10 / 32
まんざいぶふくぶちょーのおさななじみ
まんざいぶふくぶちょーはそうだんをもちかけてみる
しおりを挟む
「どったの北城……?
寝不足?」
野菜ジュースを握り潰して啜るにゃんこ先輩は、心配そうに俺の顔を覗き込んだ。
休日は終わりを告げ、今日はササエさん症候群を乗りきった者達に立ちはだかる地獄の月曜日である。
と言っても今日ばかりは俺にとって月曜が天国だ。
天国と地獄で思い出したんだが小学生の頃プールの時地獄のシャワーってのがあったんだけど段々と季節が夏に近づくにつれて天国のシャワーって呼び名に変わってったんだよな。
不思議な話だ。
「ホントにどうしたんだよ北城……
天国と地獄で思い出したんだが小学生の頃プールの時地獄のシャワーってのがあったんだけど段々と季節が夏に近づくにつれて天国のシャワーって呼び名に変わってったんだよな。
とか言いたげな顔しちゃってさ」
彼女は野菜ジュースを置いて一息置いた後に言った。
「なんで一言一句違わずに当てられたんですか……」
因みに時刻は丁度12時回ったところ。
お互いに同クラスに友達が居ない為、昼休みは態々部室まで来て食っている。
女子と1対1で机を突き合わせて食う弁当なんていかにも青春って感じだ、素晴らしい。
喋る人がいない状況で四方八方リア充に囲まれながら飯を食うって言うのは案外辛いからな。
この状況を1年耐えたにゃんこ先輩は尊敬に値するだろう。
「にゃはは、ありがとな北城」
「さも当然のように心読まないで下さいよ、俺ホント疲れてるんですから」
「万年ぼっちで家に帰っても寝るしかやることのない北城がどうしたってそんなに疲れるんだ?」
「うっわ辛辣……
もう話す気失せました、寝ます」
「悪かったって、ほら話せよ。
お姉ちゃんが聞いてやるから」
「上機嫌っすね。
分かりましたよ」
俺はそこで一呼吸置いて真剣な表情で言い放つ。
「……幼馴染みがベランダの窓開けてて煩いんですよ」
なんだかんだ言ってにゃんこ先輩も女性。
正直包み隠さず話すのはどうかとも思ったが、にゃんこ先輩はアレなのでもうこの際気にしないことにして全て話してしまった。
土曜の朝禊に俺が文句言ってから窓開けっぱなしでヤりまくってることを、だ。
お陰で俺は寝不足、近所からの評判は……元より最悪だった。
これ以上下がりようがない。
「……わ、ワンダフルな幼馴染みちゃんだね」
にゃんこ先輩に引かれるということがどういうことなのか禊にもちゃんとわかってほしい。
「ほんとっすよ、ちっちゃいときはお兄ちゃんお兄ちゃん言ってついて回ってきたのにどうしてこうなったんすかねえ……」
俺はそう言って遠い日を思い出す。
将来はお兄ちゃんと結婚するとかねえ、ラノベかよ。
現実は残酷だなぁ。
「や、やけにおっさん臭いな北城。
そうだね、じゃあ……私の家泊まる?」
「へ?」
「冗談!
なにその童貞臭い反応」
別に俺が唖然としたのはそんな理由じゃない。
にゃんこ先輩が冗談を言う時とは思えない顔をしていたからだ。
というかあんな表情は見たことない。
気のせいだろうか……
まあどっちにしろ人の事情に首突っ込むのはあんま好きじゃない。
「なにいってるんですかにゃんこ先輩も処女ですよね。
俺匂いで経験済みかどうか判断できる程度の能力持ってるんですよ」
「童貞の持つ能力とは思えないよ……」
そう呆れ返る彼女にさっきの表情はもう伺えない。
とりあえず俺は今他人のこと気にしてる暇なんてないのだが……
寝不足?」
野菜ジュースを握り潰して啜るにゃんこ先輩は、心配そうに俺の顔を覗き込んだ。
休日は終わりを告げ、今日はササエさん症候群を乗りきった者達に立ちはだかる地獄の月曜日である。
と言っても今日ばかりは俺にとって月曜が天国だ。
天国と地獄で思い出したんだが小学生の頃プールの時地獄のシャワーってのがあったんだけど段々と季節が夏に近づくにつれて天国のシャワーって呼び名に変わってったんだよな。
不思議な話だ。
「ホントにどうしたんだよ北城……
天国と地獄で思い出したんだが小学生の頃プールの時地獄のシャワーってのがあったんだけど段々と季節が夏に近づくにつれて天国のシャワーって呼び名に変わってったんだよな。
とか言いたげな顔しちゃってさ」
彼女は野菜ジュースを置いて一息置いた後に言った。
「なんで一言一句違わずに当てられたんですか……」
因みに時刻は丁度12時回ったところ。
お互いに同クラスに友達が居ない為、昼休みは態々部室まで来て食っている。
女子と1対1で机を突き合わせて食う弁当なんていかにも青春って感じだ、素晴らしい。
喋る人がいない状況で四方八方リア充に囲まれながら飯を食うって言うのは案外辛いからな。
この状況を1年耐えたにゃんこ先輩は尊敬に値するだろう。
「にゃはは、ありがとな北城」
「さも当然のように心読まないで下さいよ、俺ホント疲れてるんですから」
「万年ぼっちで家に帰っても寝るしかやることのない北城がどうしたってそんなに疲れるんだ?」
「うっわ辛辣……
もう話す気失せました、寝ます」
「悪かったって、ほら話せよ。
お姉ちゃんが聞いてやるから」
「上機嫌っすね。
分かりましたよ」
俺はそこで一呼吸置いて真剣な表情で言い放つ。
「……幼馴染みがベランダの窓開けてて煩いんですよ」
なんだかんだ言ってにゃんこ先輩も女性。
正直包み隠さず話すのはどうかとも思ったが、にゃんこ先輩はアレなのでもうこの際気にしないことにして全て話してしまった。
土曜の朝禊に俺が文句言ってから窓開けっぱなしでヤりまくってることを、だ。
お陰で俺は寝不足、近所からの評判は……元より最悪だった。
これ以上下がりようがない。
「……わ、ワンダフルな幼馴染みちゃんだね」
にゃんこ先輩に引かれるということがどういうことなのか禊にもちゃんとわかってほしい。
「ほんとっすよ、ちっちゃいときはお兄ちゃんお兄ちゃん言ってついて回ってきたのにどうしてこうなったんすかねえ……」
俺はそう言って遠い日を思い出す。
将来はお兄ちゃんと結婚するとかねえ、ラノベかよ。
現実は残酷だなぁ。
「や、やけにおっさん臭いな北城。
そうだね、じゃあ……私の家泊まる?」
「へ?」
「冗談!
