるとそこにはカイの顔があった。
しかし、それよりも気になるのが背景の移り変わりの早さだ。
すごいスピードで木々の間を通りすぎていく。
◆
しばらく進んだ後、
「ここまで来れば大丈夫でしょ。大丈夫?」
マイは乗り物酔いをしており、若干顔色が悪かった。
「だ、大丈夫。ありがとう」
なんとか答え深呼吸をする。
それから落ち着くまでの間二人は共にいた。
「近くにいたの?」
落ち着いた後マイがカイに尋ねる。
「いや、走り回ってただけ」
「え?」
予想外の答えにマイは固まる。
「なんか楽しくなっちゃって」
そう笑うカイにどう反応すれば良いのかわからないマイ。
結局苦笑いで乗りきりもう一つの気になることを聞く。
「どうやって走ってるの?」
そう、あまりに早かった。それこそ彼が野生の目を発動したときと同等位には。
水中と地上という違いはあるが、以上であることには変わりない。
「踏み切る瞬間に足裏から風を噴射してるだけだよ?」
事も無げにそう告げるカイにさすがだなと思いつつ、
「助けてくれて、ありがとう」
そう言いながら抱きつく。
嗅ぎなれた匂いに安心しつつその状態をキープする。
「な、長くない?」
しばらくたった後先に動いたのはカイだった。
「そう?じゃあ、また終わってからね」
そして、走りカイを置いていった。
◆
少し前まで彼らを見ている視線があった。
追い付いてきたイネールである。
「こっちも・・・・・・」
イライラしながら次の目標を探しに行くのだった。
0
お気に入りに追加
306
あなたにおすすめの小説

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~
存在証明
ファンタジー
不慮の事故によって異世界に転生したカイ。異世界でも家族に疎まれる日々を送るがある日赤い瞳の少年と出会ったことによって世界が一変する。突然街を襲ったスタンピードから2人で隣国まで逃れ、そこで冒険者となったカイ達は仲間を探して冒険者ライフ!のはずが…?!
はたしてカイは運命をぶち壊して幸せを掴むことができるのか?!
火・金・日、投稿予定
投稿先『小説家になろう様』『アルファポリス様』

武士が異世界に転生する
希望
ファンタジー
我は島津家の一族で武将として、義弘様に従って、豊臣軍と戦っていた。九州のため我らは負けるわけにはいかなかった。九州の覇者は島津家以外認めない。
「名門島津家以外にこの土地を好きにはさせない」
「秀吉様以外の天下人など不要!天下は豊臣家にある。それ以外は邪道だ」
我は敵の武将を何人も撃ち取った。だが俺の部下のものは多くが撃ち取られて、他の足軽は逃げていて、多勢に無勢状態だ。
「ふっ敵ながら天晴れだ。自分の主君のために負けると分かっていても、主君に忠誠を誓って、戦うとは」
我は薩摩に伝わる剣術で何人も首を取り一騎当千したが、さすがに疲れてきたのか、動きが鈍くなって攻撃を受けて、体が悲鳴をあげてるのが分かる。そんなときに石田三成が来たのだから、こいつを最後に撃ち取って、儚く散ろうと思った。
「我島津秋成なり、石田三成貴殿の首を撃ち取りに参った」
「その勝負受けよう。お前らこれは我々の一対一の勝負だから、邪魔をするなよ」
すると石田三成の部下達は離れていく。我は今持てる全力を出して、戦ったが、やはり怪我の影響を受けてか、心臓に刀が刺さり、俺は倒れた。
ああ、義弘様。どうか島津家を頼みます。そうだんだん意識が消えていくなか、そう思っていた。
「大丈夫ですか?」
なぜか戦場に似つかわしくない、可愛い少女の声がする。手当てでもされてるのか?でも我は確実に逝ったはずだ。致命傷をおっていたし。
俺は目を開けると、そこには薩摩にもいないほどの美少女がいた。
「お主は?」
「私はアリア.スカーレットといいます。貴方の名は?」
「島津秋成、島津家のものだ」
この出会いがやがて奇跡といわれる出会いとなる。そう武術を極めた武将と家族を魔族によって失った魔法師との出会いである。やがてこの二人が出会って、伝説の旅路が始まるー

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

異世界だろうがソロキャンだろう!? one more camp!
ちゃりネコ
ファンタジー
ソロキャン命。そして異世界で手に入れた能力は…Awazonで買い物!?
夢の大学でキャンパスライフを送るはずだった主人公、四万十 葦拿。
しかし、運悪く世界的感染症によって殆ど大学に通えず、彼女にまでフラれて鬱屈とした日々を過ごす毎日。
うまくいかないプライベートによって押し潰されそうになっていた彼を救ったのはキャンプだった。
次第にキャンプ沼へのめり込んでいった彼は、全国のキャンプ場を制覇する程のヘビーユーザーとなり、着実に経験を積み重ねていく。
そして、知らん内に異世界にすっ飛ばされたが、どっぷりハマっていたアウトドア経験を駆使して、なんだかんだ未知のフィールドを楽しむようになっていく。
遭難をソロキャンと言い張る男、四万十 葦拿の異世界キャンプ物語。
別に要らんけど異世界なんでスマホからネットショッピングする能力をゲット。
Awazonの商品は3億5371万品目以上もあるんだって!
すごいよね。
―――――――――
以前公開していた小説のセルフリメイクです。
アルファポリス様で掲載していたのは同名のリメイク前の作品となります。
基本的には同じですが、リメイクするにあたって展開をかなり変えているので御注意を。
1話2000~3000文字で毎日更新してます。

異世界のんびりワークライフ ~生産チートを貰ったので好き勝手生きることにします~
樋川カイト
ファンタジー
友人の借金を押し付けられて馬車馬のように働いていた青年、三上彰。
無理がたたって過労死してしまった彼は、神を自称する男から自分の不幸の理由を知らされる。
そのお詫びにとチートスキルとともに異世界へと転生させられた彰は、そこで出会った人々と交流しながら日々を過ごすこととなる。
そんな彼に訪れるのは平和な未来か、はたまた更なる困難か。
色々と吹っ切れてしまった彼にとってその全てはただ人生の彩りになる、のかも知れない……。
※この作品はカクヨム様でも掲載しています。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる