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「…………………を……………さがして…………」

ぴちょんと水滴が落ちる音がした。

水の中にいるような足元には波紋が広がっていく………

そんなイメージが広がっては消えていく


ボソボソと人の話し声が聞こえてくる。

「ん…………」


ぴくりと動く瞼と手のひら
うっすらと瞳を開けて、目が慣れた時視線だけを見渡せば
どこかの部屋にいるようだった。


冷たい床の感触に、模様がある壁紙に洋服がハンガーに吊るされている。


少しだけ扉が開いている先に細い光が差し込んでいた。

やがて身体をゆっくりと起こすと、自分の状況を確認する。

良かった…手足は縛られてない

手のひらをグーパーと開きながら、さっきの出来事を思い返してみる。


自分の手を床に置いた時、金木犀の花びらが一緒に着いてきたのを手に取る。



そう言えばあの声はなんだったんだろう
気のせいだったのかしら
それにここは何処?


すると、扉が開いて中の光がこちらまで伸びてくる。


「あらー起きたのね?ちょっと待ってね
アルー」

こちらに顔をヒョイと覗かせて、女性がアルと言う誰かを呼んでいた。

扉が開かれた事で、一気に視界が明るくなった

「起きたのか」

アルと呼ばれた男性がやってきて、私を確認すると
女性に目配せをしていた。


「私、アゲハと言うのそこ冷たいでしょう?
こちらにいらっしゃいな」

ニコッと笑う女性は、手を差し出す。

私はなんとか自分の足で立つ。
少しよろけてしまっていたけど、ここでこうしている訳にもいかない。

まずは情報よね。とぐっと手を握る。


アゲハと言う女性の後をついて行くと、応接間と言う部屋にピッタリな言葉の部屋の中にいた。

ただ、広さが桁違いだしとてもシンプルな部屋だった。



「こちらに座ってね」とアゲハさんがニコッと笑顔で案内をしてくれる。

私が座ると目の前の男性が話しをする。

「ようこそ、異世界人
そして私が召喚者のアルカイドだ」

目の前の男性がそう自己紹介すると、隣に座っている女性

「私はアゲハよ
アルのパートナーです」と明るく自己紹介してくれた。


「私は、紗来葵です宜しくお願いします」

私もすかさずスッと頭を下げて反射神経で挨拶していた。

って名乗っちゃったよー!わーーーん!泣

改めて見ると、アルカイドと名乗っていた男性は
藍色の髪に藍色の瞳が印象的で中性的なビジュアルをしていた。
一方でアゲハと名乗る女性は、金髪にふわふわのヘアーでいて紫色の瞳をしていて、目のやり場に困るほどたわわな部分とドレスの布の部分の少なさが原因の
露出度なのにいやらしさは全くない。

それは私の琴線に触れているからだろうけど

首と腰のビジューのアクセがキラキラと輝いているから?
多分。
そう言う事にしとこう。

「まず、いきなりですまないが」

「はい」

「君を召喚したのは他でもない、人探しをして欲しいからだ」

「はい?」

でも、それって………

「君の世界とこちらの世界の人探しの基準が違うんだ」

「はぁ……」

とりあえず話しは最後までちゃんと聞こう。

私は姿勢を正した。

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