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しおりを挟む「そしてそして、コラボダンジョンが登場します」
「やっぱり敵はあの方だよね?」
「それはやってみてのお楽しみということで次にいきます」
「ちょっとあっさり過ぎない?」
「今回は情報がありすぎて巻かないといけないんです」
「あ、そう」
「はい、次にいきます」
二人の会話が終わるとまた、暗転する。
「ワシの試練すら突破できん者に天使なんぞ倒せんぞ?死ぬ気で来い」
主人公の師匠に当たる人の声だ。
「ということで高難易度クエストとして師匠の試練が来ます」
「いや~、作品の中でもきつそうな試練だったからね。難しくなってるみたいだよ」
「クエストの詳細は後日発表ということで次にいきます」
「本当に時間がヤバイから巻いていくよ」
「未踏の迷宮が登場中です。しっかり10連分の卵石を集めておきましょう。そして、高難易度コンテンツミラーロードがコラボと同時に登場します」
「そういえば、肝心なコラボの開始日時を言ってなくない?」
「そうでした。学生や社会人の皆さんすみません。明日0時よりコラボ開始です!」
「ということでもう時間がヤバイから、またな!」
「次回は来週日曜日です」
◆
最後は駆け足だったが内容的には良いものばかりだった。
「私もパズレンしようかな」
「え?」
「だってコホラコラボするんでしょ?やるしかなくない?」
なんか圧がすごいな。というかいつのまにか棒アイス食べ終わってるし。
「良いけどお父さんには言わない方が良いぞ」
「なんで?」
「初めは本当に連れ回されるからな。他の時間まで奪われる」
「ふ~ん、そうなんだ。教えてくれてありがとう」
凛花が良いことを聞いたという顔をしていた。
なんならお父さんに連れ回してもらうのもありだったかもしれない。
言ってしまった後なのでもう、どうしようもないが。
◆
夕食の時間。
「明日、店を休ませてください」
これはお父さんからお母さんに向けられて発せられた言葉である。
「ダメです」
お父さんが休もうとしている原因は明白である。パズレンのコラボが0時からスタートするためであろう。
それを何となく理解していたお母さんが一言で切り捨てる。
ちなみにお母さんは僕がテレビで最新情報を見ている間買い出しに行っていたため恐らくゲームの情報は知らないはずである。
「そこをなんとか」
しかし、ここで引き下がらないのがお父さんである。
何でもこの粘り強さでお母さんと結婚したらしい。
僕は本当にこの人の息子なんだろうかと時々思う。
「今回はダメです。凛花ちゃんもいるのに恥ずかしくないの?」
確かにそれはそうだ。というか家族のこっちの方が恥ずかしい。
お母さんも同じ気持ちなのだろう。
時おり凛花の方を向き苦笑いを見せている。
結局お母さんが折れることはなく明日は通常営業ということになった。
お父さんはしょんぼりしていたが援護すればこちらにも飛び火して明日学校を休むなよという釘を打たれるのは目に見えていたため心の中でドンマイと言うだけに止めた。
◆
その日の夜。僕は0時のコラボ開始に備えて卵石を集めていた。
5周年記念としてのコラボであるなら引かない方が損になる可能性が高いからである。
そして、主人公以外ハイスペック過ぎる。インフレが加速してしまうのではないかというレベルである。
インフレが加速するとどうなるのか。それは一択だ。
そのキャラがいても難しいクエストが現れる。
そのために準備をしていたのだがノックが聞こえてきた。
今日は本当に誰なのかわからない。
お母さんだとしたら早く寝るように言いに来る可能性がある。
お父さんであれば卵石を一緒に集めようという誘いだろう。
凛花ならば理由がなくても来そうである。
扉を開けるとそこにはお父さんがいた。
予想の通りゲームのお誘いだった。一人で卵石を集めるよりも楽なため一緒にやることにする。
「それで、凛花さんとはどうなんだ?」
「どうって、お父さんは僕の事情を知ってるでしょ?」
「相手の声で感情が何となく分かる力のことか?凛花さんは気にしなさそうだぞ?」
「この力が発現してから僕には新しく友達が出来なくなった。昔から知っている人じゃないとその力に気づいた瞬間去っていく。それに、あの公園でのことをまだ覚えているから」
「そうか」
実は僚太は以前精神科に通っていた時期がある。それは突然発現した相手の声で感情を感じることが出来る力をみた関係の浅い人間は彼と距離をとるようになった。
それがきっかけとなり彼は新たに友達を作ることをしなくなった。
元々人見知りというのもあったが。
一時期は暗くなっていたがある出来事をきっかけに立ち直っているため今がある。
まだ完全には治ってないが精神科には通っていない。
それは通常の生活を心がけているからである。精神科の先生に提案された方法で家族もいつも通りを心がけている。その先生には家族から様子の報告が届く仕組みになっている。
気まずくなった空気を解決してくれたのは0時という時間になったことだった。
