月の都の花嫁

城咲美月

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すると、パソコンの画面にはいきなり


カタカタカタカタとタイピングの音が聞こえる

今そこにいるかのように
今目の前で誰かがタイピングしてるかのような音と文字が一緒に流れてくる

「この度は、20年ぶりにリニューアルをしました『月の都の花嫁』を手に取ってくださりまことにありがとうございます。」

「いえいえ....って返事しちゃったよ。
凝ってるね~」

「初めての方もそうでない方も、より多くの人が楽しんで貰う為に内容の変更点がありシステムもやり易いように変更させていただきました。」

「へえ~そうなのか。」

「また、1999年代の発売した内容とは異なる為、ご了承願います。
大まかなストーリーには変更点はありませんが
そこで皆さまの声の多くのご要望がありました

「もっと主人公側にも溺愛を多くして」「もう少しエロちっくに」「新章の追加」「隠しキャラのルートも甘めに」の声に

より一層
我々スタッフ一同が真摯に応えさせていただきましたので、specialHAPPYENDを推奨致します。
どうぞごゆるりとお過ごしください」


「は、はい~~~~~~~!?え~~~~
~~!!!
な、なんてこった!!!」

「では、ごゆるりとお楽しみください」じゃないんだけどっ!

ちょっ......ちょっと待って.....!!

私の焦りの声は届くはずもなく


私は、ブラック画面に手を伸ばす。
伸ばしたまま固まっていたら。



「.....さん!聞いてますか?」


景色が切り代わったと思ったら
友達、らしき人がツンツンと肘でつついてくる。

「いきなりなんですか、そのポーズはちゃんと話聞いてましたか?」
と、目の前の教師が怒った様子で私に話かけてくる。
目の前の教師は
メガネをクイクイッと上下運動をさせていた。


へ....?もう始まってるの?

「あ、あのイヤ私はですね....」

いかん、これじゃ不審者だわ。
周りからクスクスと笑う声も聞こえる。

隣を見れば苦笑いの顔をした友達らしきクラスメイトがいた。



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