「元」面倒くさがりの異世界無双

空里

文字の大きさ
上 下
23 / 277
訓練と成長

マイの父親

しおりを挟む
王都に帰ってからは大変だった。
魔獣の群れの討伐より疲れたといっても過言ではないくらいに。
まず門の前が魔獣の群れが現れたという情報でパニック状態になっていた。
そこをなんとか抜け王城に着いたと思ったら事情聴取を長い時間された。本当はアゴットさんが聞く立場だが、アゴットさんもその場にいたため警備軍の副長の人に色々聞かれた。
そこまででも疲れていたんだがここから更に疲れることがあった。


事情聴取が終わると次はマイの家へと向かった。思いのほか危ない事が起こったのでレクスも一緒に来て謝るらしい。
本当にこういうところは真面目だよな。
営業時間は終わっていたらしい。
今回はマイの母親だけでなく父親もいた。
父親はとても腕の良い料理人なのだが、弟子が育ったため店を任せギルドで依頼を受けていたらしい。
料理だけでなく戦闘も完璧にこなすらしい。
二刀流だ。しかも結構別方面の。
一目見てただ者では無いことが分かる。
アゴットさんより強い可能性が高そうだ。
そんなことを考えていると真っ先にレクスが謝罪をした。
王子に謝られて居心地が悪そうにしていた2人だったが無事だったから良いそして頭を上げるように言った。
レクスは本当に申し訳ないと言いながら顔を上げた。
「これとは別にもう一つ話があります。
カイ自分から言えよ?」
これ付き合い始めた報告しろって意味だよな?また無茶振りを。心の準備出来てないって!
だがレクスがここまで言った以上後戻り出来ないので言うことにする。
「マイさんとお付き合いさせていただくことになりました」
ストレートにここまで言った時母親は微笑んでいたがマイの父親の方から殺気とまではいかないが向けられた人は常人なら腰を抜かすであろう威圧が飛んできた。僕だけに。
僕は最上級の魔獣に立ち向かったりしてるからその威圧を耐える事が出来た。
少しすると威圧がなくなった。
「合格だ。この威圧に耐えるとは何者だ?」
マイの父親からそう声をかけられた。
どうやら試されていたらしい。
ただまだ警戒は解いてないようだ。
「僕は王子様の護衛です。
それ以上でもそれ以下でもないですよ」
それを聞いたマイの父親はレクスの方に顔を向ける。レクスは本当だと言わんばかりに頷く。
「良い者を連れてきたな。マイ」
さっきまでの雰囲気がガラッと変わり優しい父親という雰囲気になる。
正直変わり過ぎてついて行けない。
「もう、あなたったら立ち振る舞いでカイ君が強い事は分かっていたでしょうに」
「強くても逃げ腰では意味がないからな」
何というか逆にこっちがマイの父親が何者なのか聞きたい。
その疑問が顔に出ていたのだろう。
「何か聞きたい事があるようだね」
「はい、貴方も相当な実力者とお見受けしますが……………」
「俺か?俺はギルドでは唯一のS ランクとして有名って位だな」
もちろんこの世界でもSランクが一番高い。そして唯一と言うことはギルドのトップの実力者ということになる。
ただ者ではないと思っていたけどこれ程とは。
「す、凄いですね」
「お前もその気になればSランクも余裕だろうに。俺をたてる必要なんかないぞ」
「いえ、僕はまだHランクですから」
「そうなのか?てっきりA少なくともBかと思ったんだが」
「護衛の仕事があるので余り依頼を受けることが出来てないので」
「なるほどな。それで今住んでいる家はどんな感じだ?」
なんでこんな質問するんだ?
まあ秘密にしているわけでもないし良いか。
「すごく部屋があって自分一人では充分に使えてないですね」
「よし、問題無さそうだな」
うん?なんか嫌な予感が………
「マイ、今日からカイ君の家で生活しなさい。この店に一日一回来てくれたら問題ない」
「えっ!?」
マイも驚いてるけどこの流れは以前にもあったな。
マイの母親と父親は似たもの同士のようだ。
こうして強引に同棲することになった。


というようにマイの父親の威圧を緊張しながら受けてたから精神的にダメージがあった。







帝国の謁見の間。皇帝と怪しい人物が話している。
「タキア王国は滅びそうだな」
「ええ、間違いなくそうなることでしょう。あの国は帝国と自国の間にウェンテライウ王国があるのを良いことに帝国にもう反発をしていました」
「ああ、その国をお主だけで操作するとは………やはりお前の主といいお前といいそなたらの力量は凄まじいな。余の配下になる気にはならぬか?」
皇帝は普段このような相手を尊重することはないのだが、怪しい人物とその主は特別らしい。
「お褒めにあずかり光栄にございます。しかし私はもう主様に忠誠を誓ってますので。
我が主が配下になるというなら話は違いますが……………」
こうやって皇帝の誘いを受けないことは他の人がやれば即死罪だ。
そうならないのはこの人物とその主の力によるものだろう。
「お主は変わらんな。しかし、いかに功績が合って実力者とは言え裏切ったらただではすまさんぞ。」
「ええ充分に理解しております。それでは失礼いたします」
「今回はよくやった」
こうして怪しい人物は去って行った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。

アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。 両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。 両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。 テッドには、妹が3人いる。 両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。 このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。 そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。 その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。 両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。 両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…   両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが… 母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。 今日も依頼をこなして、家に帰るんだ! この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。 お楽しみくださいね! HOTランキング20位になりました。 皆さん、有り難う御座います。

武士が異世界に転生する

希望
ファンタジー
我は島津家の一族で武将として、義弘様に従って、豊臣軍と戦っていた。九州のため我らは負けるわけにはいかなかった。九州の覇者は島津家以外認めない。 「名門島津家以外にこの土地を好きにはさせない」 「秀吉様以外の天下人など不要!天下は豊臣家にある。それ以外は邪道だ」 我は敵の武将を何人も撃ち取った。だが俺の部下のものは多くが撃ち取られて、他の足軽は逃げていて、多勢に無勢状態だ。 「ふっ敵ながら天晴れだ。自分の主君のために負けると分かっていても、主君に忠誠を誓って、戦うとは」 我は薩摩に伝わる剣術で何人も首を取り一騎当千したが、さすがに疲れてきたのか、動きが鈍くなって攻撃を受けて、体が悲鳴をあげてるのが分かる。そんなときに石田三成が来たのだから、こいつを最後に撃ち取って、儚く散ろうと思った。 「我島津秋成なり、石田三成貴殿の首を撃ち取りに参った」 「その勝負受けよう。お前らこれは我々の一対一の勝負だから、邪魔をするなよ」 すると石田三成の部下達は離れていく。我は今持てる全力を出して、戦ったが、やはり怪我の影響を受けてか、心臓に刀が刺さり、俺は倒れた。 ああ、義弘様。どうか島津家を頼みます。そうだんだん意識が消えていくなか、そう思っていた。 「大丈夫ですか?」 なぜか戦場に似つかわしくない、可愛い少女の声がする。手当てでもされてるのか?でも我は確実に逝ったはずだ。致命傷をおっていたし。 俺は目を開けると、そこには薩摩にもいないほどの美少女がいた。 「お主は?」 「私はアリア.スカーレットといいます。貴方の名は?」 「島津秋成、島津家のものだ」 この出会いがやがて奇跡といわれる出会いとなる。そう武術を極めた武将と家族を魔族によって失った魔法師との出会いである。やがてこの二人が出会って、伝説の旅路が始まるー

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

誰も要らないなら僕が貰いますが、よろしいでしょうか?

伊東 丘多
ファンタジー
ジャストキルでしか、手に入らないレアな石を取るために冒険します 小さな少年が、独自の方法でスキルアップをして強くなっていく。 そして、田舎の町から王都へ向かいます 登場人物の名前と色 グラン デディーリエ(義母の名字) 8才 若草色の髪 ブルーグリーンの目 アルフ 実父 アダマス 母 エンジュ ミライト 13才 グランの義理姉 桃色の髪 ブルーの瞳 ユーディア ミライト 17才 グランの義理姉 濃い赤紫の髪 ブルーの瞳 コンティ ミライト 7才 グランの義理の弟 フォンシル コンドーラル ベージュ 11才皇太子 ピーター サイマルト 近衛兵 皇太子付き アダマゼイン 魔王 目が透明 ガーゼル 魔王の側近 女の子 ジャスパー フロー  食堂宿の人 宝石の名前関係をもじってます。 色とかもあわせて。

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

二度目の転生は傍若無人に~元勇者ですが二度目『も』クズ貴族に囲まれていてイラッとしたのでチート無双します~

K1-M
ファンタジー
元日本人の俺は転生勇者として異世界で魔王との戦闘の果てに仲間の裏切りにより命を落とす。 次に目を覚ますと再び赤ちゃんになり二度目の転生をしていた。 生まれた先は下級貴族の五男坊。周りは貴族至上主義、人間族至上主義のクズばかり。 …決めた。最悪、この国をぶっ壊す覚悟で元勇者の力を使おう…と。 ※『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも掲載しています。

目の前で始まった断罪イベントが理不尽すぎたので口出ししたら巻き込まれた結果、何故か王子から求婚されました

歌龍吟伶
恋愛
私、ティーリャ。王都学校の二年生。 卒業生を送る会が終わった瞬間に先輩が婚約破棄の断罪イベントを始めた。 理不尽すぎてイライラしたから口を挟んだら、お前も同罪だ!って謎のトバッチリ…マジないわー。 …と思ったら何故か王子様に気に入られちゃってプロポーズされたお話。 全二話で完結します、予約投稿済み

処理中です...