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魔法のパンツ
しおりを挟む長崎かすみは考えていた。
私こんなパンツ持ってたっけ?と。
だが彼女は一人暮らしで、普段コインランドリーなどを利用している訳でも無いため、家族や他人の下着がタンスに紛れ込むことは考えにくい。というか紛れ込んでいたとしたら誰かが故意に入れたとしか考えられない。
しかし故意に別人のパンツをかすみのタンスに紛れさせるような人間がいる訳がないので、彼女はこれ以上考えることをやめた。
彼女が発見したパンツーーー水色と白のストライプに金色の小さいリボンがついているーーーは、そのまま本日の着替えと決定し、脱衣所のカゴにパジャマとともに投げ込まれる。
明日は休みだ。一日ノーブラでいいだろう、家から出ないし。そんなとりとめのないことを考えながら、かすみはお風呂場へ入っていった。
✳︎✳︎✳︎
「あー、いいお湯だったー!」
さっと体を拭いてパンツを履く。
バスタオルはひとまず頭に巻きつけて……と、いつも通りの行動を反復しようとしたかすみの下半身に違和感が走る。
更に驚くことにむずむずと蠢き出したと思ったら、急に強い光を放って、爆発したように光が弾けて……忽然と消えたのだ、ーーーパンツが。
強い光に驚いたかすみの頭から、バスタオルがばさりと床に落ちる。思わずそれを拾おうとしたかすみの手は、見たことのない大きな白い手に捕まえられた。
「………は、」
誰…?
次々と襲いかかる謎の出来事に頭が追いつかず、思うように言葉を出せない。そして動揺しきった彼女が見上げた先には、真っ白な肌に透き通った水色の瞳、そして透き通るようなホワイトブロンドの美青年が立っていたのであった。
「……!?き、キャーーーーーーッッ!!!」
「おっと、危ない」
驚きで仰け反った彼女は足をもつれさせ、転びそうになる。それを咄嗟に引っ張り抱きとめた美青年は、セクシーなバリトンボイスを発しながら、腕の中のかすみを見下ろす。
な、なんて逞しいの…。
彼の腕に抱かれながら、かすみはそう思わずにいられなかった。
美青年の体は真っ白ながらしっかりと腹筋が割れており、それぞれの筋肉が盛り上がっている。その盛り上がりもボディビルダーのような過度な大きさでなく、海外のアクションドラマや映画に出てくる人気俳優ような美しさなのだ。
そして顔は、適度に切れ長な瞳にすっとした鼻、くっきりとした二重にきりっとした眉と、これまた人気俳優ーーというより王子様然とした甘いマスクである。
しかも完全に見るからにヨーロッパ系の顔立ち。
普段海外のドラマや映画ばかり見て、妙齢の俳優にキャーキャー言っているかすみが、こんな逸材を目の前にして胸が高鳴らない訳がなかった。
思わずうっとりと見上げてから、はたと気づく。
ーーーーー美青年は全裸であった。
そしてかすみも絶賛全裸中である。
「い…っ、いやああ変態ーーー!!」
「え、どこ?」
「いやお前だよ!」
きょとんとした美青年に思わずツッコミを入れるかすみ。そんな彼女に爽やかな笑みをたたえながら、美青年は腕に力を込めてかすみを抱きしめる。
「お前じゃなくて、ウィリアムだよ。僕の運命の人……」
「変態な上に電波だったいやああああ!!誰か助けてえええ!!」
暴れるかすみをなんなく抑え込み、ウィリアムは彼女の首筋に口付けを落とす。
ちゅ、ちゅ、と音を立てて啄ばまれ、かすみの背筋にぞくりとした快感が走った。
ごく自然に乳房を揉みあげられ、先端の蕾を引っかかれる。何度もカリカリと引っかかれているうちに、かすみの蕾はぷっくりと存在を主張しだした。
指の腹で押しつぶすように撫でられたり、爪先で軽く引っ掻くように弄られたり、巧みな指技にいやらしい声を我慢できない。
その内に片方の蕾を唇で挟まれ、甘噛みしたり舐めたり吸ったり、さらにいやらしく弄ばれ始める。
胸を苛められる感覚に溺れていると、いつの間にか降っていた彼の手が、少し開いているかすみの太ももの隙間から、すでに濡れきっている秘部に触れた。
「ひゃぁあんっ」
「すっごい……びちょびちょだ……」
「あ……あ……っ」
「入口を擦っただけで、いやらしい音がしちゃうね……。このまま中もクチュクチュしてあげる」
ぬるりと長い指がかすみの蜜部に入り、探るように出し入れされる。そしてある一点を指先が掠めたときに、ひっ!と彼女が甲高い悲鳴を上げる。
ウィリアムは一旦膝立ちになると、かすみの蕾に吸い付き舌で転がしながら、2本に増やした指でどろどろの秘部へ激しい出し入れを始めた。
先ほど見つけた彼女の良いところを、徹底的に擦り上げて掻き回す。
「ああぁぁーーーっ…!だめぇえーーーっ…!」
「いいよイって…ほら、思いっきりイクんだ…っ!」
「ああぁぁーーーっ!!…っイクっ……!!」
びくびくんっ!!
