魔法少女チナツ

あるちゃいる

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魔法少女2-6

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 沖縄の那覇市で変態協会会員ナンバー6722のおじさんを縄でふん縛っていた時、携帯に着信があった。
 その時は初の四桁会員でテンションも上がっていたので気付かなかった。

 この男は股間に生きたヤシガニを括り付け、ヤシガニのハサミで自分の竿を挟んで貰いながら外を練り歩く変態だった。

 「切れる!切れるぅぅ!」と叫びながら歩いていた所をたまたま見つけて、助けようとしたら裸で、魔法少女の格好をした俺を見たら頬を赤らめながら
 「擦ってぇ♡」と迫ってきたので何時もの様にパンツをずらしたら怯むどころか腰を振り出した。

 なんかイラッとしたので思いっきり殴ってしまった。

 会員証は何処だと探したらヤシガニのハサミの下にクリップ?みたいな物があった、其処に数字があったのでヤシガニを蹴り飛ばして外し、そのクリップを燃やしたらパキりとヒビが入って折れた。

 初の四桁で値段もきっと高いに違いない!そうウキウキしながら拠点にしてるホテルへと戻ると再び携帯が震え出した。

 この携帯の番号を知る人は実は少ない。魔法少女協会の人か、それ以外となると……嫌な予感がしたけど出てみると……

 「あ!ちなっちゃん⁉ よかった! やっと繋がった! 助けて!ちなっちゃん!変な男達に攫われそうの‼」

 案の定ホナミさんからだった。

 「それでね! カードが使えなくて困ってるから少し振り込んでほしくって……プツ」

 俺は話の途中だったが静かに電話を切った。

 (20億も使い込んだらそりゃカードは使えねーよ……)

 ブロックしようと番号を確認すると098から始まる市外局番からだった。

 「あれ……この番号ってもしかして……」

 物凄く嫌な予感がして携帯の電源を落とそうとしたら再び電話が鳴り出した。

 さっきとは違う番号だったが市外局番は同じ098から始まっていた。

 恐る恐る出てみると、やはりホナミさんだった。

 「何かすぐ切れたけど電話切った?」
 恐ろしく冷たい声だった。
 「切ってませんよ? そちらから先に切れましたけど……」
 「え、本当? もう!公衆電話なんて使ったことないからよくわからなくって困るわね! っていうか、私いま沖縄にいるの! でね? ヤシガニ紳士がそこで転がってるんだけど、ちなっちゃんが倒したの?」

 (やべぇこの人意外と近くに来てやがる……)

 「ちなっちゃん……近くに住んでるでしょ? 会えないかな? 会えるよねぇ?」

 「は、はい……まぁ会えますね……」
 「じゃ、すぐに来て!お金持って!この公園で待って……ガチャ……ツー・ツー・ツープッ」

 そう言うとガチャリと切れた。
 今度は本当に金が足りずに切れたらしい。

 このまま放置しても良かったがホテルまで来られると厄介でしかない。
 一緒にいる事で同居してると思われるのも厄介だ……仕方ないと思い、俺は出掛けることにした。




 
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