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変態協会1-4
しおりを挟む「うーん……」
二通目の封筒を開けると変態協会からの物だった。
中には俺の変身した姿がぼんやりだが、写っていた。
変なお面を踏んづけた時に撮られた様だ。
だが、これによって何か支障があるとは思えない。
何故ならぼんやり過ぎて顔の判別はつかないのだ。
だが服装は違う。
あの日は最初に着てたピンクのヒラヒラした女の子っぽい服だった。
ようはあの服を今後なるべく着なければ良い話なのだが
問題は変態協会の会員を倒すか会員証を壊すか奪うかすれば賞金が入ると言うことだ。
それも一人頭五百万だ。
俺はどうすれば効率良く稼げるかを思案する。
「人気のなさそうな場所を選んで練り歩くか……」
魔法少女の姿で歩けば協会の会員は寄って来る可能性はある。
それに、変質者や犯罪者も釣れるかも知れない。
そう思ったらもうブラック派遣会社で働く事もしなくて済む気がして来た。
それに既に540万もある!
年収よりも遥かに多い!
「辞めるか!」
そうと決まればと俺は深夜にも関わらず担当社員に連絡した。
明け方まではまだ二時間もあったが、起きていたようですぐに出た。
「おはよう御座います!」
「……おう……つっても寝てねーけどな……どしたい?こんな夜中に」
「実はですね、飛ぼうかと思いまして連絡しました」
「……そうか……普通飛ぶ時は連絡なんてしねーんだけどな? だから飛ぶって言うんだよ」
「そうなんですか? まぁでも今日の朝は出勤しないので、穴が開くと思うんですよ」
「あーうん。 開くだろうな……まぁ、知らせてくれたから俺が変わりに暫く入る事になるからいーけどよ」
「そうなんですね、それなら良かったです」
「まぁ、なんだ 理由は聞かねーけど、働いた分は払わねーよ?」
里山の給料を昨日預かり持っていた男は札を数えながらいう。
無言で飛んでたら振り込んでるところだった。
「構いません、それは貰っちゃってください」
「あー……うん、じゃあ貰っとくわ。会社には3日経ったら報告するからお前は連絡すんなよ?」
担当社員は今日の朝、銀行が開いたら振り込もうと思ってた封筒を自分の内ポケットにしまいながら言う。
「あのよう、こんな事は飛ぶ奴には言わねーんだけどな?」
「何でしょうか?」
「妙に律儀なやつだから伝えとくわ、また働きたくなったら何時でも迎えてやるから、電話番号は消すなよ」
「え、飛ぶのにまた雇ってくれるんですか?」
「おう、うちは寛大たからな」
そういうと元気でなっと言って電話を切られた。
飛ぶやつが多過ぎて人手は常に足りないのかな?
そう思って担当の番号はそのまま残すことにした。
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