87 / 94
閑話 クリスマス2
しおりを挟む
同じソフトテニスという競技でも男女によってプレイスタイルの差が大きく出る。
男子の方は強い球で点を取るというテニスになるが女子の方は繋いで繋いで点を取るというテニスである。
もちろん個人差はあるが、そうなる傾向にある。
貴史が入った試合も例外ではなく繋ぐボールばかりだった。
ただ、その繋ぐボールは絶妙に前衛の届かない所のことが多く中々手を出せない。
男子同士ですると中々ない展開のため初動が遅れはしたもののその対策を始める。
相手が絶妙な所にボールを打つのならもっと攻めたポジションを取り相手を牽制する。
と同時にタイミングがあればボレーをして点を取れればより良い。
前衛は後衛よりもコートの前方にポジションを取るため相手が何処にボールを打ったか確認してから動くのでは遅い。
それで大事になってくるのがポジションと相手の動き、考えを見抜くこと。
また、ボールをノーバウンドで取ることも多いため瞬時のラケットさばきも重要になってくる。
逆に後衛はペアの前衛に指示を出したりペアの動きに合わせて自分が動く事が出来る。
その判断と相手の前衛との駆け引きなど様々なことを考えながらする。
今回の貴史のポジションに合わせた沙羅。
相手後衛のバック側に打ち込み相手のボールをクロスに誘う。
その思惑通り相手後衛のボールはクロスに飛んでくる。
そのボールを貴史が決め点が入った。
「ナイスボール!」
「ナイスボレーです!」
二人の考えが一致しその通りに点が決まると嬉しいものでその試合で一番声が出ていた。
◆
その試合はその流れのまま貴史と沙羅のペアが勝利し、ジャッチペーパー(審判が試合の結果を記録する紙)を受け取り白髪の先生の元に戻った。
「お疲れさま。始めて組んだのに息ぴったりの試合だったね」
どう返して良いものか困る二人。
彼らはまだ会って1日も経っておらず、話したのも試合に関することと自己紹介位である。
ありがとうございますと言うべきなのか、それほどでもないと言うべきなのか。
「広川君、もし中野のプレーに改善点があれば言ってやってくれないかな」
その意外な注文に先程の試合を思い浮かべる。
「・・・・・・そうですね。前衛としてえは凄くやりやすかったです。ただ、前衛を立てすぎるプレーをしていると感じました」
そこまで言うと白髪の先生は賛同するように頷いた。
「中野、広川君の言う通りだ。前にも言ったかもしれないけど前衛を立てるだけが後衛の仕事じゃない」
「はい」
先生の言葉に中野さんは返事をする。
その時、突然雨が振りだした。
白髪の先生ともう片方の女子チームの監督さんとが周りに指示を出し近くの屋根のある場所に避難することになった。
その際、男子の方は反対側に避難したため貴史は一人取り残される形となる。
荷物を屋根の下にあるベンチに置いていると白髪の先生から呼ばれた。
中野さんも一緒に呼ばれたのか隣に並ぶ。
「悪いね、広川君。居心地が悪いかもしれないが、あと少しでやむようだから我慢してね」
白髪の先生がスマホを見ながらそう告げる。
話の内容的に天気予報でも見ているのだろう。
「それで、さっきの続きだけど、中野、広川君のプレーに改善点はあったかい?」
中野さんにもその質問をしたことでこの先生の指導方針が何となく分かった気がした。
前衛と後衛。同じスポーツをしているとはいえ、視点が違う。
指摘させ合うことで互いを高めていくという感じではないだろうか。
「えっと・・・・・・ポジション取りが凄く上手くてとても立ち回りやすかったです。でも、もう少し後衛を信用した動きをしても良いのかなって思いました」
貴史にも思い当たる節があった。
今回は始めて組んだ相手ということで顕著に出ていたかもしれないが監督にもペアの後衛にも言われた事があった。
白髪の先生もうんうんと頷いている。
「後衛を信用した動きが出来るようになると、もっとすんなり攻めることが出来るよ」
「はい」
「始めて組んだ相手ということもあるだろうし、この雨が止むのを待つ時間に色々話して仲を深めてみたらどうだい」
「わかりました」
