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訓練と成長
死神の目状態での模擬戦
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スタートの合図を出すのはアゴットさんだ。
横にはアレスさんもいる。
副審みたいなものだろうか。
ちなみに木剣は僕のインベントリにあったものを使うことになった。
さすがに真剣でやるのは死神の目の状態だと危ないし僕も怖い。
そう考えているうちに合図を出される。
真っ先に動いたのはロヴァイトさん。
いつもはこちらの様子を見て動き始めるのだが、今回は先に動き出した。
それにはこちらの反応を見るという目的があるのだろう。
いつも通りだったらここまで考えている余裕はないのだが、相手の動きが手に取るように分かる。
まずは、はじめの攻撃を最小限の動きで右に避ける。
そして、カウンターの一撃をロヴァイトさんの腹部へ。
それは当然のように剣の腹で防がれる。
普段の僕ならここで止まってしまうのだが今日は違った。
剣の柄から手を離し、剣が重力で落ちる前に逆手に持ち替える。
掴んだのと同時に体を逆回転させロヴァイトさんの反対側の腹部へ。
その攻撃は予測できなかったのか攻撃が入った。
「降参だ」
ロヴァイトさんのその言葉で模擬戦が終わる。
普通なら審判が勝者を高らかに宣言し終わるのだが、先ほどの動きに全員が驚いておりそれどころではなかった。
その驚いている全員には僕も含まれている。
自分でやっておいてなんだが、あんな動き自分では思いつかない。
体が自然に動くようなそんな感覚だった。
アスリート選手に希にあるゾーンに入るような感じに近いのではないだろうか。
もちろん僕がゾーンに入ったことはなかったのでその表現が正しいのかは分からない。
「ありがとうございました」
考えていて少し遅くなったが相手をしてくれたロヴァイトさんに感謝を述べる。
「こちらこそありがとう。あの動きだが頭で考えてから動くのではなく、体の反射のようだったな。さすがに驚いたぞ」
とても的を射ている。
「僕も驚きました」
「やってみて思ったが判断がいつもより速くなっているように感じた。そして極めつけは最後の動き。それが死神の目の能力だろうな」
凄い。僕よりも正確に分析している。
「何回模擬戦をやったと思ってんだ」
どうやら声に出していたようだ。
「それもそうですね」
授業で1回以上は模擬戦をしていた。
魔法系の授業が剣技の授業になっていたので、本当に多かった。
なんてったって魔法を学ぶ学校なのである。
だから元々魔法系の授業が多いのである。
感覚としては体育大会前の体育の授業ラッシュのようなものである。
しかも、好きでも嫌いでもないスポーツをやらされる感じである。
この世界の「魔法ができる=頭が良い」は入学試験の時は役に立ったが、今回のはこれが悪く作用した結果だろう。
でなければ魔法学校なのに魔法系の授業をなくすことにはならないだろう。
あるとしても魔法実技がなくなるだけだ。
「とりあえず目を戻したらどうだ?」
「あ、はい…………戻りましたか?」
今は自分で戻っているのか分からない。
「ああ、ちゃんと戻っているぞ」
ここでようやく周りから歓声が聞こえ始める。
………いくらなんでも遅くない?