なにその童貞臭い反応」
別に俺が唖然としたのはそんな理由じゃない。
にゃんこ先輩が冗談を言う時とは思えない顔をしていたからだ。
というかあんな表情は見たことない。
気のせいだろうか……
まあどっちにしろ人の事情に首突っ込むのはあんま好きじゃない。
「なにいってるんですかにゃんこ先輩も処女ですよね。
俺匂いで経験済みかどうか判断できる程度の能力持ってるんですよ」
「童貞の持つ能力とは思えないよ……」
そう呆れ返る彼女にさっきの表情はもう伺えない。
とりあえず俺は今他人のこと気にしてる暇なんてないのだが……
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
萬倶楽部のお話(仮)
きよし
青春
ここは、奇妙なしきたりがある、とある高校。
それは、新入生の中からひとり、生徒会の庶務係を選ばなければならないというものであった。
そこに、春から通うことになるさる新入生は、ひょんなことからそのひとりに選ばれてしまった。
そして、少年の学園生活が、淡々と始まる。はずであった、のだが……。
お隣さん家にいる高2男子が家の中で熱唱してて、ウチまで聞こえてるのはヒミツにしておきます。
汐空綾葉
青春
両親の仕事の都合で引っ越してきた伊里瀬佳奈です。お隣さん家には、同級生の男子が住んでるみたい。仲良くなれてきたけれど、気が向いたら歌い出すみたいでウチまで聞こえてきてるのはヒミツにしておきます。
朝起きたらイケメンだったはずの俺がブサイクになっていた
綾瀬川
青春
俺は西園寺隼人。15歳で明日から高校生になる予定だ。
俺は、イケメンでお金持ち、男女問わず友達もたくさん、高校生で美人な彼女までいた。
いたというのが過去形なのは、今日起きたら貧乏な家でブサイクになっていたからだ。
ーーなんだ。この体……!?
だらしなく腹が出ていて汚いトランクス履いている。
パジャマは身につけていないのか!?
昨晩シルクのパジャマを身に纏って寝たはずなのに……。
しかも全身毛むくじゃらである。
これは俺なのか?
どうか悪い夢であってくれ。
枕元のスマホを手に取り、
インカメで自分の顔を確認してみる。
それが、新しい俺との出会いの始まりだった。
「……は?」
スマホを見ると、超絶不細工な男がこちらを見ている。
これは俺なのか?夢なのか?
漫画でお馴染みの自分の頬を思い切りつねってみる。
「痛っっっ!!!」
痛みはばっちり感じた。
どうやらいまのところ夢ではなさそうだ。
そうして、俺は重い体をフラフラさせながら、一歩を踏み出して行った。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ただの黒歴史
鹿又杏奈\( ᐛ )/
青春
青春ジャンルではありますが、書き手の青春的な意味で高校時代に書いたポエムとかお話とかそういったものを成仏させようかと思ってます。
授業中に書いてたヤツなので紙媒体から打ち込むのに時間がかかるとは思いますが、暇であったら覗いて見て下さい。
偶に現在のも混ぜときます笑
女子高生が、納屋から発掘したR32に乗る話
エクシモ爺
青春
高校3年生になった舞華は、念願の免許を取って車通学の許可も取得するが、母から一言「車は、お兄ちゃんが置いていったやつ使いなさい」と言われて愕然とする。
納屋の奥で埃を被っていた、レッドパールのR32型スカイラインGTS-tタイプMと、クルマ知識まったくゼロの舞華が織りなすハートフル(?)なカーライフストーリー。
・エアフロってどんなお風呂?
・本に書いてある方法じゃ、プラグ交換できないんですけどー。
・このHICASってランプなに~? マジクソハンドル重いんですけどー。
など、R32あるあるによって、ずぶの素人が、悪い道へと染められるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる