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しおりを挟む「大魔導師国枝殿!エルフ族海人殿!此度の働きに対して勲章を授与する!」
王国を挙げての授与式で名誉勲章を賜り、王が二人の英雄に勲章を胸に付けると、盛大な拍手と歓声が王国中に響き渡る。
後日の記事には、畏まってる魔道士達の姿絵と、死んだ魚の様な目をしている王の姿絵が掲載されたが、それは仕方の無い事だろう。
将軍の仕掛けた策に嵌められたお陰で、伝統ある数々の建築物が破壊され、由緒ある敷石が尽く砂に変えられたのだから……。と、記事に書かれる。
国家転覆を狙ったマーケン将軍とそれに加担したグランドル侯爵が起こした件の破壊行為は両名の企てた事だったと、王国住民に説明したのだ。
王と王妃を無事(?)に助け出した国枝と海人は、国賓として扱われる事になった。
そして、やらかした事は全て行方不明になっている将軍と騎竜から落馬し即死したグランドル侯爵のせいにする事になった。
幾ら英雄的な行動を起こしたとはいえ、王国の2割を破壊した事は許される事ではなかったのだ。
だが、カウェイとパウェルの口利きにより、王国内と各街道の修復代金をエルフ族が全額持つという話になると、態度を急変し全ては将軍が企てた事にしたのだった。
その体裁を保つ為に国枝と海人は勲章を貰う事になった。
国内外に英雄と喧伝する事で海人達がやった事を誤魔化し正当化させたのである。
当然目撃者もいたのだが、王の言葉と幾らかの口止め料を支払った事で完全に黙することになった。
☆
その後平和になった王国ではアナスターシア姫と国枝との挙式が新しく建てた教会で行われ、公爵を賜った国枝は、王国の為に生き生涯を国の為に捧げたと伝承に書かれる事になる。が、実際は破壊行為の代償を生涯をかけて実行したに過ぎなかった。
最後に残した大魔導師の言葉は、その後の時代にも語り継がれる事になった。
『諦めない……僕は絶対に諦めないからな!』そう力強く言った言葉を最期に国枝慎吾は96歳でこの世を去った。
その言葉を聴いた人々は口々に王国の復興を諦めないと言ったのだと思い、その後の著しい発展に繋がったと称される事になる。
が、真実は海人を縛り鞭で叩きたいという夢を語っただけだったのだが、その事を知る者は居ない。
海人は勲章を貰った翌日にはパウェル達とエルフ族領地に帰り、人が変わったかのように電力の研究に没頭したという。
その間出来上がった電力馬車は大陸中に拡がり、その後の世界を大きく変えることになる。
海人はその後四人の嫁達との間に六十人の子供をこさえ、百二歳で此の世を去った。
彼が作り上げた数々の機械は、すべての理を変える物だった為、世界を変えた偉人として後世まで語り継がれる事になる。
☆これ迄拙い文にお付き合いして頂き、又最後までお読み下さり有難う御座いました!
これで完結となります。
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退会済ユーザのコメントです
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