異世界団地

あるちゃいる

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8話

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 汗だくになった俺を風呂場へと押し込み、シャワーを浴びて出て行くと、下着と服がちゃんと畳まれて用意されている

 まるで主婦の様に気が利く息子で有る。これが彼女とか作ったらモテそうだなぁーとか、考えてから。

 息子が結婚すると俺ダメ人間になる気がする……。今のうちに色々出来る大人に成らなければ! 

 ムンッと誓いを新たに立てて、脱衣所から出るとの楓が待っていた。「一樹は部活で遅くなるから二人でクエスト受けに行こう! 」嬉しいそうだな。そんなに冒険者やりたかったのか?

 まぁ、いっか。

「よし、じゃあ早速向かおう! 」

 店を出ると一路冒険者ギルドへと向かった、掲示板から角兎の討伐を取り受付で受領して貰い、森へと向かう……前に楓の武器を買いに行く。

 「何時の間に槍を買ったの? まさか言いつけ破って……」

 「ち、違うよ!?電話もらう前に買ったんだよ? 」悪いことしてないよ? と、訴えたがジト目に晒される俺……

 程なく武器屋に着いたので、剣を見て廻る、楓。

 ふぅ……と、溜め息が出るのは仕方ない、俺に対して何かと厳しい楓君何だが、別に嫌われてるって訳でも無いんだよなぁ……これがツンデレって奴なのか?

 等と下らない事を考えていると、選び終えたのか楓が戻って来た。

 「良いのあったか? 」

そう聞くと

 「んー? よく分からなかったから、勧められるままに買っちゃった小金貨1枚だった」

 「何!? 俺の槍勧められるままに買ったら小金貨3枚だったぞ⁉」騙されたのか?

 と、言ってたら通り掛けの冒険者が「槍は使ってる金属量が多いのと作る時に手間が掛かるからな多分適正だぞ? 」と、教えてくれた。頑張れなー! っと、言って去ってった

 楓が「冒険者ってガサツな人多いって(ラノベに)書いてあったけど、気さくで優しい人も多いんだね」と、微笑んだ

 (それは多分お前を見てたからじゃねーかな? )とは、言わなかった。
「そーだな」と、言って俺も微笑んだ

 「武器も持ったしさあっ行こう!」というと、「防具買わないと! 」と、言われて一路防具屋に向かった

 んー。よく分からんな……どれも同じに見える……。

 何となく安そうな薄手の革鎧を見てると金貨50枚とか書かれてたり、(そーっと棚に戻した)

 「パパ! パパ! 見て見て! 」と、言われて振り向くと……

 露出度しか無さそう鉄のビキニを着た楓が、立っていた……

 「似合う? 」と聴くので、え。あ、うん。「……御免なんて言ったら良いのか分からんけど、それは何処を守ってんだ? 」と、つい本音が……

 「む、確かに……何処守ってんだろ……動きやすさ? 」えー……それ必要か? と、思ったが言わなかった。

 「防具は腹とか守る物にしないか?」
角兎の角が飛んできたら怖いだろ? 

 そう言うと、分かってくれたみたいで

「パパがそう言うなら……」

 と諦めてくれた
良かったぁと、思っていた時そーいえば

 魔法ギルドにも行こう! と、誘ってみた

 「魔法ギルド? 何しに行くの? 」と聞いてきたので、今朝の話をすると、

 「へぇ!インベントリか! 行こう! 」すごい便利だよそれ! と、喜んだ。

 なので一旦商業ギルドへと向かってから場所を書いてもらった地図を待って、移動した。

 魔法使いギルドは、イメージ的には少し暗そうな感じだった。まぁそのまま気にせず入っていった「こんにちはー」

 っと、元気に挨拶したら
「どうも……」とだけ、返ってきた

 店も暗けり店員も暗いんだな……
せっかく可愛いのに勿体無いと、思っていると。

 何故かだんだん顔が赤くなり始めた「? 」って、思っていたら

 「パパ! 声出てる声! 」と、教えてくれた

 気まずい雰囲気が流れる中

「インベントリありますか? 」

と聴く男の娘の楓

 「あぁ、それなら3階だから突き当りを左に曲がると階段があるのでそこから上がってください」

 お礼を言って階段へと歩む
楓は何となく怒ってる気がする……
「楓? 」と声を掛けても返事は無い……めげずに行け俺! て、事で頭を撫でると、「……なに? 」と、少し怒った声で答える。

 怒ってるというより、拗ねてるのか?
「インベントリ取れたら沢山狩りをしような! 一樹部活みたいだからお前としか行けないんだよ」と、言いながら頭を撫でる

 「うん! 」と言って振り返りながら微笑んでくれた。
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