月の都の花嫁

城咲美月

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私の部屋

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ゲーム内での女子寮こと「私の部屋」

「では、早速案内をしますね」とニコリと微笑んでいるリーデルさん。

女子寮と言う割には、ラグジュアリーさが見て取れる玄関のドアを開けると
左右に執事と侍女が数名
それに、コックコートを着ている人と庭師の格好をしている人達が立っていた。

一同頭を下げる様は、なんと言うか圧巻だった。
「おかえりなさいませ!リーデル様
そしてようこそお越しくださいました
花嫁候補生の櫻井奏様に朝陽栞様
私ども一同心よりお世話させていただきます
よろしくお願いします」

ちょっとびっくりしたけれども
「はい、よろしくお願いします」
私達がニッコリと微笑んでいると
皆んなホッとした様子を見せていた。

「皆様、玄関先で立ちっぱなしではなんですので改めてサロンにて紹介しましょう」

リーデルさんの言葉でハッとなり数人が赤く頬を染めていた。

クスクスっと微笑ましい様子を見て笑うリーデルさんに続き私達はサロンに向かった。





⭐︎








サロンにて

陽だまりが射す室内は、程よい室温で快適だった。

「さて、これから先程の皆さんの紹介と
女子寮で過ごして行くにあたって説明しますので私達は少しの間座って待っていましょう
きっと張り切ってくれているはずですから」とリーデルさんはイタズラっぽく微笑む。

私達も微笑み返す。

辺りを見回してみると

窓辺にステンドグラスのアートやサンキャッチャーの光が反射してキラキラ光っている。

このキラキラはさほど気にならない程度だし、白壁がより一層部屋を広く感じさせる。

茶色の丸テーブルに、茶色の丸椅子は猫足になっていて座り易くなっている

茶色で統一された家具とモスグリーンのカーペットは、寛ぎスペースのサロンにぴったりだった。

私達がサロンに入って、しばらくして

お茶請けのお菓子と紅茶が運ばれてきて
リーデルさんと私達に配り終わったら
先程の人達がぞろぞろと入室してきた。


全員が部屋の中に入るのを確認して
「では」とリーデルさんが立ち上がると
私達にはそのままでと合図をする。

「これから皆様の事をご紹介します
どうぞこちらにいらして」と

リーデルさんの言葉に従って最初に壁際から離れたのは、少し年配を感じる執事の格好した男性と中年期の女性
合計2人だった。

私達もリーデルさんの言葉に従って座って2人を待っている。

なんでも立場の上になるほうが、優雅に座って待っていなくちゃいけないらしい。
そう言う作法なのは変わらない。

「こちらラガン家に勤めている執事頭のレイニーと侍女頭のサマンサよ
主に執事や侍女の育成、お客様への対応や
気配りに細かい指示と言った仕事です」

「奥様からご紹介に預かりました
レイニーとサマンサです
よろしくお願い致します」

2人が頭を下げてまた壁際に戻る
私達も同じように頭を下げる

「次に、主に貴女達2人の美容に関する事やドレスの針子といった
服装などに関するアドバイザー侍女の3姉妹
長女のサーシャ様、次女のマーガレット様、三女のミーナ様です」

「「「よろしくお願いします」」」

3人とも元気よく張り切って頭を下げてまた
壁際に戻る。
私達も同じように頭を下げた。

「それから朝陽様の専属の侍女セバンスティーヌ様に護衛騎士のヨレン様」

「よろしくお願い致します」

朝陽さんに向かって頭を下げてまた壁際に戻る
朝陽さんも同じように頭を下げている。

「それから、櫻井様の専属侍女アネッタ様に
護衛騎士のアレックス様」

「よろしくお願いします」
こちらは私に向かって頭を下げてまた壁際に戻る
私も同じように頭を下げた。

「それから最後に、お2人の日々の糧になる料理長のロイドと庭師のコロビー」

「宜しく頼みます」
ぎこちない挨拶と緊張が見て取れる2人だったが、なんだか微笑ましく思ってニコッと微笑む。
私達も同じように頭を下げたら
2人は壁際に戻る

「さて、これでこちら側は全員かしらね」
とリーデルさんが言う。

「あぁ、それから皆様
こちら皆様から向かって右手の朝陽栞様
それから左手の櫻井奏様
お2人は花嫁候補生でいらっしゃいます。
これからお2人は皇帝陛下からご夕食に招かれています。
本格的に2人の花嫁候補生としての試練は
明日から始まりますが
皆様のお勤めは今日からよろしくお願いしますね」

「はい!」とこの場全員の声が揃った。


「紹介が終わりましたので名残り惜しいですが、皆様持ち場に戻ってくださいませ」

そうリーデルさんが言うとぞろぞろと退室していく。


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