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魔法少女1-4
しおりを挟むその後俺は静かにずらされたパンツを直し
再び美少女に戻るとその男を横に退けてから逃げる様に多目的トイレから飛び出して
「助けて下さーい!」
と叫んだ。
その声を公園に来ていた奥様方が気付いてくれて、多目的トイレで下半身を丸出しにして倒れている男を見ると、直ぐ様警察を呼んでくれた。
そのまま男は連行されていき、俺も一応連れて行かれた。
そして、泣き真似しながら経緯を話すと同情してくれた婦人警官に抱きしめられた。
感想としては柔らかかった。
逮捕された男は何度も逮捕歴がある変態で名前を
丸田渋男と言うらしい。
毎度捕まっても反省もしない奴だったが、取調室へ向かう通路を通る時、一瞬俺と目があった
その瞬間パニックになって小便を漏らしながら泣き叫んた。
「少女怖い! 変態怖い! おまわりさん助けてー!」
と、言いながら腰をぬかしていた。
警察署を出て婦人警官に家まで送ってもらった。
家の特定はされたくなかったが団地なので多分大丈夫だろう。
フンフンと鼻歌交じりに玄関を開けると、病院から退院して来た母親が居た。
「あら? どなた?」
と、不審そうに呟く母親
そして何かに気付いたのか突然顔を覆って泣き出すと
「ま、まさか……あの子が連れ込んだんじゃないでしょうね⁉」
「ああ!遂に性犯罪者になってしまったのね⁉」
と、取り乱し始めた。
俺も焦ってしまい何とか取り繕うとして、あろうことかパンツをずらして
「違うよ! 俺だよ母ちゃん!」
そう叫んだ。
その瞬間母親はピタリと動きが止まり泡を吹いて倒れた。
俺は急いで救急車を呼ぶと
リボンからステッキを取り出して元の姿に戻ると、救急隊員を誘導する為に外へと走った。
ようやく病院から退院した母親はパニック障害になってしまい、再び入院することになった。
何回か御見舞に行ったのだがその都度パニックを起こし、引き付けを起こすので医者から当分会いに来ないでくれと怒られた。
母親が運ばれてから一週間後、うちのポストに変な物が届いた。
厚手の封筒を開けると、中には通帳と印鑑が入っていて20万円振り込まれていた。
名義を確認しても俺の名前だった。
不審に思っていると、手紙が入っている事に気が付いた。
その手紙を読んでみると、この前捕まえた変態男の顔とその下に名前が書いてあった。
【丸出し豚野郎】を討伐した報酬
と、だけ書かれていた。
そして、さらにもう一枚手紙が重なっていて読んでみると……
魔法少女チナツ様へ♡
この度は【魔法少女キット】を受け取って頂き有難う御座いました。
初期討伐も見事クリアしていただいたので【魔法少女キット】のレンタル料は発生しなくなりました。
そして、変態男の討伐報酬として20万円を送ります。
それではコレからも頑張って犯罪者を撲滅して下さいね♪
~魔法少女協会より~
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