11 / 78
クレセント帝国へ
しおりを挟む
次の日。
家の前にはもうお迎えが来ていた。
「おはようございます。奏さん」
「おはようございます。ラガンさん」
朝から美女。
ありがたや~ありがたや~
拝んでいる場合じゃなくて
そう、これから私は船でクレセント帝国に行く。
舞台は、いよいよクレセント帝国へ。
見送りの時に、3人して泣いていた。
3人でハグし合う
要の泣き顔は珍しい。
普段の要は、言葉が厳しい分ツンデレと分かるまで苦手意識を持たれる事が多いのに
主人公はその事をものともせずに
普通に声をかけていた。
ほわほわ紬も、見た目に反して特に同性の女性達から誤解を受けやすく「ブリッコするなよ」と言われている
だけど、紬に対して「バカなヤツらだね
紬ちゃんみたいな子を怒らせるほうがよっぽど怖いのにね」と面と向かって言ってきた事から、友達になったエピソードがある。
そんな二人と別れるのは
私も寂しい。
ゲームだと言えど、友達と別れるのは
やっぱり寂しい。
ポーと汽笛を鳴らしてゆっくり船が出発する。
カモメが空を飛び立つ
最後まで、2人が振り返っては見送る姿に
涙が出てきて止まらなかった。
とうとう2人の姿が小さくなったのを確認すると
グイっと服の袖で涙を拭いて、デッキを歩く。
それから客室に向かう。
そっとラガンさんが私の背中をさすってくれた。
客室に入ると
ラガンさんから説明を受ける。
「まずは、我が国の歴史を振り返りましょう。
お二人は何処までご存知ですか?」
「はい」とスッと手を挙げた私に、ラガンさんは微笑む。
「クレセント帝国の歴史は、古城アセリアルージュから始まり
古城アセリアルージュには月の民が住み
月樹を護る龍王と初代皇帝陛下が誓いを交わし今日に到るまで
今の皇帝陛下、246代目のカルセドニー・ランパドール皇帝陛下が帝国を統治されています。
その為旧アセリア暦から月藜暦に変更になったと記憶しています
今では、古城アセリアルージュは跡地となり近くに竜と竜騎士の住まう土地が建設され
また、月の都と呼ばれる城下町では、月の民の姫が降りたった(住まう)地とされています。
そして
その姫は大変美しく。
その姫と皇帝は、共に困難と試練を乗り越え結ばれ結婚した事から
後に歴代の皇帝陛下から年頃の娘が選ばれる事を「月の都の花嫁」と呼ばれる事になったのが、習わしです。」
「はい、その通りです」
両手を合わせながら微笑む様は、このラガンさんこそが姫なんじゃないかと思うくらいには美人、なんだよね。
「さて、花嫁候補のお二人にはクレセント帝国に入国後身分証を呈示して登録が終われば、1年間の留学生として滞在してもらいます。
1年間の間に、お二人が住まう女子寮を用意しています
そこに住んでもらい、女子寮での生活を、
なるべく不便がないようお世話させて頂くのが私です。
改めてよろしくお願いいたします。
そこからへと月に2度、皇宮へ行き皇帝陛下の謁見があります。」
ごくり。と唾を思わず飲み込む。
この皇帝陛下の謁見、言わばパロメーター度の上下で「次期皇后としての好感度と、皇后教育の成果が問われる日」が月に2回もある。
これを怠ると、魅力の数値が下がり尚且つ次期皇后としての品位も下がる。
これダルいなーと、サボったりパートナーとデートに行ったりすると
お叱りがある上にせっかく上げた魅力値が減るのがへこむよね。
でも逆に言えば、謁見が終わればその後の自由行動があるからラッキー
「花婿候補のお二人が皇宮内での移動は基本自由ですが、皇帝陛下と皇后陛下の私室、執務室は、委任状もしくは許可証が必要となります。
最初に行くと思われる図書室、マナー室、学習室等、大変広いので慣れない最初の内は私が案内します。
また生活の基盤となる城下町には護衛が付きます。
これはお二人を護る為の配慮です。
何があっては哀しいですから」
眉を下げて言うラガンさんもまた綺麗
「それでもお二人には、城下町にある有名店に足を運ぶなどクレセント帝国の行事のひとつ二十三夜祭りを是非楽しんで欲しいです」
にこり。と微笑むラガンさんの姿は何度見ても素敵。
「はい」
私達が頷いたのを見るとラガンさんもまた同じように頷き返す。
家の前にはもうお迎えが来ていた。
「おはようございます。奏さん」
「おはようございます。ラガンさん」
朝から美女。
ありがたや~ありがたや~
拝んでいる場合じゃなくて
そう、これから私は船でクレセント帝国に行く。
舞台は、いよいよクレセント帝国へ。
見送りの時に、3人して泣いていた。
3人でハグし合う
要の泣き顔は珍しい。
普段の要は、言葉が厳しい分ツンデレと分かるまで苦手意識を持たれる事が多いのに
