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とある夜の山小屋の中で
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その日は暑くもなく寒くもなく、気温としてはまずまずな登山日和だった。にもかかわらず遭難したのは、友人の身勝手な好奇心とそれを許した自分のせいだった。
登っている途中で、「あれはなんだろう」と友人がつぶやいたかと思えば、すたすたとコースを外れて歩いて行ってしまったのだ。何を見つけたのかは知らないが、自分に向かって手招きするので、登山初心者の自分としては変なところに行くのはまずいのではと思いつつも、友人についていってしまった。
結果はご覧のありさまで、二人で山の中で迷子になった。
山で遭難したときは下山するよりも登山した方がいいと聞いたことがある。暗くなりつつある山の中を、上を目指して二人で歩き続けた。
そんな中で、幸運にも山小屋を発見した。
小屋と呼ぶにふさわしい、とっても小さな建物だった。無論、人の気配はなかった。夜もすぐそこだということで、自分たちはそこで一夜を明かすことにした。
明かりはスマホのライトを使うことにした。電池が切れたら使えなくなるが、そもそも電波が届いていないので今はこれしか使い道がない。
おやつ用に持ってきていたお菓子を夕食にして、タバコを一服し気を紛らわせる。リュックを枕に、床に直接寝転がり、早めの就寝とした。
目が覚めたのは真夜中のことだった。異臭がする。その臭さに目が覚めた。
「おい、変なにおいがするぞ」
暗黒の友人に声をかけるが、寝ているのか反応がない。
周囲は暗くて何も見えなかった。スマホを取り出そうとしていろいろなポケットをまさぐったが、見つからない。そういえば、寝返りを打った時に痛いからと床に置いたのだった、と思い出す。しかし、こう暗くてはうまく探せない。
ここだったかな、と手を動かしていると何かが当たった。持った感じからしてタバコ用のライターだとわかった。
火をつけて周囲を照らす。決して広くない小屋の中が、ぼんやりと照らし出され、友人がいなくなっていたことに気づく。
トイレにでも行っているのかと呑気に考えていた、その瞬間、自分がとんでもない過ちを犯していたことに気づいた。だが、どうやら遅かったみたいだった。
【解説&ヒントは↓をスクロール】
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〈ヒント「異臭の正体とは……?」〉
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【解説】
主人公が気づいた過ちとは何だったのか。
それは「友人に騙されて、一人で山小屋に置き去りにされた」ということではなく(それもあるかもしれませんが)、「異臭がしていたのに火をつけてしまった」ということです。
その異臭が可燃性のガスだった場合、その山小屋は爆発してしまうことでしょう。最後の場面を読むに、どうやら手遅れだったみたいです。
友人がどうなったのかは、詳しく書かれていないので、主人公が思ったように、トイレのために少しだけ外に出ていただけかもしれません。
しかしながら、どうしてガスが山小屋内に充満していたのかを考えるに、主人公は友人に騙されていたのでしょう。
道に迷ったように装い、実際は山小屋に誘導されていて、夜中に一人でこっそり抜け出して主人公を置き去りにした。その際に、あらかじめ用意していたガスを小屋内に向けて噴出し、主人公がライターで明かりをつけることを見越して、スマホも回収しておいたのかもしれません。
登っている途中で、「あれはなんだろう」と友人がつぶやいたかと思えば、すたすたとコースを外れて歩いて行ってしまったのだ。何を見つけたのかは知らないが、自分に向かって手招きするので、登山初心者の自分としては変なところに行くのはまずいのではと思いつつも、友人についていってしまった。
結果はご覧のありさまで、二人で山の中で迷子になった。
山で遭難したときは下山するよりも登山した方がいいと聞いたことがある。暗くなりつつある山の中を、上を目指して二人で歩き続けた。
そんな中で、幸運にも山小屋を発見した。
小屋と呼ぶにふさわしい、とっても小さな建物だった。無論、人の気配はなかった。夜もすぐそこだということで、自分たちはそこで一夜を明かすことにした。
明かりはスマホのライトを使うことにした。電池が切れたら使えなくなるが、そもそも電波が届いていないので今はこれしか使い道がない。
おやつ用に持ってきていたお菓子を夕食にして、タバコを一服し気を紛らわせる。リュックを枕に、床に直接寝転がり、早めの就寝とした。
目が覚めたのは真夜中のことだった。異臭がする。その臭さに目が覚めた。
「おい、変なにおいがするぞ」
暗黒の友人に声をかけるが、寝ているのか反応がない。
周囲は暗くて何も見えなかった。スマホを取り出そうとしていろいろなポケットをまさぐったが、見つからない。そういえば、寝返りを打った時に痛いからと床に置いたのだった、と思い出す。しかし、こう暗くてはうまく探せない。
ここだったかな、と手を動かしていると何かが当たった。持った感じからしてタバコ用のライターだとわかった。
火をつけて周囲を照らす。決して広くない小屋の中が、ぼんやりと照らし出され、友人がいなくなっていたことに気づく。
トイレにでも行っているのかと呑気に考えていた、その瞬間、自分がとんでもない過ちを犯していたことに気づいた。だが、どうやら遅かったみたいだった。
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〈ヒント「異臭の正体とは……?」〉
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【解説】
主人公が気づいた過ちとは何だったのか。
それは「友人に騙されて、一人で山小屋に置き去りにされた」ということではなく(それもあるかもしれませんが)、「異臭がしていたのに火をつけてしまった」ということです。
その異臭が可燃性のガスだった場合、その山小屋は爆発してしまうことでしょう。最後の場面を読むに、どうやら手遅れだったみたいです。
友人がどうなったのかは、詳しく書かれていないので、主人公が思ったように、トイレのために少しだけ外に出ていただけかもしれません。
しかしながら、どうしてガスが山小屋内に充満していたのかを考えるに、主人公は友人に騙されていたのでしょう。
道に迷ったように装い、実際は山小屋に誘導されていて、夜中に一人でこっそり抜け出して主人公を置き去りにした。その際に、あらかじめ用意していたガスを小屋内に向けて噴出し、主人公がライターで明かりをつけることを見越して、スマホも回収しておいたのかもしれません。
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