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ふくぶちょーくんとくらすめいとちゃん
くらすめいとちゃんはなきそうである
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並み居る男子高校生の股間をそふとたっち……するようなことはせず、私は彼を追いかけたのだが中々追い付けない。
やっと追い付けたと思ったらもうすぐそこが改札。
顔を上げれば高い背丈とテンパ気味の長髪が目に入る。
緊張はするが、ここで声を掛けないなんて選択肢はない。
「……ねえ」
「……」
反応がない、おかしい。
私の予想だと二言目で新婚旅行の計画を立てていた筈だ。
「多々良くん?」
きゃっ、名前で呼んじゃった。
「……」
おかしい、息してるのか?
「あなた?」
きゃああああああ!はずかしい!
「……」
……
「多々良くん」
「……」
「ご主人様」
「……」
「先輩」
「……」
「貴方様」
「……」
「大統領」
「……」
「総統閣下」
「……」
「ジョニー」
「……」
「モーニング星男」
「……」
……
「ちょっと!
ねえ聞いてる!?」
「ふぇ?」
肩を叩いたらすぐに振り向いた。
イヤホン付けてたのか……
「さ、さっきはありがと……」
いざと話し掛けるとなると、やっぱり少し気恥ずかしい。
ついどもってしまったが大丈夫だろうか?
コミュ障の変な子だと思われてないだろうか……
彼の顔を伺うと、少し呆れているような印象を受けた。
恥ずかしい……
気分は少女漫画のヒロインである。
「あばばばばばば」
「へっ?」
な、なんだ?
私の王子様かららしからぬ台詞が……
戸惑いを隠しきれずにいると、北城はカチューシャで結われた髪を掻き上げてみせた。
「……どうした?いきなり話し掛けてきて」
「仕切り直されても……」
私の言葉を聞くと、彼は笑いかけてきた。
はっ!そうか、これは私の緊張を解す為に……?
なんて紳士なんだこの人は!
お嫁にいかなければ……
まあそういう話なら私が何か言うのも無粋。
本題に入ろう。
「だから、さっきはありがとって話……」
彼から返ってきた反応は、想像を絶するものだった。
「なんのこと言ってるか全然わかんねえなぁ」
そう言って去ろうとする北城に、私は一瞬呼吸を忘れてしまう
えっ、私とそんなに話したくないの?
やっと追い付けたと思ったらもうすぐそこが改札。
顔を上げれば高い背丈とテンパ気味の長髪が目に入る。
緊張はするが、ここで声を掛けないなんて選択肢はない。
「……ねえ」
「……」
反応がない、おかしい。
私の予想だと二言目で新婚旅行の計画を立てていた筈だ。
「多々良くん?」
きゃっ、名前で呼んじゃった。
「……」
おかしい、息してるのか?
「あなた?」
きゃああああああ!はずかしい!
「……」
……
「多々良くん」
「……」
「ご主人様」
「……」
「先輩」
「……」
「貴方様」
「……」
「大統領」
「……」
「総統閣下」
「……」
「ジョニー」
「……」
「モーニング星男」
「……」
……
「ちょっと!
ねえ聞いてる!?」
「ふぇ?」
肩を叩いたらすぐに振り向いた。
イヤホン付けてたのか……
「さ、さっきはありがと……」
いざと話し掛けるとなると、やっぱり少し気恥ずかしい。
ついどもってしまったが大丈夫だろうか?
コミュ障の変な子だと思われてないだろうか……
彼の顔を伺うと、少し呆れているような印象を受けた。
恥ずかしい……
気分は少女漫画のヒロインである。
「あばばばばばば」
「へっ?」
な、なんだ?
私の王子様かららしからぬ台詞が……
戸惑いを隠しきれずにいると、北城はカチューシャで結われた髪を掻き上げてみせた。
「……どうした?いきなり話し掛けてきて」
「仕切り直されても……」
私の言葉を聞くと、彼は笑いかけてきた。
はっ!そうか、これは私の緊張を解す為に……?
なんて紳士なんだこの人は!
お嫁にいかなければ……
まあそういう話なら私が何か言うのも無粋。
本題に入ろう。
「だから、さっきはありがとって話……」
彼から返ってきた反応は、想像を絶するものだった。
「なんのこと言ってるか全然わかんねえなぁ」
そう言って去ろうとする北城に、私は一瞬呼吸を忘れてしまう
えっ、私とそんなに話したくないの?
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