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訓練と成長

魔法の練習を始めることになりました

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あの後僕とマイは家に帰った。
一時は同居という話はあったがなくなっていた。それが復活し今に至るわけで旅でなくなっていたはずの気まずい沈黙もそれに伴い復活した。
夕食はあの話の後とっている。
後はお風呂に入れば寝るだけだ。
この世界のお風呂は水浴びして湯船に入るのが一般的だ。
だが、僕はシャワーがないことを物足りなく感じて魔方陣2枚を重ね合わせて作った。
魔方陣の1つはシャワーのように水を出すもの、もう一つの魔方陣が通ったものを熱するものだ。
ちょうどいい温度にするのにはこだわった。
一回調節すれば後は変えなくて良いので面倒くさがりな僕でも頑張れた。
わざわざ魔方陣でしなくても自分で魔法を使えば良いだろうと思うだろうが温度の調整とかは特に面倒くさいのだ。
それは置いておいて先にお風呂に入るようにマイに言う。
だが、
「何言ってるの?カイ君が先に入るべきだよ」
「でも………」
「でもじゃない!あんなに最上級を相手にして守ってくれた人より先に入れないよ」
なんかこういう時のマイって頑固だよな。
しょうがないので僕が折れて先に入った。
しばらくして出た僕はマイに魔方陣で作ったシャワーを説明した。
半信半疑だったようだが理解しお風呂に向かったマイ。
帰ってきたときはシャワーが水浴びより何倍も気持ちが良いと珍しく興奮していた。
その後は少し話した後寝ることになり旅に出る前にマイが泊まった部屋で寝泊まりするように言ったのだが、約束を忘れてないかと言われた。マイと約束したことは魔法を教えることと一緒に寝ることだ。
前者はこのタイミングでは言わないだろうから消去法で後者になる。
ただ僕はてっきり旅の間だと思っていた。
それを言ったら怒られそうなので、話を合わせ僕の寝室に行く。
レクスが1人で寝るには無駄に大きいベッドを置いてくれたのが今日役にたつかもしれない。さすがにシングルベッドでマイと一緒に寝るとさすがに耐えられない。
前と同じようにベッドの端同士に横になった。

しばらくして中々寝付けない僕の後ろから何かが抱きついてきた。
もちろんここには僕以外はマイしかいない。
すごくドキドキしてきた。
「まだ寝てないでしょ」
寝てないことはバレバレだったようだ。
しかもなんかちょっと怒ってる気がする。
「ごめん」
「どこにもいかないようにこのまま寝ます」
これは怒ってんのか甘えてんのか分からないけどとりあえず可愛い。
それにめっちゃ良い匂い。
後ろからの柔らかい感触から逃げるように僕は眠りについた。

~マイ視点~
私何してんだろう。初めはカイ君に少し近づこうとしただけだった。
それが今バックハグみたいになっている。
そして、最後にはかまってちゃんみたいなことを言ってしまった。
カイ君はその後すぐに寝たようだけど私は恥ずかしくて中々眠れなかった。

今回はカイのかわりにマイが眠れない夜を過ごした。

~カイ視点~
翌朝、起きた時すでにマイは起きていた。
僕は魔法学校を卒業するまでは我慢しないといけないと思っている。
前世では途中で妊娠してしまった場合中退する人も多かったはずだ。
この世界はどうか分からないけど多分同じようなものだろう。
だけど、後3年間あれが続けば我慢できるか分からない。
そんなことを考えつつリビングにでると台所の方から音が聞こえた。
マイが料理をしているようだ。
台所に行き挨拶をする。
「おはよう」
「お、おはよう。昨日はごめん」
昨日?あ、夜のことか。
「いや、良いよ。僕も嬉しかったし。
ただ我慢するのがきつかったけど……」
「我慢?」
「あ、いや、何でもない」
危ない本音が出てた。幸いマイは意味を理解出来てなかったので良かった。
「あ、朝ごはん出来たよ」
「それじゃあ食べようか」
こうして朝食を食べ始める。
「入学するまで何しようかな?」
これは僕が意図せず呟いた独り言だ。
「やることないの?」
マイが独り言を聞いていたのか質問してくる。
「本当は護衛の仕事をする予定だったんだけど最上級の群れの件で忙しくて外出とかも出来ないからいらないって言われたんだよね」
最上級の群れがタキア王国から来たこと、それなのにタキア王国の被害は0。怪しすぎるためその調査をしたりどう対応するか会議が行われたりするみたいだ。
「じゃあさ私に魔法を教えてよ」
そういえば初めはそれをする予定だったな。
「良いよ」
こうしてマイに魔法を教えることになった。
これが僕の特訓に繋がるなんてこの時は想像もしてなかった。
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