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しおりを挟む♀婆馬のゴローが生まれて初めてワシと会話してくれた。ヒンヒン言いながら喋る言語は日本語では無かったが言ってる意味は伝わったし、普通に会話も出来た。
日頃からゴローと会話が出来ればどれ程楽しいかと思っていたので、これは嬉しかった。
ゴローが言うには召喚された跡にワシ等の言葉が分かったのか、ステイタスっていうのを自分に掛けてみたところ
ゴロー(22)黒鹿毛♀
職業 馬車馬
称号 勇た者
HP 9999
MP 9999
攻撃力 999
防御力 999
素早さ 999
命中力 999
知能 999
各種耐性MAX、全属性魔法(中)、HPMP回復力(極)、爺さんの想い=強さ万倍、聖剣召喚、全言語理解、鑑定真雁
っと、なっておったそうな。で、一緒に来た三人を鑑定していたら、一般人となっていたそうだ。
ゴローの話しでは、必ず勇者戦士賢者と三種セットになる筈なので、おかしいなぁっとなったそうじゃ。だか、何故おかしいなぁと思ったのかは分からないそうじゃ。でじゃ、ゴローが勇者なら誰が賢者で誰が戦士なのかというところじゃが、なんと!
荷馬車が賢者で幌が戦士だったんじゃ!何を言ってるのか分からないじゃと?この中で一番分かってないのはワシじゃ!賢者ってなんじゃ!戦士は辛うじて分かるぞ!じゃが何のスポーツの選手なんじゃ⁉
『戦士は武士みたいなものだよ爺さん』
ワシの心の声に答えたのはスマホじゃった。
『お初で御座います、私は荷馬車で賢者の【アル美】と申します以後お見知りおきを』
そう挨拶された。【アル美】てあんた……間違ってないけど良いのか⁉材質だぞ!?
『……気に入ってますのでお気になさらず……』
気を使われた!荷馬車に気を使われた人類ワシが初だと思うぞ!
因みにアル美の声はSir○みたいじゃった。機械音じゃの。そして、ワシのスマホは御者席から伸びてきたナニカに寄って奪われ、中の壁に取り込まれた。
それから、かなり流暢に話す様になった。
そして、このアル美はインベントリっていう魔法を使えるそうだ。
どんな荷物も腐らず冷やさずそのまま取り込めるらしく、大きさも関係ないそうな。
そして、料理も任せろと言われ買ってきた香辛料や塩や砂糖などの調味料も勝手に増やしたり出来るからと、管理も任せる事になった。
ワシの胃袋が荷馬車に捕まった瞬間でもあった。
そして、最後に幌の戦士は【ホロ】と名乗った。
顔文字付きで……。荷馬車と幌の間にいつの間にか電光掲示板みたいな板があっての?そこから言葉を掛けられた。
「爺さん、爺さん今晩は!盾の戦士【ホロ】ですこれから宜しくお願いします\(^o^)/」って、電光掲示板に流れていったわ……
幌なのに盾の戦士なんじゃそうな。どうやって戦うのか見ものじゃが、「戦闘時はBOX型御者台にぶち込みますよ?」とアル美に言われたわい。
因みにアル美とホロのステータスは此方
アル美(3)♀
職業 荷馬車
称号 賢者
HP 9999
MP 9999
攻撃力 999
防御力 999
素早さ 999
命中力 999
知能 999
全言語理解、インベントリ、全属性魔法(極)
爺さんの想い=強さ万倍、各種耐性MAX、鑑定、解体、調理
ホロ(3)♂
職業 幌
称号 パラディン
HP 9999
MP 9999
攻撃力 999
防御力 999
素早さ 999
命中力 999
知能 999
全言語理解、全属性魔法(中)、各種耐性MAX
爺さんの想い=強さ万倍、全防御、ダメージ反射
ユニークスキル ハウス
ホロにだけユニークスキルがあったんじゃが、このスキルを使うと空き地に居ても森にいてもそこに家が出来て、何者も寄せ付けない完全結界の家が出来上がるらしいんじゃ。宿いらずじゃな!
まぁ、なんじゃ。いつも一人でブツブツ言ってたが、これからはお喋りすると三人の言葉も混じってくるって事じゃ。つまり!
