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ロヴァイトとギルドマスター

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Sランクになるための手続きでカイが受け付けに行った際、ギルドマスター室に残った2人は話していた。
「で、お前さんが娘の彼氏と認めたということは彼は強いんだな?それもお前さん以上に」
「そうだな。あいつには勝てない。一目見た瞬間に理解したさ。ギルマスも感じたんだろ?」
「おい、いつまで他人行儀にギルマス何て呼んでやがる。お前さんが辞退しなけりゃ俺はギルマスやんなくて良かったのによ」
実は彼は元Aランクなのだ。
前任のギルドマスターが辞めた時、後任の候補に挙がったのは上位の冒険者。
ギルドマスターはギルド内のいざこざの解決などもしなければならないのでそれなりに強くないといけないのだ。
まあ、そんないざこざを起こすのは基本初心者や中級者位まで。
なのでDランク以上なら一応役目は果たせる。
しかし、初心者達はEランクとDランクの間にある大きな壁を知らない。
そのため、舐められて余計にいざこざが増えるのだ。
何度かそういう事があったため今では上のランクの者が優先されて候補に挙がる。
その頃ちょうどSランクになったばかりだったロヴァイトは目立っており、最有力候補となった。
しかし、そのタイミングがスタール亭が忙しくなる時期と重なっていたことを理由に辞退した。
本当はやりたくなかっただけなのは見え見えだったが。
「またその話か。お前も辞退すりゃ良かったじゃねぇか」
「無茶言うな。俺が辞退すればあいつになるところだったんだぜ。結局色々な犯罪を犯していたのがバレて今は牢屋だがな」
「そうだな。すまん」
「まあ、もう終わった話だ。今はこうしてギルドマスターをちゃんと出来ているからな。
っと話がそれたな。彼をどう見たかだったな?正直言って末恐ろしいと感じたな。見た目は若いが雰囲気が同年代もしくは年上のように感じた。実は人間ではなくてエルフでしたって言われても驚かねぇ位だ。」
エルフは長命のため外見の変化もゆっくりなのだ。
そのため見た目の倍以上は年をとっていると考えた方が良いとされている。
「一目でそこまで見極めたのか?やっぱり俺よりもギルドマスターに向いてるな。一言言っておくが彼は人間だ」
これはロヴァイトがカイの転生云々の話を知っていたための反応だ。
ギルドマスターの発言はとても的を射ていた。
それもさっき会ったばかりの人間なのにだ。
ロヴァイトはギルドマスターであり、親友でもある彼を頼もしく思うのだった。
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