男子の方は強い球で点を取るというテニスになるが女子の方は繋いで繋いで点を取るというテニスである。
もちろん個人差はあるが、そうなる傾向にある。
貴史が入った試合も例外ではなく繋ぐボールばかりだった。
ただ、その繋ぐボールは絶妙に前衛の届かない所のことが多く中々手を出せない。
男子同士ですると中々ない展開のため初動が遅れはしたもののその対策を始める。
相手が絶妙な所にボールを打つのならもっと攻めたポジションを取り相手を牽制する。
と同時にタイミングがあればボレーをして点を取れればより良い。
前衛は後衛よりもコートの前方にポジションを取るため相手が何処にボールを打ったか確認してから動くのでは遅い。
それで大事になってくるのがポジションと相手の動き、考えを見抜くこと。
また、ボールをノーバウンドで取ることも多いため瞬時のラケットさばきも重要になってくる。
逆に後衛はペアの前衛に指示を出したりペアの動きに合わせて自分が動く事が出来る。
その判断と相手の前衛との駆け引きなど様々なことを考えながらする。
今回の貴史のポジションに合わせた沙羅。
相手後衛のバック側に打ち込み相手のボールをクロスに誘う。
その思惑通り相手後衛のボールはクロスに飛んでくる。
そのボールを貴史が決め点が入った。
「ナイスボール!」
「ナイスボレーです!」
二人の考えが一致しその通りに点が決まると嬉しいものでその試合で一番声が出ていた。
◆
その試合はその流れのまま貴史と沙羅のペアが勝利し、ジャッチペーパー(審判が試合の結果を記録する紙)を受け取り白髪の先生の元に戻った。
「お疲れさま。始めて組んだのに息ぴったりの試合だったね」
どう返して良いものか困る二人。
彼らはまだ会って1日も経っておらず、話したのも試合に関することと自己紹介位である。
ありがとうございますと言うべきなのか、それほどでもないと言うべきなのか。
「広川君、もし中野のプレーに改善点があれば言ってやってくれないかな」
その意外な注文に先程の試合を思い浮かべる。
「・・・・・・そうですね。前衛としてえは凄くやりやすかったです。ただ、前衛を立てすぎるプレーをしていると感じました」
そこまで言うと白髪の先生は賛同するように頷いた。
「中野、広川君の言う通りだ。前にも言ったかもしれないけど前衛を立てるだけが後衛の仕事じゃない」
「はい」
先生の言葉に中野さんは返事をする。
その時、突然雨が振りだした。
白髪の先生ともう片方の女子チームの監督さんとが周りに指示を出し近くの屋根のある場所に避難することになった。
その際、男子の方は反対側に避難したため貴史は一人取り残される形となる。
荷物を屋根の下にあるベンチに置いていると白髪の先生から呼ばれた。
中野さんも一緒に呼ばれたのか隣に並ぶ。
「悪いね、広川君。居心地が悪いかもしれないが、あと少しでやむようだから我慢してね」
白髪の先生がスマホを見ながらそう告げる。
話の内容的に天気予報でも見ているのだろう。
「それで、さっきの続きだけど、中野、広川君のプレーに改善点はあったかい?」
中野さんにもその質問をしたことでこの先生の指導方針が何となく分かった気がした。
前衛と後衛。同じスポーツをしているとはいえ、視点が違う。
指摘させ合うことで互いを高めていくという感じではないだろうか。
「えっと・・・・・・ポジション取りが凄く上手くてとても立ち回りやすかったです。でも、もう少し後衛を信用した動きをしても良いのかなって思いました」
貴史にも思い当たる節があった。
今回は始めて組んだ相手ということで顕著に出ていたかもしれないが監督にもペアの後衛にも言われた事があった。
白髪の先生もうんうんと頷いている。
「後衛を信用した動きが出来るようになると、もっとすんなり攻めることが出来るよ」
「はい」
「始めて組んだ相手ということもあるだろうし、この雨が止むのを待つ時間に色々話して仲を深めてみたらどうだい」
「わかりました」
0
あなたにおすすめの小説
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる