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逆襲の後始末
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竜騎士の姿が見えなくなって、アレックスも剣を鞘に納める。
そしてまた私の近くに控えていた。
アネッタは今にも泣きそうだったが、ぐっと耐えている様子を見せていた。
アルベルト団長が「やれやれ」と息を吐いた。
ヤグーワイズさんが、マリーさんを支えて無事を確かめている。
マリーさんは卵も無事だと言う仕草をする。
薙ぎ倒されていた竜騎士数十人と他の竜騎士達は
お互いのケガを確認し合い、椅子も片付けていた。
殿下が私の近くに来る時に、皆自然と道を開けて私達に注目する。
「大事ないか?奏嬢………怖かっただろう…」ひどく心配そうな声色とウィスタリア色の瞳が揺れている。
「ええ、大丈夫です殿下こそ大丈夫ですか?お怪我は?」
「私は大丈夫だ」
ぐっと何かに耐えている様子の殿下。
すると、ふぅーーーーーと長い深い息を吐いたら
私の肩を抱き寄せて、殿下と至近距離になった。
「もうすこしだけ辛抱してくれるか?」と私に気を使ってくれている。
私の髪を撫でながら
肩を抱き寄せる殿下の腕の温もりに私はほっとしていた。
「はい、構いませんわ、竜の治療ですね」と私は殿下に同意を示すと
「あぁ…悪いな…面倒をかける」と小声で私に囁く。
「殿下にお怪我がなくて良かったですわ」と私の手は自然と殿下の髪を撫でていると
「お2人さーん、少し良いかな?」とアルベルト団長の戯けた口調の声が聞こえてきた。
ハッと意識が戻ると殿下は「チッ」と小さく舌打ちして
私からそっと離れて、アルベルト団長のほうに行く。
周りを見て居なかったからか、私が自分の顔がどんな風に周りから見えていてどんな風に映っているなんてこの時は知らなかった。
殿下とアルベルト団長、それからヤグーワイズさんが話をしていて、話がまとまったのか私に向き直る。
私が頷くと
それからヤグーワイズさんが「こちらに注目」と声を出すと、
竜騎士達は殿下のほうに全員向き直る。
すると、殿下が口を開く「私達はこれからあの者の竜の元に行く
それからこの場にいる者の中にケガをした者達は、救護室に行って治療を受けてこい。
治療を受ける者達もそうでもない者達も、片付けが終わった後はもう解散して良い
今後の処遇については、後日何らかの沙汰を出すことになるだろう
それまで各自、成すすべきことをしろ
私からは以上だ」
次にアルベルト団長から
「あー、まぁ自由にとまではいかないけどさ
各自竜の世話があるわけだし、ただ行動は制限されるから沙汰があるまでは大人しくしていれば何も問題はないよ~」と
ヘラヘラと軽薄な態度で言う。
それからヤグーワイズさんが
「ここの責任者として竜騎士の気持ちにもう少し気を配るべきだと反省した申し訳ない。
殿下もアルベルト団長にも、
竜騎士のあのような態度や勉強不足があったのは、言い訳しようもありません!
それから櫻井様に怖い思いさせて申し訳ない!
心からお詫び申し上げます!」
ヤグーワイズさんから深く深く頭を下げられた。
殿下から「ヤグーワイズよ、全てが其方の責任ではない
それに宝珠の事を知らなかった勉強不足だったのは、竜騎士の己達の怠慢が招いた事が原因だ
このアルベルト団長さえ、知っている事だったからな、
それに奏嬢の事も、一般人とはいえ私の花嫁候補に上がる人物だと言う事も認識が薄かったからあのような態度になったのだ、違うか?」
「はい、仰る通りです」
「それについては個人の思考もあるだろう、多くは咎めるつもりはない
だが今後は、粗末に扱えば私だけでなく
月藜龍様の機嫌も損なうと改めて心得ておけ」
その言葉に、ヤグーワイズさんだけでなく竜騎士のほとんどの人が反省したようだった。
「はい、承知致しました」
「もう頭を上げて良い」
殿下から言葉が終わると、ヤグーワイズさんは頭をあげた。
「奏嬢は何かあるか?遠慮なく言っていい」
へ?私?