「やっぱり敵はあの方だよね?」
「それはやってみてのお楽しみということで次にいきます」
「ちょっとあっさり過ぎない?」
「今回は情報がありすぎて巻かないといけないんです」
「あ、そう」
「はい、次にいきます」
二人の会話が終わるとまた、暗転する。
「ワシの試練すら突破できん者に天使なんぞ倒せんぞ?死ぬ気で来い」
主人公の師匠に当たる人の声だ。
「ということで高難易度クエストとして師匠の試練が来ます」
「いや~、作品の中でもきつそうな試練だったからね。難しくなってるみたいだよ」
「クエストの詳細は後日発表ということで次にいきます」
「本当に時間がヤバイから巻いていくよ」
「未踏の迷宮が登場中です。しっかり10連分の卵石を集めておきましょう。そして、高難易度コンテンツミラーロードがコラボと同時に登場します」
「そういえば、肝心なコラボの開始日時を言ってなくない?」
「そうでした。学生や社会人の皆さんすみません。明日0時よりコラボ開始です!」
「ということでもう時間がヤバイから、またな!」
「次回は来週日曜日です」
◆
最後は駆け足だったが内容的には良いものばかりだった。
「私もパズレンしようかな」
「え?」
「だってコホラコラボするんでしょ?やるしかなくない?」
なんか圧がすごいな。というかいつのまにか棒アイス食べ終わってるし。
「良いけどお父さんには言わない方が良いぞ」
「なんで?」
「初めは本当に連れ回されるからな。他の時間まで奪われる」
「ふ~ん、そうなんだ。教えてくれてありがとう」
凛花が良いことを聞いたという顔をしていた。
なんならお父さんに連れ回してもらうのもありだったかもしれない。
言ってしまった後なのでもう、どうしようもないが。
◆
夕食の時間。
「明日、店を休ませてください」
これはお父さんからお母さんに向けられて発せられた言葉である。
「ダメです」
お父さんが休もうとしている原因は明白である。パズレンのコラボが0時からスタートするためであろう。
それを何となく理解していたお母さんが一言で切り捨てる。
ちなみにお母さんは僕がテレビで最新情報を見ている間買い出しに行っていたため恐らくゲームの情報は知らないはずである。
「そこをなんとか」
しかし、ここで引き下がらないのがお父さんである。
何でもこの粘り強さでお母さんと結婚したらしい。
僕は本当にこの人の息子なんだろうかと時々思う。
「今回はダメです。凛花ちゃんもいるのに恥ずかしくないの?」
確かにそれはそうだ。というか家族のこっちの方が恥ずかしい。
お母さんも同じ気持ちなのだろう。
時おり凛花の方を向き苦笑いを見せている。
結局お母さんが折れることはなく明日は通常営業ということになった。
お父さんはしょんぼりしていたが援護すればこちらにも飛び火して明日学校を休むなよという釘を打たれるのは目に見えていたため心の中でドンマイと言うだけに止めた。
◆
その日の夜。僕は0時のコラボ開始に備えて卵石を集めていた。
5周年記念としてのコラボであるなら引かない方が損になる可能性が高いからである。
そして、主人公以外ハイスペック過ぎる。インフレが加速してしまうのではないかというレベルである。
インフレが加速するとどうなるのか。それは一択だ。
そのキャラがいても難しいクエストが現れる。
そのために準備をしていたのだがノックが聞こえてきた。
今日は本当に誰なのかわからない。
お母さんだとしたら早く寝るように言いに来る可能性がある。
お父さんであれば卵石を一緒に集めようという誘いだろう。
凛花ならば理由がなくても来そうである。
扉を開けるとそこにはお父さんがいた。
予想の通りゲームのお誘いだった。一人で卵石を集めるよりも楽なため一緒にやることにする。
「それで、凛花さんとはどうなんだ?」
「どうって、お父さんは僕の事情を知ってるでしょ?」
「相手の声で感情が何となく分かる力のことか?凛花さんは気にしなさそうだぞ?」
「この力が発現してから僕には新しく友達が出来なくなった。昔から知っている人じゃないとその力に気づいた瞬間去っていく。それに、あの公園でのことをまだ覚えているから」
「そうか」
実は僚太は以前精神科に通っていた時期がある。それは突然発現した相手の声で感情を感じることが出来る力をみた関係の浅い人間は彼と距離をとるようになった。
それがきっかけとなり彼は新たに友達を作ることをしなくなった。
元々人見知りというのもあったが。
一時期は暗くなっていたがある出来事をきっかけに立ち直っているため今がある。
まだ完全には治ってないが精神科には通っていない。
それは通常の生活を心がけているからである。精神科の先生に提案された方法で家族もいつも通りを心がけている。その先生には家族から様子の報告が届く仕組みになっている。
気まずくなった空気を解決してくれたのは0時という時間になったことだった。
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