「寂しくなくなるなぁ」そう呟くと、なんとも温かい空気に包まれて、肯定の声が掛かった。
取り敢えず今日はもう日が暮れたので、勇者のゴローが森から枝や薪を拾ったり倒木の乾いてる部分を聖剣を口に咥えながら斬り刻み、持ってきた。
そこにアル美が火を付けてフライパンで肉や野菜を焼いたり、ご飯を炊いたりして飯を作ってくれた。これが美味いんじゃ!
「もう少し時間があったらコース料理も作れるんだけど……」と、少し悔みながらアル実が言うもんで、荷台を撫で撫でしながら
「これも美味しいぞ!有難うな」っと励ました
ホロは家作りを頑張ってくれての、「風呂炊けたよ!飯食ったら入れ爺さん( ⌒ ͜ ⌒ )」と、勧めてくれた
明日からどうするかという話し合いも
「あたしゃ勇者といってももう歳じゃから、爺さんと共に行くよ?行商でもやりながらのんびり過ごしたいねぇ」
と、ゴローが言う。
『ワタシモ、お爺さんと一緒に働きたい』
と、アル美もワシと来るといい
幌のホロも当然の様に
爺さんと行くよ?*。\\٩(*ˊᗜˋ*)و//*。
っと、文字盤が流れた
「そうか、皆ワシと来るんじゃな……よし!心機一転頑張るか!」
そう言って明日からこの土地で生きていく事を四人で誓った。
もらった金貨があったので、此処から一番近い村で買えるだけの麦を買い、それを都会に持っていって売るか、アル美が解体して粉に加工してから量り売りするか、と話し合った。
取り敢えず麦を買うって事で加工や何かはその場で考えようって事になった。
まぁ、今日は色々あったって事で寝る事にした。ホロが作ってくれた寝床は夢心地と表現する以外の言葉が当てはまらなかった事だけは伝えておく。
◇◇
「私達はたまの連休を使って仲間とツーリングに出掛け、途中でエンジントラブルになって立ち往生してた中島と言います」
「同じく田口です」
「川本です」
「それではこの水晶に手をおいて見てください」
一応素性を粗方聞いてみたがよく分からない言葉を使うので、荷台に乗っていた若者三人のステータスチェックを行った
まさか勇者の降臨か⁉と期待したが、三人とも商人、町人、職人と表示され一同ガッカリしたと共に安心もしていた。
~勇者現れるとき厄災も現れる~
そんな言い伝えも残っていたからだが、どうやら杞憂に終わったようだ。たまたまうっかり召喚の魔力が暴発したのだろうという見解で話が終わり。
では、この三人はどうするかで話し合いが始まり、召喚した日から一ヶ月が過ぎようとしていた。各領主も逼迫していたので、三人を養うのは困ると頭を悩ます事になっていた。
まるで今思い出したかの様に王様が告げた「そう言えば馬車が一緒に召喚されたのだから、それに乗って何処かで生きて貰えばどうか?」
厄介払いも出来て一石二鳥だろうと言い出したのだが
「召喚した日に金貨を渡して追い出しました」
っという無慈悲な司祭の言葉に一同固まることになった。
「お、お前は何をしてるんじゃ!?」
遠路遥々連れて来られた異世界人を分けも分からず放り出したのか!っと、それはもう大激怒で叱られた。
そして、既に召喚した日から一ヶ月も過ぎていた事から、足跡も追えずで王様は片膝を付いて神に謝罪した
それを見て他の領主や司祭も両膝を付いて神に謝罪した。
そんな事をやっているとは露知らず、バイカー三人は王国の離れの宮殿でこれからどーするかを話し合っては、美味い酒と料理を堪能していた。
そのお陰もありスッカリ小太りになった腹を揺らしながら今日も宴会を楽しむのだった。
取り敢えず飲めや歌えやわーいわーいと騒ぎ
侍女や従者を巻き込んで毎晩宴会を楽しんだ
そのうち財政に響く事になったので、数枚の金貨と武器と簡易的な防具を持たせ街で冒険者等に成ってくれと放り出した。
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