覇気ある公爵令嬢は愛を叫ぶ

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侍女メアリーの思考

本当はこの時間が永遠に続けばと願わずにはいられない。

私はお嬢様が本を読んでいる真剣な顔も好きだ。

私はずっと
ナタリーお嬢様の幼少期からお仕えしてきた
お嬢様専属の侍女をしているのだ


私から見たら、恋愛に憧れている純粋なお嬢様。

ある時、クロレッチ家の領土に東洋から流れついたと思われる本をきっかけに恋愛に憧れてしまっていた。


家同士の政略結婚は、クロレッチ家とて例外はなく婚約者を決められる。

このユナイデットトルネード大国にて、クロレッチ家にも劣らない財力と権力を持っているのは皇太子のイーサン．カラレトリーのみ。
今は、そのどちらも条件が揃っている。

だが、クロレッチ家が唯一公約に掲げている
婚約者の条件
娘より力が強い者。である。

これは、奥様の代より以前も変わることはない。

だから、最有力候補はイーサン皇太子だったのだが欠点とすれば、幼少期の頃から身体が弱く、病弱で床に伏せっているとの噂だ。

事実、ナタリーお嬢様と今日まで一度もお逢いしてはいない。

形ばかりのバースデープレゼントを寄越すものの、一度とて、お嬢様のパートナーとしてダンスも踊ることもない。
貴族院には出席していたの事だが、
姿さえ現さない。
王太子の側近が出入りしていた事は知っているが
だから最有力候補だった、皇太子を差し置いてまでもお嬢様の夫となる者はこうして最終試験を太公から周知され
お嬢様自ら提案し受けることになる。

最終試験の内容は至って実にシンプル。
お嬢様を倒すこと。
勿論、時間無制限。
武器、防具も回復薬もなんでも持ち込んでいい。

その最終試験の前に前段階のテストをクリアしてからになるが

ただ、誰一人としてお嬢様に勝つ殿方は今まで現れてくれはしなかった。
それでも、こうして殿方が集まるのも無理はない。
美女で、家柄も良く、（クロレッチ家の後ろ楯もゲットできる）、皇族での后マナーを受けた品位ある淑女である、そして殿方が好む身体を持っているのならばこの上ないくらいパーフェクト！！！

夫となる殿方は、お嬢様のあの身体を好きにできるのだそりゃヨダレくらい出るのも仕方ない。

出来るものなら私が殿方になり娶りたいくらいだ。

それが出来ればと何度も思った

夫となる殿方の中で、あのお三方が残るのも実力の内。

ただ、お嬢様の唯一の欠点...
覇気を身につけてしまったこと。

覇気とは、例の東洋の本に描いてあった視線だけで相手を再起不能にしてしまう
または、魂の姿にしてしまう。というものである。
私もこの目で、自分で体験してしまうまでは信じられなかった。

そして私もお嬢様から新しい力を授けられた
暗躍部隊の技に似ている、多重影分身の術と言う。

それまではお嬢様が持つ幻惑の魔法の近くでしか発動条件が揃わなかった為に
悔しいと思っていた。




東洋の本にも私達のような部隊がいることからいつか、東洋に行き手合わせ願いたいものだ。

さて、私はお嬢様から指示された通り
木の上から様子を見させてもらった結果

お三方のうちどの方が勝ち進んでも
それは実力の内と言うもの。

アンドリュー殿は、試験には関係ないが
面白い結果になったなと思ったものだ

ただ、最終試験、誰かが勝っても文句は言えない。

ぐっと握り拳をするメアリーだった。