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お披露目パーティー
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あれからアネッタに「無茶しないからお願い」をして
「仕方ないですね」と作品を返してもらっていた。
夜近くになったらアネッタの無言の圧力があるけど、
せっせと作っていた。
そして、何よりリーデル様と話しができると
アネッタから告げられた。
「奏様、リーデル様より話し合いができるとお伺いました」
「分かったわ」
⭐︎
サロン内にて
「リーデル様、本日はお時間取っていただきありがとうございます」
「いいえ、どのような要件なのかしら?」
アネッタもアレックスも、リーデル様の護衛騎士も侍女も居ないこの空間に
私は宝珠と手鏡を取り出し
「リーデル様、少しの間ご無礼をお詫びします
こちらのほうが安心するので」
「月藜龍様、お願いします」
「あい、分かった」
私とリーデル様だけの距離分だけの、盗聴防止をかけてもらった。
ふわっと薄い膜を張ったのだと認知させる。
「リーデル様、今日この場で話す内容は私ひとりじゃ抱えきれなかったので
それにこの方をお呼びするのに、こちらのほうでと頼まれたので失礼します」
「ええ……」
リーデル様の目が大きく見開いて何度も瞬いている。
「……………久しいな、リーデル」
「………………!!!オースティン様!!」
「生きてらしたのですか……………」
リーデル様の、困惑、驚きといった表情がくるくると変化をする。
「リーデル、すまない個人の話は後にして
まずはこの子達の話を聞いてくれないか」
「はい、オースティン様」
胸に手をやっていたリーデル様の顔つきは少しだけ、引き締まる。
「失礼する、リーデル殿
私は、レベッカ.ホフマン
こちらは私の弟のアーノルドだ」
「ご、ご紹介に預かりましたアーノルド.ホフマンです
よろしくお願いします」
ニコッと笑うアーノルドの微笑みが胸に刺さる。
「あの?ホフマン伯爵家は取り壊してと聞いておりますが、……」
「便宜上そう名乗っているだけで、このホフマン伯爵とは血の繋がりはない
生前の伯爵とは縁がありよしなにしてもらっていた
それにオースティンと貴女は縁があるのだろう?
それだけでこちらの要件はある程度察せるだろうが
それに其方の前にいる奏様は、月姫の血縁関係にあたる方だ。」
「……………!!!」
私を見るリーデル様の顔が、驚愕に変わる。
私は困惑顔のまま頷く。
「で、では奏様のご両親は月姫の血縁と繋がりがある方?」
そうこの話
「母曰く、私の母方の五摂家、条家の御当主様は当時戦火の中姫に出逢い命を救われた時の事を未だに孫までに語り継げとずっと耳にタコができるくらい聞かされていたようで
そのおかげ(?)か、その話題に触れてこなくてずっと忘れていたようなのです
だから私もレベッカ様と逢って話しを聞くまで知りませんでした」
だから説明もサラッとしたものだったんだと納得してしまった。
そりゃ、そうよねぇ
小さい頃からずっと聞かされてたんじゃウンザリもするわ。と私でさえそう思うもの。
私の話を聞いたリーデル様も「あー」と納得いく顔をした。
「では、奏様以外他のどなたももう残っていないと?」
「ああ」
レベッカのキッパリとした物の言い方に、リーデル様も
納得しているようだった。
「それで我々の使命は、奏様のお世話をする事だ
できれば、我々のお屋敷までお越しいただきたい」
「それは、難しい相談ですわね
新しい侍女としてお迎えすることは可能ですが
今は、試験の最中ですし平等差に欠けます」
「なら、自由に出入りを許可させていただく
我々の使命の邪魔もしない限り、其方達に危害を加えたりしないただし仕えるのは我々の主は奏様のみ。」
「分かりました、そのように周知致します」
「感謝する」
「では、奏様後ほど」
「ええ」
レベッカとアーノルドが消えた後
「リーデル様、勝手を許してください」
そう向き直る。
「ちょっとびっくりしたけれど、レベッカ様とアーノルド様は月藜龍様の子孫で間違いないかしら?」
「はい、正しくはシエラ様とのハーフと伺っています」
