「元」面倒くさがりの異世界無双

空里

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訓練と成長

死そして転生

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僕は地球とは違う世界に転生し、生活している。色々あったが平和になった。
その報告に墓に来ていた。
その墓の中は空だ。
それはある意味しょうがない事だった。
同行者は数人いる。
僕が先頭で手を合わせると皆手を合わせる。
「見てるか?平和になったよ」
それに応えるように風が吹いた。







俺は真っ暗で何も感じることの出来ないこの状況から死を自覚した。何がどうなって死んだのか覚えていない。何もすることの出来ない状況だからか次第に自分の人生を思い返していた。
小さい頃は才能があったのかいろいろと自慢出来る特技を持っていた。しかし、俺は面倒くさがりであまり努力をしなかった。成長していく中で徐々に皆に抜かれていく。そんな中で入った中学の部活では、先生や親がいたのもあり、割と真面目に取り組んだ。そのおかげかその地域の大会で良い順位が取れたり、県大会に行けたりと本当に自分がやったのかと思えるような結果を残した。そのことに調子にのった俺は高校でも続けた。しかし、思ったようにはいくわけもなく成績を残すことはなかった。大学には行かないと決めていた俺はいたって普通の会社に就職。1年目は人付き合いも大切だと飲み会などにも参加していたのだが…
面倒くさくなり辞めてしまった。そんな俺の会社での評価は真面目だが飲み会などには来ない堅物だった。努力していればと何度思ったことか。思い残したことこそないが後悔が強い。その時ある変化が起こった。

誰かに呼ばれている?いや、気のせいだろう。もしかしたらエンマ様に地獄行きを宣言されるのか?そんな悪いことはしてないような。努力しなかったこと?才能の無駄使いだって怒られるのだろうか?こんなことを考えていると、
「お…………! お……て! 起きてってば!」
今度ははっきり聞こえた。もしかして死んでなかったのか?そう思い目を開ける。
そこは見た感じRPGに出て来る洞窟というかダンジョンのような場所だった。
ゲーム好きの俺からすると普通なら興奮するだろうが状況が把握しきれてないのでそうすることはなかった。
どこだ、ここ。病院じゃないのか?もしかしてさらわれた?いつもと何か違う状況から思わず考え込んでしまった。取りあえず今の自分の状態を確認しようと自分の体を見た時、気を失いそうになるほど驚いた。
なんてったって体が幼稚園児くらいの大きさになってるんだから。考え込んだり驚いたりしてると急に話しかけられた。
「おい、大丈夫か?」
そこにいたのは、
「妖精!?」
そう、まさにアニメに出て来る妖精のようなやつがいた。
「う~ん、妖精とは違うんだけどまあいいや。君がここにいるのは他ならぬ僕が召喚したって言うか、転生させたんだ。名前は覚えてる?」
「名前は………うん?思い出せない。」
「やっぱりか。最後の最後でミスっちゃったんだ。ごめんね。」
「おい!」
こいつ、人を転生させといてそれはないだろう。ミスるって何やってんだ。
この先がすっごく不安だ。
「そう怒らないでよ。君、僕が転生させないと死んでたんだよ?」
「だったらなおさらゆっくり眠らせようとかあるだろ!」
俺だって死にたいとは思ってなかったが死んだのなら潔く眠りにつきたい。そう思い言ってみた。
「だって君、死に際に後悔したでしょ。もっと努力すれば良かったって。その願いを叶えてあげようと思って転生させたんだけどだめだった?」
「まあ、思ったけど………って何でお前転生させること出来るんだ?」
「………そ、それはまあ後にしてまずは名前だね。僕が決めて良い?」
「お、おう、なんかはぐらかされた気がするけど」
「カイ=マールスってどう?」
思い付くの早すぎないか?人の名前そう簡単に決めるなよ。と思うけど自分では思い付かない。しょうがないしこれで良いか。
「それで良いよ。お前は?」
「僕は人間じゃないしあまり人前に出ないから名前なんてないよ。」
「ふ~ん、ところでなんで俺を転生させたんだ?なんか目的でもあるのか?」
「話がはやいね。まず、なんで君を選んだかと言うと才能があって努力すればって後悔してたから強くなれると思ったから。目的は君が強くなったら話すよ。」
「なるほどな。転生させてあげたから強くなって手伝って欲しいってことか?」
「まあ、そうだね。ただ僕のお願いは絶対じゃない。君が断るのなら諦めるよ。」
「そんなこと言われたら断れねえじゃねえか。」
「ありがとう、そう言ってくれると思ったよ。」
こうして、俺のあらたな人生が始まろうとしていた。
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