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朝食
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そんなこんなはあったが、その部屋で朝食をとることになった。
どうやらそういうサービス付きのものを予約していたらしい。
朝食は昨日とは違い和風のものだった。
白米、味噌汁、鮭の塩焼き、卵焼き、夏野菜のおひたしというメニューである。
まあ、確かに洋食の方ががっつりしているイメージがあるから夕食の方が向いている気はする。
「いただきます」
「昨日の話もう忘れたの?」
早く食べようとしたところで凛花に止められる。
何でそんなにこだわるんだよ?
「いくよ、せーの」
『いただきます』
そうして食べ始める。
朝から内心ヒヤヒヤしていたせいかすごくお腹が空いていたため箸が進んだ。
もちろん美味しかったというのもあるが。
「それにしても昨日は凄かったね」
「何のこと?」
朝の繰り返しのようなその言葉に何の事を言っているのか分からなくなる。
もちろん僕の寝相という可能性もあるし、遊園地のアトラクションという説もある。
なんならこんぴらさんの階段の多さかもしれない。
今思うと今回は本当に旅行に来ているようだった。
日帰りではなく宿に泊まっている点もその感覚を大きくさせている。
「もちろん、僚太くんの寝相のことだよ?でも、抱き枕にした途端動かなくなったんだよね」
そう言われると都合の良い抱き枕が運良く転がってきたみたいだな。
まあ、自分の寝相が悪くて抱き枕にされたのだから文句は言えないが。
「ごめんって」
ただ、話題に出されると申し訳なさが涌き出てくるから再度謝る。
「良いって言ってるでしょ?しつこい男は嫌われるよ?」
良く聞く言葉だが、こういう場面で言う言葉ではないように思う。
「それに嬉しかったんだよね。寝相とはいえ無意識で私に近づいてくる位には距離が近づいてるってことが分かってさ」
そう言われると秘密を隠している僕にとっては心が痛む。
かと言って話そうとも思わないが。
それに、凛花が言っていることも事実だろう。
銭湯で聞いたあの言葉を真剣に考えてしまうほどには。
「笑顔を見ていると笑顔になる・・・・・・か」
「どうしたの?」
「いや、何でもない」
どうやら声に出していたようだが、幸い凛花には聞こえていなかったようだ。
「怪しいな~」
「本当に何でもないから」
追求されるかと身構えたがそれ以上は何もなかった。
さっきしつこい男は嫌われると言ったばかりだから気にしたのだろうか。
それともそこまで気にしていなかったのだろうか。
真相は分からないがとりあえず助かった。
どうやらそういうサービス付きのものを予約していたらしい。
朝食は昨日とは違い和風のものだった。
白米、味噌汁、鮭の塩焼き、卵焼き、夏野菜のおひたしというメニューである。
まあ、確かに洋食の方ががっつりしているイメージがあるから夕食の方が向いている気はする。
「いただきます」
「昨日の話もう忘れたの?」
早く食べようとしたところで凛花に止められる。
何でそんなにこだわるんだよ?
「いくよ、せーの」
『いただきます』
そうして食べ始める。
朝から内心ヒヤヒヤしていたせいかすごくお腹が空いていたため箸が進んだ。
もちろん美味しかったというのもあるが。
「それにしても昨日は凄かったね」
「何のこと?」
朝の繰り返しのようなその言葉に何の事を言っているのか分からなくなる。
もちろん僕の寝相という可能性もあるし、遊園地のアトラクションという説もある。
なんならこんぴらさんの階段の多さかもしれない。
今思うと今回は本当に旅行に来ているようだった。
日帰りではなく宿に泊まっている点もその感覚を大きくさせている。
「もちろん、僚太くんの寝相のことだよ?でも、抱き枕にした途端動かなくなったんだよね」
そう言われると都合の良い抱き枕が運良く転がってきたみたいだな。
まあ、自分の寝相が悪くて抱き枕にされたのだから文句は言えないが。
「ごめんって」
ただ、話題に出されると申し訳なさが涌き出てくるから再度謝る。
「良いって言ってるでしょ?しつこい男は嫌われるよ?」
良く聞く言葉だが、こういう場面で言う言葉ではないように思う。
「それに嬉しかったんだよね。寝相とはいえ無意識で私に近づいてくる位には距離が近づいてるってことが分かってさ」
そう言われると秘密を隠している僕にとっては心が痛む。
かと言って話そうとも思わないが。
それに、凛花が言っていることも事実だろう。
銭湯で聞いたあの言葉を真剣に考えてしまうほどには。
「笑顔を見ていると笑顔になる・・・・・・か」
「どうしたの?」
「いや、何でもない」
どうやら声に出していたようだが、幸い凛花には聞こえていなかったようだ。
「怪しいな~」
「本当に何でもないから」
追求されるかと身構えたがそれ以上は何もなかった。
さっきしつこい男は嫌われると言ったばかりだから気にしたのだろうか。
それともそこまで気にしていなかったのだろうか。
真相は分からないがとりあえず助かった。
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