主人公はその事をものともせずに
普通に声をかけていた。
ほわほわ紬も、見た目に反して特に同性の女性達から誤解を受けやすく「ブリッコするなよ」と言われている
だけど、紬に対して「バカなヤツらだね
紬ちゃんみたいな子を怒らせるほうがよっぽど怖いのにね」と面と向かって言ってきた事から、友達になったエピソードがある。
そんな二人と別れるのは
私も寂しい。
ゲームだと言えど、友達と別れるのは
やっぱり寂しい。
ポーと汽笛を鳴らしてゆっくり船が出発する。
カモメが空を飛び立つ
最後まで、2人が振り返っては見送る姿に
涙が出てきて止まらなかった。
とうとう2人の姿が小さくなったのを確認すると
グイっと服の袖で涙を拭いて、デッキを歩く。
それから客室に向かう。
そっとラガンさんが私の背中をさすってくれた。
客室に入ると
ラガンさんから説明を受ける。
「まずは、我が国の歴史を振り返りましょう。
お二人は何処までご存知ですか?」
「はい」とスッと手を挙げた私に、ラガンさんは微笑む。
「クレセント帝国の歴史は、古城アセリアルージュから始まり
古城アセリアルージュには月の民が住み
月樹を護る龍王と初代皇帝陛下が誓いを交わし今日に到るまで
今の皇帝陛下、246代目のカルセドニー・ランパドール皇帝陛下が帝国を統治されています。
その為旧アセリア暦から月藜暦に変更になったと記憶しています
今では、古城アセリアルージュは跡地となり近くに竜と竜騎士の住まう土地が建設され
また、月の都と呼ばれる城下町では、月の民の姫が降りたった(住まう)地とされています。
そして
その姫は大変美しく。
その姫と皇帝は、共に困難と試練を乗り越え結ばれ結婚した事から
後に歴代の皇帝陛下から年頃の娘が選ばれる事を「月の都の花嫁」と呼ばれる事になったのが、習わしです。」
「はい、その通りです」
両手を合わせながら微笑む様は、このラガンさんこそが姫なんじゃないかと思うくらいには美人、なんだよね。
「さて、花嫁候補のお二人にはクレセント帝国に入国後身分証を呈示して登録が終われば、1年間の留学生として滞在してもらいます。
1年間の間に、お二人が住まう女子寮を用意しています
そこに住んでもらい、女子寮での生活を、
なるべく不便がないようお世話させて頂くのが私です。
改めてよろしくお願いいたします。
そこからへと月に2度、皇宮へ行き皇帝陛下の謁見があります。」
ごくり。と唾を思わず飲み込む。
この皇帝陛下の謁見、言わばパロメーター度の上下で「次期皇后としての好感度と、皇后教育の成果が問われる日」が月に2回もある。
これを怠ると、魅力の数値が下がり尚且つ次期皇后としての品位も下がる。
これダルいなーと、サボったりパートナーとデートに行ったりすると
お叱りがある上にせっかく上げた魅力値が減るのがへこむよね。
でも逆に言えば、謁見が終わればその後の自由行動があるからラッキー
「花婿候補のお二人が皇宮内での移動は基本自由ですが、皇帝陛下と皇后陛下の私室、執務室は、委任状もしくは許可証が必要となります。
最初に行くと思われる図書室、マナー室、学習室等、大変広いので慣れない最初の内は私が案内します。
また生活の基盤となる城下町には護衛が付きます。
これはお二人を護る為の配慮です。
何があっては哀しいですから」
眉を下げて言うラガンさんもまた綺麗
「それでもお二人には、城下町にある有名店に足を運ぶなどクレセント帝国の行事のひとつ二十三夜祭りを是非楽しんで欲しいです」
にこり。と微笑むラガンさんの姿は何度見ても素敵。
「はい」
私達が頷いたのを見るとラガンさんもまた同じように頷き返す。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
私が死んだあとの世界で
もちもち太郎
恋愛
婚約破棄をされ断罪された公爵令嬢のマリーが死んだ。
初めはみんな喜んでいたが、時が経つにつれマリーの重要さに気づいて後悔する。
だが、もう遅い。なんてったって、私を断罪したのはあなた達なのですから。
【完結】フェリシアの誤算
伽羅
恋愛
前世の記憶を持つフェリシアはルームメイトのジェシカと細々と暮らしていた。流行り病でジェシカを亡くしたフェリシアは、彼女を探しに来た人物に彼女と間違えられたのをいい事にジェシカになりすましてついて行くが、なんと彼女は公爵家の孫だった。
正体を明かして迷惑料としてお金をせびろうと考えていたフェリシアだったが、それを言い出す事も出来ないままズルズルと公爵家で暮らしていく事になり…。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる