平凡な高校生活を送る予定だったのに

空里

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閑話 クリスマス2

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同じソフトテニスという競技でも男女によってプレイスタイルの差が大きく出る。
男子の方は強い球で点を取るというテニスになるが女子の方は繋いで繋いで点を取るというテニスである。
もちろん個人差はあるが、そうなる傾向にある。

貴史が入った試合も例外ではなく繋ぐボールばかりだった。
ただ、その繋ぐボールは絶妙に前衛の届かない所のことが多く中々手を出せない。
男子同士ですると中々ない展開のため初動が遅れはしたもののその対策を始める。

相手が絶妙な所にボールを打つのならもっと攻めたポジションを取り相手を牽制する。
と同時にタイミングがあればボレーをして点を取れればより良い。

前衛は後衛よりもコートの前方にポジションを取るため相手が何処にボールを打ったか確認してから動くのでは遅い。
それで大事になってくるのがポジションと相手の動き、考えを見抜くこと。
また、ボールをノーバウンドで取ることも多いため瞬時のラケットさばきも重要になってくる。

逆に後衛はペアの前衛に指示を出したりペアの動きに合わせて自分が動く事が出来る。
その判断と相手の前衛との駆け引きなど様々なことを考えながらする。

今回の貴史のポジションに合わせた沙羅。
相手後衛のバック側に打ち込み相手のボールをクロスに誘う。
その思惑通り相手後衛のボールはクロスに飛んでくる。
そのボールを貴史が決め点が入った。

「ナイスボール!」
「ナイスボレーです!」
二人の考えが一致しその通りに点が決まると嬉しいものでその試合で一番声が出ていた。



その試合はその流れのまま貴史と沙羅のペアが勝利し、ジャッチペーパー(審判が試合の結果を記録する紙)を受け取り白髪の先生の元に戻った。

「お疲れさま。始めて組んだのに息ぴったりの試合だったね」
どう返して良いものか困る二人。
彼らはまだ会って1日も経っておらず、話したのも試合に関することと自己紹介位である。
ありがとうございますと言うべきなのか、それほどでもないと言うべきなのか。
「広川君、もし中野のプレーに改善点があれば言ってやってくれないかな」
その意外な注文に先程の試合を思い浮かべる。

「・・・・・・そうですね。前衛としてえは凄くやりやすかったです。ただ、前衛を立てすぎるプレーをしていると感じました」
そこまで言うと白髪の先生は賛同するように頷いた。
「中野、広川君の言う通りだ。前にも言ったかもしれないけど前衛を立てるだけが後衛の仕事じゃない」
「はい」
先生の言葉に中野さんは返事をする。

その時、突然雨が振りだした。
白髪の先生ともう片方の女子チームの監督さんとが周りに指示を出し近くの屋根のある場所に避難することになった。

その際、男子の方は反対側に避難したため貴史は一人取り残される形となる。
荷物を屋根の下にあるベンチに置いていると白髪の先生から呼ばれた。
中野さんも一緒に呼ばれたのか隣に並ぶ。

「悪いね、広川君。居心地が悪いかもしれないが、あと少しでやむようだから我慢してね」
白髪の先生がスマホを見ながらそう告げる。
話の内容的に天気予報でも見ているのだろう。
「それで、さっきの続きだけど、中野、広川君のプレーに改善点はあったかい?」
中野さんにもその質問をしたことでこの先生の指導方針が何となく分かった気がした。
前衛と後衛。同じスポーツをしているとはいえ、視点が違う。
指摘させ合うことで互いを高めていくという感じではないだろうか。
「えっと・・・・・・ポジション取りが凄く上手くてとても立ち回りやすかったです。でも、もう少し後衛を信用した動きをしても良いのかなって思いました」
貴史にも思い当たる節があった。
今回は始めて組んだ相手ということで顕著に出ていたかもしれないが監督にもペアの後衛にも言われた事があった。
白髪の先生もうんうんと頷いている。
「後衛を信用した動きが出来るようになると、もっとすんなり攻めることが出来るよ」
「はい」

「始めて組んだ相手ということもあるだろうし、この雨が止むのを待つ時間に色々話して仲を深めてみたらどうだい」
「わかりました」
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