「まあ…………!」
その名前を聞いた時のリーデル様の顔は
歓喜雀躍といった様子を見せていた。
「仕方ないですね」と作品を返してもらっていた。
夜近くになったらアネッタの無言の圧力があるけど、
せっせと作っていた。
そして、何よりリーデル様と話しができると
アネッタから告げられた。
「奏様、リーデル様より話し合いができるとお伺いました」
「分かったわ」
⭐︎
サロン内にて
「リーデル様、本日はお時間取っていただきありがとうございます」
「いいえ、どのような要件なのかしら?」
アネッタもアレックスも、リーデル様の護衛騎士も侍女も居ないこの空間に
私は宝珠と手鏡を取り出し
「リーデル様、少しの間ご無礼をお詫びします
こちらのほうが安心するので」
「月藜龍様、お願いします」
「あい、分かった」
私とリーデル様だけの距離分だけの、盗聴防止をかけてもらった。
ふわっと薄い膜を張ったのだと認知させる。
「リーデル様、今日この場で話す内容は私ひとりじゃ抱えきれなかったので
それにこの方をお呼びするのに、こちらのほうでと頼まれたので失礼します」
「ええ……」
リーデル様の目が大きく見開いて何度も瞬いている。
「……………久しいな、リーデル」
「………………!!!オースティン様!!」
「生きてらしたのですか……………」
リーデル様の、困惑、驚きといった表情がくるくると変化をする。
「リーデル、すまない個人の話は後にして
まずはこの子達の話を聞いてくれないか」
「はい、オースティン様」
胸に手をやっていたリーデル様の顔つきは少しだけ、引き締まる。
「失礼する、リーデル殿
私は、レベッカ.ホフマン
こちらは私の弟のアーノルドだ」
「ご、ご紹介に預かりましたアーノルド.ホフマンです
よろしくお願いします」
ニコッと笑うアーノルドの微笑みが胸に刺さる。
「あの?ホフマン伯爵家は取り壊してと聞いておりますが、……」
「便宜上そう名乗っているだけで、このホフマン伯爵とは血の繋がりはない
生前の伯爵とは縁がありよしなにしてもらっていた
それにオースティンと貴女は縁があるのだろう?
それだけでこちらの要件はある程度察せるだろうが
それに其方の前にいる奏様は、月姫の血縁関係にあたる方だ。」
「……………!!!」
私を見るリーデル様の顔が、驚愕に変わる。
私は困惑顔のまま頷く。
「で、では奏様のご両親は月姫の血縁と繋がりがある方?」
そうこの話
「母曰く、私の母方の五摂家、条家の御当主様は当時戦火の中姫に出逢い命を救われた時の事を未だに孫までに語り継げとずっと耳にタコができるくらい聞かされていたようで
そのおかげ(?)か、その話題に触れてこなくてずっと忘れていたようなのです
だから私もレベッカ様と逢って話しを聞くまで知りませんでした」
だから説明もサラッとしたものだったんだと納得してしまった。
そりゃ、そうよねぇ
小さい頃からずっと聞かされてたんじゃウンザリもするわ。と私でさえそう思うもの。
私の話を聞いたリーデル様も「あー」と納得いく顔をした。
「では、奏様以外他のどなたももう残っていないと?」
「ああ」
レベッカのキッパリとした物の言い方に、リーデル様も
納得しているようだった。
「それで我々の使命は、奏様のお世話をする事だ
できれば、我々のお屋敷までお越しいただきたい」
「それは、難しい相談ですわね
新しい侍女としてお迎えすることは可能ですが
今は、試験の最中ですし平等差に欠けます」
「なら、自由に出入りを許可させていただく
我々の使命の邪魔もしない限り、其方達に危害を加えたりしないただし仕えるのは我々の主は奏様のみ。」
「分かりました、そのように周知致します」
「感謝する」
「では、奏様後ほど」
「ええ」
レベッカとアーノルドが消えた後
「リーデル様、勝手を許してください」
そう向き直る。
「ちょっとびっくりしたけれど、レベッカ様とアーノルド様は月藜龍様の子孫で間違いないかしら?」
「はい、正しくはシエラ様とのハーフと伺っています」
「まあ…………!」
その名前を聞いた時のリーデル様の顔は
歓喜雀躍といった様子を見せていた。
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