月の都の花嫁

城咲美月

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放課後。

私と要と紬の3人は、駅前通りにやってきた。

ガヤガヤと騒がしい喧騒の街並み、学生やサラリーマン、主婦などが交差点を通り過ぎ駅周辺が大変賑わっていた。

「いらっしゃいませ~!」

元気な声と若い女性の店員が、3人の注文を聞いていた。
新しく出来た店内の中には、女性客が沢山いた。

明るいBGMに可愛いらしい店内。

「私ねえ、これとこれ!」「じゃあ~私は~」
二人が注文していく中、私も注文する。

目の前の二人がとても可愛い。

数分して品物がくると早速要から

「に、しても奏が花嫁に選ばれたなんてねぇ...」
サラッと流れる黒髪は、後ろでひとつ結びにしている。
食べる時だけの要のクセ。

「いいじゃん!本当スゴイ事だよ」
「まあね」
私は二人の会話を聞きながら乾いた笑しか出なかった。

こちらを見ながら
「奏だけ?」と聞いてくる要


「後、もう一人いるわよ」私の言葉に
「誰?」と紬

「2組の朝陽さん」

「朝陽、ってあの朝陽?」
要がまた目を丸くする。

「そう!あの朝陽さん」

あの朝陽さんという事は、ライバル役の朝陽さんは一言で表すと才女。首席。
バイリンガル。

一条学園に於いて彼女の名前を知らない人はいない。
才女だけじゃなくて、一条学園の中でもトップクラスの美女。
それに朝陽グループのご息女。
才色兼備と言う言葉は彼女の為にあるようなものだと思う

朝陽、と名前の変更がないから多分大丈夫よね。


二人は、同じ表情して
「骨は拾ってあげる」と私に向かって
頷き合う。

はぁ......。憂うつ。

「よろしくね」と私は二人に向かって苦笑いする。

食べ終わったら、レジに向かうと
「あ、お客様の分は支払いが済んでるので大丈夫ですよ」と店員が言ってきた。
先に出た二人がにっこり笑ってピースしている。

もぉ~.....泣かせるねぇ..二人とも嬉しいよ。

「ありがとう」

二人に笑ってお礼を言うと

「いいって!私奏に奢れって言ったけどアレ冗談だったから」
と要も笑って言う。

知ってるよ。

「要ちゃんって相変わらずツンデレ~笑」
「………っるさいなぁ///」

紬からからかわれた要は、そっぽを向く。
要が髪の毛をほどいてないから、耳が赤く染まっていたのを見ると


もお~本当可愛い。

それから3人で、プリクラ撮ったりカラオケ行ったりして夕方には帰宅した。

主人公の家には両親はいない。
二人して、海外での生活している。

娘を残して?って当時はゲームの設定だから何も疑問に思う事なかったけれど、こうしてみると都合がよくて助かる。

今だったら、大騒ぎだよ。

確か、エアメールは出すんだよね。
早速エアメールの準備をして書いておく。

そう事している内に、夜更け。
時代に合わせたのか、家電話からスマホになってる。

もしかしてこういう所も変更点だったら細かいなぁと素直に笑った。

はあ.....それにしても久し振りに遊んだかも。
友達とプリクラ撮ったりカラオケに行って歌って....楽しかった。
プリクラの機能もムービーだったり、化粧しているような感じに出来たり、フォントもポーズも変わってた事は知ってたけど
感傷に浸ってる場合じゃないけど、頑張ってみようと、心の中でそっと誓う。

うん.....
ゲームの中だったとしても、やっぱり嬉しい気持ちは嘘じゃない。

主人公の役だけど、あの二人も応援してくれてるんだもんね。

要様!紬様!
もしもの時は
骨、拾ってよね!

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