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訓練と成長
リーセスの過去2
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リーセスは必死に走る。
しかし、体が小さくなっている事とまだこの体に馴れてない事から追ってきている生物との距離はあっという間に縮んできている。
彼は自分の運のなさを悔やみ諦めかけていた。
「よく走ったな、坊主」
その声が聞こえた瞬間激しい血しぶきと共に追いかけてきていた生物の首がとんでいた。
リーセスは日本ではほとんど見ることのない光景に気絶した。
目を覚ますとそこは見知らぬ家の中だった。
微かに声が聞こえてくるため近くにあった扉をほんの少し開け耳を澄ます。
「小さい子供にあんな光景を見せてどうするんですか」
「そうよ。あの子のトラウマになったらどうすんの?」
「悪かったって。でも助ける為にはしょうが無かっただろ?」
「やりようはあったわよ。例えば………」
聞いた限り自分を助けてくれた男性とその仲間と思われる2人の男女とが言いあっているようだ。
「あの………先程はありがとうございました」
責められている男性が可哀想になり扉を完全に開け言いあっていた部屋に入る。
「お、起きたな、坊主。………ほら見ろ全然平気そうだぞ」
「我慢してるだけかもしれないじゃないですか。僕の魔法でも心の傷は癒やせないんですよ?」
リーセスの様子を見て助けた男はこれ以上追及が来ないと思い調子に乗るがもう1人の男性にたしなめられる。
「本当に大丈夫なの?」
女性はすぐに近づいてきて心配してくれた。
「はい、大丈夫です。なのであまり責めないで上げてください」
「何この子。めっちゃ良い子じゃない」
そう言いながら抱きしめてくる。
………………な、長い。い、息……が………………
「お、おい。その子息できてるか?」
「え?あ!ごめんなさい」
「ゲホッ!はぁ……………た、助かりました」
「そういえばまだ自己紹介をしてなかったな。俺はリゼイル。で、こっちのひょろいのがサイル。お前を窒息させようとしてたのがリーリエだ」
「僕は確かにひょろいかもしれないけどそんな言い方しなくても良いだろ」
「自分でも認めてるじゃないか」
「私はそんな意図はなかったのよ」
「実際そうなりかけてたじゃないか」
先程までは責められていたリゼイルさんが仕返しとばかりに言い負かしている。
「僕はリーセスです」
「良い名前じゃないか。で、何であの森にいたんだ?」
「ちょ、ちょっとリゼイル。そんな訊き方をしたらその子が怯えちゃ………………あれ?怯えてない」
サイルさんがリゼイルさんをたしなめようとしたけど僕が怯えてない事でそれを中断する。
「気付いたらあの森にいました」
「そうか、今までは何処に住んでいたんだ?何なら送っていくぞ」
「分からないです」
リーセスは自分の体が5歳位なのを使い地球のことは隠すようにした。
「そ、そうか。今日はもう遅いし寝たらどうだ?」
「分かりました」
強引に話を変えられた気がしたリーセスだったが幼い体のせいか睡魔に襲われ始めていたので従うことにする。
リーセスが眠った後。
「う~ん、どうするかねぇ」
「しっ!声が大きい。起こしちゃうよ?」
「あ、悪ぃ」
「初めは孤児院とかそういう施設に預けたら良いかなと思っていたけどあの子のなまりはここら辺では聞いたことがなかった。だから相当遠くで生活してたのかも」
「そうね。孤児院も入って1年はちゃんとしてもらえるみたいだけど…………それ以降は最悪殺処分なんかもあるって聞くし」
「親も遠くまでは探しに来ないだろうしな」
「でも、何であの子はあそこにいたのかな?」
「あの子が嘘を言ってないんだとしたら、何処かの貴族のご子息かもしれないな」
「確かに。どの貴族も大抵市民から恨みを買っているからね。誰かが攫ったのかな?」
「奴隷として売り出されるよりはマシだっただろうけど森で1人にさせるのも中々正気とは思えないわね」
「そうだな」
「そうですね」
「で、結局どうする?俺達の生活も安定してきたし子供1人養う位は出来ると思うが……」
「そんなの決まってるじゃない」
「そうですよ」
「そうだな。助けたのも何かの縁って奴だ」
そこから5年。
リーセスは彼らと過ごすことになる。
彼らはCランクの冒険者パーティーで家を空ける事も多かったが、家にいる間は基礎知識や戦闘技術も身を守るすべとして教えてくれた。
しかし、そんな日は唐突に終わりを告げる。
その日もいつもと同じく家で1人留守番をしていたリーセスだったが、その日は少し違った。
来訪者が来たのだ。
彼らによってある程度なまりを抑えられるようになったリーセスはその対応をするべく扉を開ける。
そこには見慣れぬ男の人が立っていた。
この5年で村の人達とは結構顔見知りになっていたため少し驚く。
「何かご用でしょうか」
「これは……………良いものを見つけました」
「?……………何のことでしょう?」
「貴方に加護を授けましょう」
そう言われた瞬間リーセスは意識を失った。
リゼイル達が村に戻ると異様な光景が広がっていた。
村の者達が倒れているのだ。
急いで駆け寄ったが息がある者はいなかった。
不思議な事に全員外傷がなかった。
そこにリーセスの姿がなかったため急いで家に帰った3人だったが家には誰もいなかった。
状況的に見ればリーセスが村人達を殺した犯人なのだが5年一緒に生活していた彼らはそんなことはあり得ないと考えた。
その後亡くなっている村の者達は後回しにリーセスを手分けして探した3人だったが見つからず日が暮れ始めた頃に1度集合する。
