魔法少女チナツ

あるちゃいる

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魔法少女2-3

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 「婦警さんも変態協会達を倒してるんですか?」
 私服を見る限りだと、相当羽振りが良さそうだったので群馬地域は諦めようかと思い始めていた。
 「チナっちゃんもう私は婦警じゃないのよ?名前で呼んでよ」
 「あっごめんなさい」
 「ふふ良いのよ」
 「あ……でも名前を知らないんですけど……」
 「そうだったわね、私の名前はホナミよ佐渡内ホナミ」
 「あ……じゃ、ホナミさんも変態協会達を倒してるんですか?」
 「倒してないわよ? それに変態は悪じゃないわ! 間違ったら駄目よ?ちなっちゃん! あれは趣味! 趣味なのよ! 我慢すると体に悪いでしょ⁉」

 何故か必死に訴えてきた。
 何となく分かる気もするが、コスパが良いので今後も俺は狩ろうと思う。

 だがホナミさんには言わないでおいた。

 「本当の悪を懲らしめたいなら私に付いてきて!本当の戦い方を見せてあげる!」

 そう言うので、せっかくだから他の魔法少女の戦いぶりも見てみようと思った。
 なのでついていく事になったのだが、港へと向かうというのでTAXiを探していたら
 「車ならあるわよ?」
 という。
 近くにあると言うので付いていくと、白のフェラーリが止まっていた。

 「ふふふ♪かっこいいでしょ?買ったの!カードで♥一括よ?」

 そう言うと”ピピッ”と鳴らしてエンジンをかけた。

 さすが元公務員……退職金も多いのかな?と、思った。

 颯爽と走るフェラーリに乗って港へと行くと倉庫の横で止まる。

 「良いと言うまで手を出しちゃ駄目よ!」
 「はい!」

 そう言って後ろから見ていたら、魔法の杖を掲げて出入り口付近に一発魔法を放った。

 ”ドゴーーーーーンッッ!”

 結構派手にぶっ飛んだ扉は轟音と共に地面に落下し激しく音を響かせた。

 その音をBGMにわらわらとuziライフルやらお前ら日本に何持ち込んでんの⁉って感じの銃を片手に、出てくる出てくる黒服の人々。

 「ナンジャお前らーっ⁉」とか
 「ワレどこのもんじゃーっ⁉」やら
 飛び交う罵声に魔法で応えながら吹き飛ばしていくホナミさん。

 轟く銃声と機関銃の音が段々減ってくると、ホナミさんは中へと走って消えた。

 その後を追い掛けて行くと、組の親分なのか細くて青白い顔のオジサンが杖を突きつけられながら手を上げていた。

 「ちなっちゃん! 今よ!コイツを倒して!」

 そう言ってこっちを振り返りながらニコリと笑う。

 こいつの顔は見たことがあった。
 麻薬を売ってる大元で、確か賞金五千万の男だ。

 こいつを譲ってくれるって……?
 さっきから魔法をバンバン撃ってるから、こいつを倒してもトントンくらいなのに?

 俺は流石にコレは貰えないと断ろうとした時、更に奥から銃を持った強面の黒服さん達が沸いてきた。

 「雑魚は私に任せなさい!」
 そう言ってその場を俺に任せて奥へと走って行ってしまった。

 俺は逃げようとする男を捕まえて、襟首を掴みながらパンツをずらす。

 そうすると男は驚愕の顔をして目を見開いた。
 その瞬間俺は殴りかかり、ボコボコにした。

 ずらしたパンツを履き直し男を紐で縛っていたら、ホナミさんが帰ってきた。

 「縛った? じゃ帰りましょ♪」
 そう言って再びフェラーリに乗ると走り出した。
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