「カイ君ちょっと来て」
歓声が聞こえ始めた頃マイに呼ばれた。
いつにもまして真面目な声だったため素直について行く。
向かった先は僕たちのテント。
少し周りからの視線が痛かったがマイがずっと真面目な顔なので耐えるしかなかった。
「どうしたの?」
「お父さんに何か指摘されなかった?」
「特に何も。死神の目の能力を分析して簡潔に教えてくれたけど」
「やっぱり、お父さんは気づいてなかったか。カイ君が最後の攻撃をするとき笑顔だったんだよ。戦闘を愉しんでいるような。いつもと違う笑顔だったの」
笑っていたのか、僕が。
自覚はない。
剣だけの勝負ではロヴァイトさんに勝てないだろう。
そのことを自覚している以上笑っていられる余裕はないはず。
だとすると死神の目にほかの効果もある。
そう考えるのが妥当だろう。
「ありがとう、教えてくれて。死神の目はあまり使わないようにするよ」
こうして死神の目の力は使わないようにしたのだった。
横にはアレスさんもいる。
副審みたいなものだろうか。
ちなみに木剣は僕のインベントリにあったものを使うことになった。
さすがに真剣でやるのは死神の目の状態だと危ないし僕も怖い。
そう考えているうちに合図を出される。
真っ先に動いたのはロヴァイトさん。
いつもはこちらの様子を見て動き始めるのだが、今回は先に動き出した。
それにはこちらの反応を見るという目的があるのだろう。
いつも通りだったらここまで考えている余裕はないのだが、相手の動きが手に取るように分かる。
まずは、はじめの攻撃を最小限の動きで右に避ける。
そして、カウンターの一撃をロヴァイトさんの腹部へ。
それは当然のように剣の腹で防がれる。
普段の僕ならここで止まってしまうのだが今日は違った。
剣の柄から手を離し、剣が重力で落ちる前に逆手に持ち替える。
掴んだのと同時に体を逆回転させロヴァイトさんの反対側の腹部へ。
その攻撃は予測できなかったのか攻撃が入った。
「降参だ」
ロヴァイトさんのその言葉で模擬戦が終わる。
普通なら審判が勝者を高らかに宣言し終わるのだが、先ほどの動きに全員が驚いておりそれどころではなかった。
その驚いている全員には僕も含まれている。
自分でやっておいてなんだが、あんな動き自分では思いつかない。
体が自然に動くようなそんな感覚だった。
アスリート選手に希にあるゾーンに入るような感じに近いのではないだろうか。
もちろん僕がゾーンに入ったことはなかったのでその表現が正しいのかは分からない。
「ありがとうございました」
考えていて少し遅くなったが相手をしてくれたロヴァイトさんに感謝を述べる。
「こちらこそありがとう。あの動きだが頭で考えてから動くのではなく、体の反射のようだったな。さすがに驚いたぞ」
とても的を射ている。
「僕も驚きました」
「やってみて思ったが判断がいつもより速くなっているように感じた。そして極めつけは最後の動き。それが死神の目の能力だろうな」
凄い。僕よりも正確に分析している。
「何回模擬戦をやったと思ってんだ」
どうやら声に出していたようだ。
「それもそうですね」
授業で1回以上は模擬戦をしていた。
魔法系の授業が剣技の授業になっていたので、本当に多かった。
なんてったって魔法を学ぶ学校なのである。
だから元々魔法系の授業が多いのである。
感覚としては体育大会前の体育の授業ラッシュのようなものである。
しかも、好きでも嫌いでもないスポーツをやらされる感じである。
この世界の「魔法ができる=頭が良い」は入学試験の時は役に立ったが、今回のはこれが悪く作用した結果だろう。
でなければ魔法学校なのに魔法系の授業をなくすことにはならないだろう。
あるとしても魔法実技がなくなるだけだ。
「とりあえず目を戻したらどうだ?」
「あ、はい…………戻りましたか?」
今は自分で戻っているのか分からない。
「ああ、ちゃんと戻っているぞ」
ここでようやく周りから歓声が聞こえ始める。
………いくらなんでも遅くない?
「カイ君ちょっと来て」
歓声が聞こえ始めた頃マイに呼ばれた。
いつにもまして真面目な声だったため素直について行く。
向かった先は僕たちのテント。
少し周りからの視線が痛かったがマイがずっと真面目な顔なので耐えるしかなかった。
「どうしたの?」
「お父さんに何か指摘されなかった?」
「特に何も。死神の目の能力を分析して簡潔に教えてくれたけど」
「やっぱり、お父さんは気づいてなかったか。カイ君が最後の攻撃をするとき笑顔だったんだよ。戦闘を愉しんでいるような。いつもと違う笑顔だったの」
笑っていたのか、僕が。
自覚はない。
剣だけの勝負ではロヴァイトさんに勝てないだろう。
そのことを自覚している以上笑っていられる余裕はないはず。
だとすると死神の目にほかの効果もある。
そう考えるのが妥当だろう。
「ありがとう、教えてくれて。死神の目はあまり使わないようにするよ」
こうして死神の目の力は使わないようにしたのだった。
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