かすみは激しい指の出し入れに耐え切れず、体を震わせて思いきり絶頂に達した。
全身の力が抜けて倒れこみそうになる彼女を再び抱きとめ、ウィリアムはねっとりと唇を合わせる。
ちゅくちゅくと口内を愛撫しながら、かすみの体を逞しい腕で抱き上げる。所謂お姫様抱っこで抱き上げられたかすみは、急展開についていけないぼーっとした思考のまま、思わずウィリアムをうっとり見上げてしまう。
彼は何故か淀みない足取りでベッドルームに向かうと、かすみをベッドに優しく横たえた。
柔らかい手つきでふくらはぎから太ももを撫で上げながら、かすみの顔中にキスの雨を降らせる。
「名前を教えて……かわいい人……」
「か…かすみ……」
「あぁ…かすみ、かわいいよかすみ……!」
じりじりとかすみに擦り寄っていたウィリアムは、息を荒げながら再び熱い口付けを始める。あまりの快感に溶けきった思考で、かすみは必死に彼の口付けに応えている。
いつの間にか大きく開かれた彼女の足の間に体を割り込ませ、ウィリアムは勢いよく陰経を突き入れた。
ぐずぐずにほぐれていた蜜部はなんなく剛直を呑み込み、先ほどより強い快感を与えられた内壁は、喜びに震えている。
彼女の両足を逞しい肩に乗せ、しっかりと細い腰を掴んだウィリアムは猛然と腰を振り出した。
硬く長い陰経が長いストロークで出し入れされる度、尿意に似た強い刺激が下半身に襲いかかる。筋肉に覆われた硬い彼の腰が彼女の尻にぶつかる度に、パン!パン!と弾けるような音が鳴る。
段々とスピードを増していくピストンは、その内パパパパパ……ッと痙攣するような速さになり、あまりの快感にかすみの頭は真っ白になった。
「あああああぁぁーー……っ!!」
「ふっ!ふっ!ふっ!っく…ぅ……っ!!」
両足を大きく開いたまま絶頂に達したかすみの後を追うように、ウィリアムはぐんっ!とこれ以上ない程腰を押し付ける。そして熱い白濁を勢いよく噴出する。
思いきり中出しされたことに抗議の声を上げる間もなく、陰経を引き抜き体を反転させられたかすみは、今度はお尻を突き出すような格好になった。
両腕をシーツに突き出して後ろを振り返ると、間もなくズプッ…と陰経を差し込んだウィリアムが激しく腰を動かし始める。先ほどとはまた違う場所に逞しい剛直の先端が当たり、体が崩れ落ちないよう必死に両腕を突っ張る。
強い快感に涙を滲ませながら、顔の向きを前方に戻して、かすみは激しい責め苦に耐えた。
気持ちよすぎておかしくなるっ…!!
塞がらない口から叫ぶような嬌声を上げながら、彼女は気持ちいい…っということ以外考えられない。
初めから痙攣するような速さで気持ちいい場所ばかりを突き上げられ、かすみは何かに押し上げられるように絶頂に達した。その間も小刻みな突きは止まず、ついに彼女の上半身はシーツに崩れ落ちる。
「ああああぁぁぁ!!もっ……もお許してえぇ…っ」
「くっ…あ…!かすみ…!愛してるよ…っ、もっともっとイかせまくってあげるからねっ…!」
「またイっちゃ……イっちゃうぅ!!」
立て続けの絶頂に体の震えは止まらず、人生で初めての強すぎる快感の中ーーーかすみは頭を真っ白にさせたーーー。
✳︎✳︎✳︎✳︎
ウィリアム曰く、彼は正真正銘の王子様だという。
10歳を過ぎた頃から女遊びに興じていた彼は、20歳を超える頃にはすでに女性に執着心が持てなくなっていた。かといってセックスが嫌いな訳でもないので、誘われれば迷わず乗った。
ある日黒髪の美しい女に誘われ、森の中で一時の情事に興じた後、彼はその女に結婚を求められる。
その女にも愛情など全く感じなかったウィリアムは、結婚するつもりはない、他の女性に対してもそうだが、欲望は感じても愛情は感じない。というようなことを黒髪の女に淡々と説明した。すると激昂した女は、驚く彼を睨みつけてこう叫びつけた。
女の敵であるお前など人として生きている価値がない!永遠に女の下着となり、欲望を感じても自分からは触れられぬ苦しみに喘ぐが良い!
しかしお前が唯一心より愛することができる、運命の女と出会うことができれば、戒めは解け心からの幸せが訪れるだろう、と………ーーー
「ふぅーん、ソウナンダー」
「うわあ棒読みー」
ウィリアムと向かい合って座っているかすみは、半目でじとりと彼を睨みつける。
そんな話信じられる訳ないやんけ、という気持ちと、よしんば本当だったとしてこいつやりちんやんけ、という憤りからくるこの顔である。
「君を一目見た瞬間に僕は心を奪われたんだ。こんな感覚は初めてだ……運命としか思えない」
「ふぅん…」
「それに魔法が解けたということが、僕達が永遠に結ばれる運命である何よりの証拠さ」
「そうかなぁ……」
「かすみ……」
どこまで本気なのかわからない、へらへらとしたこの男に何度もときめいてしまった自分に苛立ちを覚え、そっぽを向くかすみ。そんな彼女の頬を両手で包み込み、ウィリアムは彼女の鼻の頭に優しい口付けを落とす。
愛してる、もう僕は君だけのものなんだ…と、慈しむような瞳で見つめられながら熱っぽく囁かれ、かすみは観念したように両目を閉じ溜息をついた。
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