月の都の花嫁

城咲美月

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教室に戻ると、主人公の友達もといクラスメイトニ人が話かけてきた。

「奏~!何処に行ってたのよ!」と最初に話かけて来たのは要。


「もしかして迷ってたとか~?ふふっ」こちらは、紬


先に話かけてきたのが、一条学園の生徒でもあり校長の娘でもある一条要(いちじょうかなめ)
黒髪で、サラツヤロングストレートに猫目が特徴の緕麗系。

安〇先生、イヤ校長先生とは似ても似つかない。
そして次が
保志乃紬(ほしのつむぎ)
こちらも、同じ一条学園の生徒で茶髪のロングのお団子頭のほわほわ癒し系。

二人とも可愛いんだ。

二人とも席に座ると、並びは私の前に要で、真ん中は私で後ろは細。

紬が椅子を持って移動してきている。

「それで、本当に何処行ってたの?トイレなんて言うんじゃないでしょうね~」と笑って言う要


要の言葉に「違うよ」と返す

「それが、呼び出されてたのよ...校長室に」

「アンタ、何したのよ」と飽きれながらもほっとする要の様子に

「それってもしかして....」何かに気づいた様子の紬。
「えっ嘘でしょ....」と、紬の様子にピン!ときた要


こくん。とゆっくり私は頷いた。

「えっ「しーーーーー!」..ご、ごめ...」

私は咄嗟に要の唇を手で押さえた。
紬もなぜか一緒に唇を押さえている。

二人を見て周りを見るが
幸いな事に他のクラスメイトたちは自分達の話に夢中だった。

こちらの様子に気づかないから、要の唇に押さえてた手を外すと二人は身を乗り出す。
「ちょっとどう言う事!?」「スゴイスゴイ!奏ちゃん」

「どういう事も.....なにも(ゲームの中に招待されましたなんて言えないじゃない)
なんでだろうね?私にもサッパリよ」

困っているように笑うしかなかった。
実際困っているし......


「まぁ....花嫁に選ばれたんなら頑張ってきなさいよ
骨は拾ってあげる」とそう言ったのは要。

「そう、だね....寂しいけど光栄な事だもんね」と紬も応援している。

私を....。

「ただし!今日奢んなさいよ!」「あーじゃあねえ、駅前通りのクレープ屋さんなんてどう?」
「それって駅前通りに新しく出来た、あの?」「そうそう~!タピオカ入りの~」
「いいわね!って事で奏!今日ぜっっったいよ!」


「約束」

そう2人は私に向かってニッと笑う。


3人での指切りは、主人公とずっと小さい時からしてきた事だった。

…ゲームの中とはいえ、やっぱり複雑だった

嬉しさ半分、罪悪感半分

主人公は私じゃないのに、居場所を取ったみたいで…
ごめんなさいと心の中で謝る。

でも嬉しかったりする。

現実世界での友達に逢いたいと思ってしまうほどに。

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