馬と爺ちゃん


 田舎で馬と暮らす爺ちゃん。周りの住民が歳を取って「都会で息子と暮らすよ」と言って村を跡にして行った。気付けば隣近所に人は居なくなっていた。それでも、馬のゴローと共に居られるならと爺一人と婆馬一頭で仲睦まじく生活していた。そんなある日、備蓄が無くなった、仕方ないので隣町に買いに行くことにした。結構な量を買うので車で行きたかったが、似た年齢の相次ぐ事故で怖くなり車は既に売り払っていた。

 その時冬タイヤだけが二本残っていたのでサスペンションも付けたアルミ仕様の、荷馬車風リヤカーを作り、ゴローに引かせて畑の作物などを積んで持ち帰っていた。

 なので、その日も隣町へ行くのに荷馬車に乗って出掛けた。

 ポックポックと足音を弾ませて農道からアスファルトの道を走り、隣町へと赴く。
 その途中で拾ったバイカーの若者三人を見付け、燃料トラブルだからと、三人を荷台に乗せて走る

 荷馬車が珍しいのか無駄に目立つし。
 小さいお子さんが手を振るので、苦笑いで此方も小さくだが手を振り返しながら最寄りの業務用スーパーに向かう。

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