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古城アセリアルージュ
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そんな騒動があった翌日
私は目が覚めた。
寝ぼけながらも伸びをした後、起き上がる。
ベッドから出てカーテンを開けると朝日が昇っていた。
チュンチュンと雀が鳴く様子は、昨夜の騒動が本当になかったかのように穏やかだった。
でも昨夜の騒動は嘘じゃないと思えるのは、竜が居た場所に足跡がくっきり残っていたからだ。
「あの子の足跡だわ」とひとり事を呟いた時
アネッタから「おはようございます
もう起きてらしていたのですか?」と挨拶された。
「おはよう、アネッタ
貴女のほうが眠たそうよ」と微笑むとアネッタの頬が薄らとピンク色になる。
「朝の紅茶をお持ちしますね、スッキリと目が覚めると思います」
「ええ ありがとう」と微笑むと朝から微笑ましい様子のアネッタに癒される。
しばらくしてアネッタが戻ってきて、テーブルの上にセッティングしたら「朝の紅茶です」と私に差し出す。
アールグレイのベルガモットの香りがして
集中力を高める効果がある。
「うん、美味しいわ
ありがとうアネッタ」
私が微笑むと安心したように笑うアネッタ。
朝の紅茶を飲んで「本日は、古城アセリアルージュまで行ってくるね」とアネッタに告げる。
「了承しました」とアネッタ。
紅茶のセットを片付けて、戻ってきたアネッタに、今度は三姉妹の次女、マーガレットを連れてきていた。
「おはようございます♪奏様
本日は、私が担当させていただきますね♪」と朝からご機嫌のマーガレット。
さあ!やるぞー♪とワクワクする様子を見て
「お願いしますね」と私も元気をもらえた。
「奏様は、どうするかとかの希望はありますかー?」と
マーガレットが聞いてきた。
「そうね、特にこれが良いとか決まってないから
マーガレットのお任せしてもいいかしら」
「お任せですねー♪了承でーす♪では、お髪に触らせていただきまーす!失礼します♪」と本当に楽しそうに
私の髪を結い上げる。
くるくると器用な手捌きと私の髪の毛が変わっていく様を見ると、気分が上がってくる。
両サイドの編み込みを耳の横にかけるような型で、結びコテで緩めのゆるふわを作っていく。
最後に結び目に鈴蘭の造花の髪飾りを挿すと、「終わりました♪どうですか?」と聞いてくる。
ただどうしても昔からの前髪の一部分のクセが長く、一緒に結うことはなかった。
結ってもサラリと逃げるように結ぶことが出来ない。
だからそのまま垂らしている。
「可愛いわ、ありがとう」と微笑んでいると
「いいえー♪ただ昨日は気づかなかったですけど
奏様の髪の毛の色って外側が茶色ですけど、内側がピンク入ってるんですねー♪」とニコニコのマーガレット。
「あー!瞳もガーネット色なんですね!」と言った
「綺麗ですね」と褒められるとこそばゆいけど、嬉しい。
「ありがとう」と照れながら微笑むと「可愛いですー!」とまた言ってくれるマーガレット。
「もう褒めすぎよ、でもありがとう」とお礼を言えば
「いいえー!また明日も来ますね♪」と笑って退室する。
「ええ」と私は頷いた。
「本当に奏様はお綺麗です」とクスクス笑いながらアネッタまで私を褒めてくれる。
「もうアネッタったら」と私が言うと
「本当ですのに」とぷくっと頬を膨らます。
朝から笑い合えて良かった。
「では、リーデル様がお待ちです」とアネッタが言うと、
「そうね、では行きましょうか」と私も同意をした。
自分の部屋を出ると、ドアの前に居たアレックスに
「おはよう、昨夜は眠れたかしら?」と問いかけると
ゆっくりと「おはようございます、大丈夫です」と返事が返ってきた。
アレックスの顔には疲労を見られない事から、多分嘘は言ってなさそうだった。
「そう?ならいいわ」とアレックスに微笑む。
部屋から出て、玄関ホールまで来るとリーデルさんがそこには居た。
「おはようございます」
「おはようございます、奏さん」
リーデルさんに挨拶をするとリーデルさんも私に微笑んで挨拶を交わす。
「今日から、花嫁候補生としての生活が始まります
一緒に頑張っていきましょうね」
「はい、宜しくお願いします」と言い終わったら
「早速ですが、今日一日の奏さんのスケジュールを教えてください」
「今日は古城アセリアルージュまで行ってみようかと思っています
それとですね、竜の宿舎と屑粉の廃棄処分の工事区に足を運びたいと思います」
「まあ…では、私から竜の宿舎の責任者と工場の責任者に連絡を入れておきます
足場が悪いとこもあるので怪我だけはお気をつけて」
「あ、それから奏さんの支度金をお渡しするのをうっかり忘れてしまいました
こちらを受け取りくださいませ」
「ありがとうございます」
「アレックス様、奏さんを頼みますね」とリーデルさんから微笑まれたら
「了承しました」とリーデルさんに頭を下げた。
「では、お気をつけて行ってらっしゃいませ」とリーデルさんが言うと、侍女頭のサマンサさんと執事頭のレイニーさんも