リーセスを探したいという気持ちを抑え、後回しにしていた村人達の埋葬をし、3人はリーセスを探す旅に出るのだった。
しかし、体が小さくなっている事とまだこの体に馴れてない事から追ってきている生物との距離はあっという間に縮んできている。
彼は自分の運のなさを悔やみ諦めかけていた。
「よく走ったな、坊主」
その声が聞こえた瞬間激しい血しぶきと共に追いかけてきていた生物の首がとんでいた。
リーセスは日本ではほとんど見ることのない光景に気絶した。
目を覚ますとそこは見知らぬ家の中だった。
微かに声が聞こえてくるため近くにあった扉をほんの少し開け耳を澄ます。
「小さい子供にあんな光景を見せてどうするんですか」
「そうよ。あの子のトラウマになったらどうすんの?」
「悪かったって。でも助ける為にはしょうが無かっただろ?」
「やりようはあったわよ。例えば………」
聞いた限り自分を助けてくれた男性とその仲間と思われる2人の男女とが言いあっているようだ。
「あの………先程はありがとうございました」
責められている男性が可哀想になり扉を完全に開け言いあっていた部屋に入る。
「お、起きたな、坊主。………ほら見ろ全然平気そうだぞ」
「我慢してるだけかもしれないじゃないですか。僕の魔法でも心の傷は癒やせないんですよ?」
リーセスの様子を見て助けた男はこれ以上追及が来ないと思い調子に乗るがもう1人の男性にたしなめられる。
「本当に大丈夫なの?」
女性はすぐに近づいてきて心配してくれた。
「はい、大丈夫です。なのであまり責めないで上げてください」
「何この子。めっちゃ良い子じゃない」
そう言いながら抱きしめてくる。
………………な、長い。い、息……が………………
「お、おい。その子息できてるか?」
「え?あ!ごめんなさい」
「ゲホッ!はぁ……………た、助かりました」
「そういえばまだ自己紹介をしてなかったな。俺はリゼイル。で、こっちのひょろいのがサイル。お前を窒息させようとしてたのがリーリエだ」
「僕は確かにひょろいかもしれないけどそんな言い方しなくても良いだろ」
「自分でも認めてるじゃないか」
「私はそんな意図はなかったのよ」
「実際そうなりかけてたじゃないか」
先程までは責められていたリゼイルさんが仕返しとばかりに言い負かしている。
「僕はリーセスです」
「良い名前じゃないか。で、何であの森にいたんだ?」
「ちょ、ちょっとリゼイル。そんな訊き方をしたらその子が怯えちゃ………………あれ?怯えてない」
サイルさんがリゼイルさんをたしなめようとしたけど僕が怯えてない事でそれを中断する。
「気付いたらあの森にいました」
「そうか、今までは何処に住んでいたんだ?何なら送っていくぞ」
「分からないです」
リーセスは自分の体が5歳位なのを使い地球のことは隠すようにした。
「そ、そうか。今日はもう遅いし寝たらどうだ?」
「分かりました」
強引に話を変えられた気がしたリーセスだったが幼い体のせいか睡魔に襲われ始めていたので従うことにする。
リーセスが眠った後。
「う~ん、どうするかねぇ」
「しっ!声が大きい。起こしちゃうよ?」
「あ、悪ぃ」
「初めは孤児院とかそういう施設に預けたら良いかなと思っていたけどあの子のなまりはここら辺では聞いたことがなかった。だから相当遠くで生活してたのかも」
「そうね。孤児院も入って1年はちゃんとしてもらえるみたいだけど…………それ以降は最悪殺処分なんかもあるって聞くし」
「親も遠くまでは探しに来ないだろうしな」
「でも、何であの子はあそこにいたのかな?」
「あの子が嘘を言ってないんだとしたら、何処かの貴族のご子息かもしれないな」
「確かに。どの貴族も大抵市民から恨みを買っているからね。誰かが攫ったのかな?」
「奴隷として売り出されるよりはマシだっただろうけど森で1人にさせるのも中々正気とは思えないわね」
「そうだな」
「そうですね」
「で、結局どうする?俺達の生活も安定してきたし子供1人養う位は出来ると思うが……」
「そんなの決まってるじゃない」
「そうですよ」
「そうだな。助けたのも何かの縁って奴だ」
そこから5年。
リーセスは彼らと過ごすことになる。
彼らはCランクの冒険者パーティーで家を空ける事も多かったが、家にいる間は基礎知識や戦闘技術も身を守るすべとして教えてくれた。
しかし、そんな日は唐突に終わりを告げる。
その日もいつもと同じく家で1人留守番をしていたリーセスだったが、その日は少し違った。
来訪者が来たのだ。
彼らによってある程度なまりを抑えられるようになったリーセスはその対応をするべく扉を開ける。
そこには見慣れぬ男の人が立っていた。
この5年で村の人達とは結構顔見知りになっていたため少し驚く。
「何かご用でしょうか」
「これは……………良いものを見つけました」
「?……………何のことでしょう?」
「貴方に加護を授けましょう」
そう言われた瞬間リーセスは意識を失った。
リゼイル達が村に戻ると異様な光景が広がっていた。
村の者達が倒れているのだ。
急いで駆け寄ったが息がある者はいなかった。
不思議な事に全員外傷がなかった。
そこにリーセスの姿がなかったため急いで家に帰った3人だったが家には誰もいなかった。
状況的に見ればリーセスが村人達を殺した犯人なのだが5年一緒に生活していた彼らはそんなことはあり得ないと考えた。
その後亡くなっている村の者達は後回しにリーセスを手分けして探した3人だったが見つからず日が暮れ始めた頃に1度集合する。
リーセスを探したいという気持ちを抑え、後回しにしていた村人達の埋葬をし、3人はリーセスを探す旅に出るのだった。
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