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魔法少女2-7
しおりを挟む出かける前に受け付けで手紙が届いています。と言うので受け取る。
その場で開いてみると魔法少女協会からで、速報で書いてある。
珍しいなと思いながら読んでみると
【速報】魔法少女ホナミ【速報】
悪徳女ホナミに懸賞金がかけられた!懸賞金は一億円!
生け捕りには更に五千万円!
電話連絡先0120-×××-××××
結構な金額だった……
正直な所……俺は迷った。
まぁ取り敢えず向かう事にして、バスに乗って行く。
公園からは歩いて行けるのだが、嫌な予感しかしなかったので大回りをしてあたかも時間かかりました的にしたいのだ。
電話を貰ってから1時間掛けて公園まで辿り着くと、椰子蟹紳士が倒れていた場所まで向かう。
そこにはもう椰子蟹紳士は居なかったが、椰子蟹の潰れた爪が一本落ちていた。
その場でキョロキョロと辺りを見回していると、藪の中からホナミさんが現れた
「ちなっちゃん! 来てくれたのね! ありがとう! 早速で悪いんだけど……有り金全部私に貸してちょうだい! 必ず返すわ!」
うわー、なんだこの人最低か!
俺は眉根を寄せて後退りした。
だが、前貰った五千万円は返す事にして、小切手を渡す。
それを受け取ると嫌な顔をされた。
多分現金じゃなかったからかも知れない。
そのまま帰ろうとすると、腕を掴まれた。
「私達友達でしょ? 残りの貯金も出せるわよね? あ!それとブラックカードも貸してくれる? 大丈夫!お金はカードから全額どころか桁を増やして返してあげる!」
俺の貯金どころかカードまで奪う気らしい……ていうか、それ全部俺の借金にしかならねーじゃねーかよ!
この人は駄目だ……救えない……
そう思った俺は
「お願いしまーす!」
と、叫ぶと掴まれてる腕を振りほどき、スタコラサッサとその場から逃げた。
「ちょっと!待ちなさいよ!ちなっちゃん⁉」
尚も追い掛けて来ようとしたが、それは阻まれた。
「ようやく見つけたぞ! 佐渡内!」
「なっ……何であなたがここに居るのよ⁉」
「全くお前というやつは……取り敢えず乗れ! 話は事務所で聞いてやる!」
(……事務所?)
俺はその様子を見ていた。
確かにあの車はパトカーだった。
乗ってる人間も警察署で見かけた事がある……。
だが、連行する場所は事務所だという……。
何だか嫌な予感しかない……。
冷や汗を流してパトカーに押し込められる姿を見ていると、一人のスーツを着た男がパトカーから降りて来て、俺を見つけると近付いてきた。
「君は……通報者だね?有り難う助かったよ。 それから、小切手は返しておくよ? 無駄なお金は使ってはいけないよ? あ、それと振込はしておいたからね」
そう言って去ろうと回れ右をした瞬間顔だけくるりと回して言う。
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