お見送りに来ていた。
「では、行ってきます」そう返事して私達は女子寮を後にする。
私は目が覚めた。
寝ぼけながらも伸びをした後、起き上がる。
ベッドから出てカーテンを開けると朝日が昇っていた。
チュンチュンと雀が鳴く様子は、昨夜の騒動が本当になかったかのように穏やかだった。
でも昨夜の騒動は嘘じゃないと思えるのは、竜が居た場所に足跡がくっきり残っていたからだ。
「あの子の足跡だわ」とひとり事を呟いた時
アネッタから「おはようございます
もう起きてらしていたのですか?」と挨拶された。
「おはよう、アネッタ
貴女のほうが眠たそうよ」と微笑むとアネッタの頬が薄らとピンク色になる。
「朝の紅茶をお持ちしますね、スッキリと目が覚めると思います」
「ええ ありがとう」と微笑むと朝から微笑ましい様子のアネッタに癒される。
しばらくしてアネッタが戻ってきて、テーブルの上にセッティングしたら「朝の紅茶です」と私に差し出す。
アールグレイのベルガモットの香りがして
集中力を高める効果がある。
「うん、美味しいわ
ありがとうアネッタ」
私が微笑むと安心したように笑うアネッタ。
朝の紅茶を飲んで「本日は、古城アセリアルージュまで行ってくるね」とアネッタに告げる。
「了承しました」とアネッタ。
紅茶のセットを片付けて、戻ってきたアネッタに、今度は三姉妹の次女、マーガレットを連れてきていた。
「おはようございます♪奏様
本日は、私が担当させていただきますね♪」と朝からご機嫌のマーガレット。
さあ!やるぞー♪とワクワクする様子を見て
「お願いしますね」と私も元気をもらえた。
「奏様は、どうするかとかの希望はありますかー?」と
マーガレットが聞いてきた。
「そうね、特にこれが良いとか決まってないから
マーガレットのお任せしてもいいかしら」
「お任せですねー♪了承でーす♪では、お髪に触らせていただきまーす!失礼します♪」と本当に楽しそうに
私の髪を結い上げる。
くるくると器用な手捌きと私の髪の毛が変わっていく様を見ると、気分が上がってくる。
両サイドの編み込みを耳の横にかけるような型で、結びコテで緩めのゆるふわを作っていく。
最後に結び目に鈴蘭の造花の髪飾りを挿すと、「終わりました♪どうですか?」と聞いてくる。
ただどうしても昔からの前髪の一部分のクセが長く、一緒に結うことはなかった。
結ってもサラリと逃げるように結ぶことが出来ない。
だからそのまま垂らしている。
「可愛いわ、ありがとう」と微笑んでいると
「いいえー♪ただ昨日は気づかなかったですけど
奏様の髪の毛の色って外側が茶色ですけど、内側がピンク入ってるんですねー♪」とニコニコのマーガレット。
「あー!瞳もガーネット色なんですね!」と言った
「綺麗ですね」と褒められるとこそばゆいけど、嬉しい。
「ありがとう」と照れながら微笑むと「可愛いですー!」とまた言ってくれるマーガレット。
「もう褒めすぎよ、でもありがとう」とお礼を言えば
「いいえー!また明日も来ますね♪」と笑って退室する。
「ええ」と私は頷いた。
「本当に奏様はお綺麗です」とクスクス笑いながらアネッタまで私を褒めてくれる。
「もうアネッタったら」と私が言うと
「本当ですのに」とぷくっと頬を膨らます。
朝から笑い合えて良かった。
「では、リーデル様がお待ちです」とアネッタが言うと、
「そうね、では行きましょうか」と私も同意をした。
自分の部屋を出ると、ドアの前に居たアレックスに
「おはよう、昨夜は眠れたかしら?」と問いかけると
ゆっくりと「おはようございます、大丈夫です」と返事が返ってきた。
アレックスの顔には疲労を見られない事から、多分嘘は言ってなさそうだった。
「そう?ならいいわ」とアレックスに微笑む。
部屋から出て、玄関ホールまで来るとリーデルさんがそこには居た。
「おはようございます」
「おはようございます、奏さん」
リーデルさんに挨拶をするとリーデルさんも私に微笑んで挨拶を交わす。
「今日から、花嫁候補生としての生活が始まります
一緒に頑張っていきましょうね」
「はい、宜しくお願いします」と言い終わったら
「早速ですが、今日一日の奏さんのスケジュールを教えてください」
「今日は古城アセリアルージュまで行ってみようかと思っています
それとですね、竜の宿舎と屑粉の廃棄処分の工事区に足を運びたいと思います」
「まあ…では、私から竜の宿舎の責任者と工場の責任者に連絡を入れておきます
足場が悪いとこもあるので怪我だけはお気をつけて」
「あ、それから奏さんの支度金をお渡しするのをうっかり忘れてしまいました
こちらを受け取りくださいませ」
「ありがとうございます」
「アレックス様、奏さんを頼みますね」とリーデルさんから微笑まれたら
「了承しました」とリーデルさんに頭を下げた。
「では、お気をつけて行ってらっしゃいませ」とリーデルさんが言うと、侍女頭のサマンサさんと執事頭のレイニーさんも
お見送りに来ていた。
「では、行ってきます」そう返事して私達は女子寮を後にする。
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