いきなり殿下の言葉に私は目をぱちくりする。
見渡すと、私の言葉を聞かないと竜騎士達の帰れない雰囲気を出していた。
竜騎士達だけでなく、アルベルト団長だけが
ニヤニヤと顎に手をやって笑っている。
そしてまた私の近くに控えていた。
アネッタは今にも泣きそうだったが、ぐっと耐えている様子を見せていた。
アルベルト団長が「やれやれ」と息を吐いた。
ヤグーワイズさんが、マリーさんを支えて無事を確かめている。
マリーさんは卵も無事だと言う仕草をする。
薙ぎ倒されていた竜騎士数十人と他の竜騎士達は
お互いのケガを確認し合い、椅子も片付けていた。
殿下が私の近くに来る時に、皆自然と道を開けて私達に注目する。
「大事ないか?奏嬢………怖かっただろう…」ひどく心配そうな声色とウィスタリア色の瞳が揺れている。
「ええ、大丈夫です殿下こそ大丈夫ですか?お怪我は?」
「私は大丈夫だ」
ぐっと何かに耐えている様子の殿下。
すると、ふぅーーーーーと長い深い息を吐いたら
私の肩を抱き寄せて、殿下と至近距離になった。
「もうすこしだけ辛抱してくれるか?」と私に気を使ってくれている。
私の髪を撫でながら
肩を抱き寄せる殿下の腕の温もりに私はほっとしていた。
「はい、構いませんわ、竜の治療ですね」と私は殿下に同意を示すと
「あぁ…悪いな…面倒をかける」と小声で私に囁く。
「殿下にお怪我がなくて良かったですわ」と私の手は自然と殿下の髪を撫でていると
「お2人さーん、少し良いかな?」とアルベルト団長の戯けた口調の声が聞こえてきた。
ハッと意識が戻ると殿下は「チッ」と小さく舌打ちして
私からそっと離れて、アルベルト団長のほうに行く。
周りを見て居なかったからか、私が自分の顔がどんな風に周りから見えていてどんな風に映っているなんてこの時は知らなかった。
殿下とアルベルト団長、それからヤグーワイズさんが話をしていて、話がまとまったのか私に向き直る。
私が頷くと
それからヤグーワイズさんが「こちらに注目」と声を出すと、
竜騎士達は殿下のほうに全員向き直る。
すると、殿下が口を開く「私達はこれからあの者の竜の元に行く
それからこの場にいる者の中にケガをした者達は、救護室に行って治療を受けてこい。
治療を受ける者達もそうでもない者達も、片付けが終わった後はもう解散して良い
今後の処遇については、後日何らかの沙汰を出すことになるだろう
それまで各自、成すすべきことをしろ
私からは以上だ」
次にアルベルト団長から
「あー、まぁ自由にとまではいかないけどさ
各自竜の世話があるわけだし、ただ行動は制限されるから沙汰があるまでは大人しくしていれば何も問題はないよ~」と
ヘラヘラと軽薄な態度で言う。
それからヤグーワイズさんが
「ここの責任者として竜騎士の気持ちにもう少し気を配るべきだと反省した申し訳ない。
殿下もアルベルト団長にも、
竜騎士のあのような態度や勉強不足があったのは、言い訳しようもありません!
それから櫻井様に怖い思いさせて申し訳ない!
心からお詫び申し上げます!」
ヤグーワイズさんから深く深く頭を下げられた。
殿下から「ヤグーワイズよ、全てが其方の責任ではない
それに宝珠の事を知らなかった勉強不足だったのは、竜騎士の己達の怠慢が招いた事が原因だ
このアルベルト団長さえ、知っている事だったからな、
それに奏嬢の事も、一般人とはいえ私の花嫁候補に上がる人物だと言う事も認識が薄かったからあのような態度になったのだ、違うか?」
「はい、仰る通りです」
「それについては個人の思考もあるだろう、多くは咎めるつもりはない
だが今後は、粗末に扱えば私だけでなく
月藜龍様の機嫌も損なうと改めて心得ておけ」
その言葉に、ヤグーワイズさんだけでなく竜騎士のほとんどの人が反省したようだった。
「はい、承知致しました」
「もう頭を上げて良い」
殿下から言葉が終わると、ヤグーワイズさんは頭をあげた。
「奏嬢は何かあるか?遠慮なく言っていい」
へ?私?
いきなり殿下の言葉に私は目をぱちくりする。
見渡すと、私の言葉を聞かないと竜騎士達の帰れない雰囲気を出していた。
竜騎士達だけでなく、アルベルト団長だけが
ニヤニヤと顎に手をやって笑っている。
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