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賢者現る
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ギルドマスターヒバナside
「ふう....」
ナタリー嬢からの「最終試験は後日」と言う言葉でお開きになった帰り道。
「力が欲しいかい?」
後ろに誰かいた。
素早く距離を取り、構える。
「ちょ、ちょっと待ってくれよボク怪しい者じゃないって!」
焦って、手をぶんぶん振り回す目の前の男。
「その言葉を信じるほど、愚かじゃない」
俺がそう答えると、後ろから女もゆっくりとこちらに向かって歩いてきた。
見る限り
黒いローブを着ているのが男で、白いローブを着ているのが女だな。
どちらにも縁取りに金色が使われていた。
女が登場したところで、戒を緩めたりしない。
「ほらね、明らかに疑ってるじゃない
まずは自己紹介から、でしょ?
全くこちらの世界でも自分の名前を言うのは常識でしょ」
呆れた様子の女と、怒られて頭をポリポリとかく男。
「はじめまして!私フローネ国の聖女のセイラって言います
公式の訪問の場ではないので、堅苦しい挨拶は抜きでよろしくお願いします♪」と目の前の女は笑ってカーテシーをする。
「あー、自分も隣国の賢者をやっとります
カイトです。よろしくっス」
「……………!」
セイラ様がカイト様の頭をロッドでボカっと殴る
ほほほと笑って誤魔化していた。
「失礼しました、ギルドマスターのヒバナと申します。」
二人の身分と名前を聞いて、少し警戒を解きギルドマスターとしての礼を尽くす。
「して、セイラ様とカイト様護衛も付けず自分に何か用ですか?」
「そんな怖い顔せんとってなー」
ウフ、とおちゃらけた後セイラ様がまたカイト様の頭をボカっと殴る
そんなにぼかすか殴っていいのだろうかと
違う心配をしそうになるが
「イヤ、何
ちょっとしたボクからのプレゼントを渡したろって思ったからこうして君の前に来たんやけど♪」
「プレゼントですか....?貰うようなことは何もしてませんが」
「気持ちや、気持ちの問題
ボクがキューピッド役をやってやろうと思っとったやん」
ますます怪しい。
確かに隣国の賢者のカイト様は、聞いたことない訛りがある言葉を喋り
隣のセイラ様も、今のところは何も怪しいところは見たらないが
隣国フローネでの黒いローブと白いローブは、上級術者のみ与えられる物で
両方に金色の縁取り模様が描かれていることからも情報と一致する。
それを着用する事を許される実力者。
一体何が目的だ?
「ふう....」
ナタリー嬢からの「最終試験は後日」と言う言葉でお開きになった帰り道。
「力が欲しいかい?」
後ろに誰かいた。
素早く距離を取り、構える。
「ちょ、ちょっと待ってくれよボク怪しい者じゃないって!」
焦って、手をぶんぶん振り回す目の前の男。
「その言葉を信じるほど、愚かじゃない」
俺がそう答えると、後ろから女もゆっくりとこちらに向かって歩いてきた。
見る限り
黒いローブを着ているのが男で、白いローブを着ているのが女だな。
どちらにも縁取りに金色が使われていた。
女が登場したところで、戒を緩めたりしない。
「ほらね、明らかに疑ってるじゃない
まずは自己紹介から、でしょ?
全くこちらの世界でも自分の名前を言うのは常識でしょ」
呆れた様子の女と、怒られて頭をポリポリとかく男。
「はじめまして!私フローネ国の聖女のセイラって言います
公式の訪問の場ではないので、堅苦しい挨拶は抜きでよろしくお願いします♪」と目の前の女は笑ってカーテシーをする。
「あー、自分も隣国の賢者をやっとります
カイトです。よろしくっス」
「……………!」
セイラ様がカイト様の頭をロッドでボカっと殴る
ほほほと笑って誤魔化していた。
「失礼しました、ギルドマスターのヒバナと申します。」
二人の身分と名前を聞いて、少し警戒を解きギルドマスターとしての礼を尽くす。
「して、セイラ様とカイト様護衛も付けず自分に何か用ですか?」
「そんな怖い顔せんとってなー」
ウフ、とおちゃらけた後セイラ様がまたカイト様の頭をボカっと殴る
そんなにぼかすか殴っていいのだろうかと
違う心配をしそうになるが
「イヤ、何
ちょっとしたボクからのプレゼントを渡したろって思ったからこうして君の前に来たんやけど♪」
「プレゼントですか....?貰うようなことは何もしてませんが」
「気持ちや、気持ちの問題
ボクがキューピッド役をやってやろうと思っとったやん」
ますます怪しい。
確かに隣国の賢者のカイト様は、聞いたことない訛りがある言葉を喋り
隣のセイラ様も、今のところは何も怪しいところは見たらないが
隣国フローネでの黒いローブと白いローブは、上級術者のみ与えられる物で
両方に金色の縁取り模様が描かれていることからも情報と一致する。
それを着用する事を許される実力者。
一体何が目的だ?
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