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笑っていた訳は
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俺の友達に──いや、知り合いに変な奴がいる。はっきりあいつは言って変人だ。
映画鑑賞でたとえるなら、ホラー映画で笑って、恋愛映画を本気で怖がって、笑えるコメディ映画で難解な顔をするような、そんな人間だ。
そんなあいつのことを決定的に避けるようになったのは、あの日のことだ。
日付は忘れもしない、六月二十三日。あの日も暑かった。
俺がある場所に向かっていると、進む道の先でそいつを見かけた。そいつは道の真ん中で笑っていた。
「よう。なにがそんなにおかしいんだ」
俺は普通に声をかけた。
当時の俺は、そいつを変な奴だとは思っていたけれど、でも心底嫌うほど嫌というわけでもなかった。それよりは、笑っている理由の方が気になったから聞いてみた。するとそいつはその時、こう言った。
「いやあ、はははは。これがおかしいのなんのって。実はさっき、そこの墓場の近くで和志にあってさ。ほら、野球が好きで強面だった和志。覚えているか。その和志と話しててさ、あいつ、『幽霊なんかいるわけない』って怖がっててさ。な、マジ受けるだろ。はははは!」
俺はそれを聞いて、いろんな意味でやばいなと思った。
で、自分でいうのもなんだが俺も怖くなって、だから俺はそのとき持っていた花もボールも捨てて、すぐに帰ったんだ。
【解説&ヒントは↓をスクロール】
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〈ヒント「主人公はどこに行こうとしていた? ヒントは持ち物」〉
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【解説】
主人公はある場所に向かって歩いていたとありますが、どこに何の目的で向かっていたのでしょう。ヒントは、主人公が持っていた花とボール。そして、日付をしっかりと覚えていたこと。向かう先に墓地があるということ。
答えは、主人公は和志の墓参りに行こうとしていました。
花は仏花で、ボールは野球好きだった和志へのお供え物です。日付をしっかりと覚えていたのは、和志の命日だったからです。
友人が笑っていたのは「お前自身が幽霊のくせに『幽霊なんかいるわけない』と否定していたから」でした。
さて、となると狂人と言われた主人公の友人は幽霊と会話していた訳なのですが、主人公が怖いと感じたのは「幽霊が実在したこと」ではなく、「幽霊だとわかっていながら、恐れるでもなく笑っている友人の異常さ」にです。たしかに、そんな友人がいたら怖いでしょうね。
映画鑑賞でたとえるなら、ホラー映画で笑って、恋愛映画を本気で怖がって、笑えるコメディ映画で難解な顔をするような、そんな人間だ。
そんなあいつのことを決定的に避けるようになったのは、あの日のことだ。
日付は忘れもしない、六月二十三日。あの日も暑かった。
俺がある場所に向かっていると、進む道の先でそいつを見かけた。そいつは道の真ん中で笑っていた。
「よう。なにがそんなにおかしいんだ」
俺は普通に声をかけた。
当時の俺は、そいつを変な奴だとは思っていたけれど、でも心底嫌うほど嫌というわけでもなかった。それよりは、笑っている理由の方が気になったから聞いてみた。するとそいつはその時、こう言った。
「いやあ、はははは。これがおかしいのなんのって。実はさっき、そこの墓場の近くで和志にあってさ。ほら、野球が好きで強面だった和志。覚えているか。その和志と話しててさ、あいつ、『幽霊なんかいるわけない』って怖がっててさ。な、マジ受けるだろ。はははは!」
俺はそれを聞いて、いろんな意味でやばいなと思った。
で、自分でいうのもなんだが俺も怖くなって、だから俺はそのとき持っていた花もボールも捨てて、すぐに帰ったんだ。
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【解説】
主人公はある場所に向かって歩いていたとありますが、どこに何の目的で向かっていたのでしょう。ヒントは、主人公が持っていた花とボール。そして、日付をしっかりと覚えていたこと。向かう先に墓地があるということ。
答えは、主人公は和志の墓参りに行こうとしていました。
花は仏花で、ボールは野球好きだった和志へのお供え物です。日付をしっかりと覚えていたのは、和志の命日だったからです。
友人が笑っていたのは「お前自身が幽霊のくせに『幽霊なんかいるわけない』と否定していたから」でした。
さて、となると狂人と言われた主人公の友人は幽霊と会話していた訳なのですが、主人公が怖いと感じたのは「幽霊が実在したこと」ではなく、「幽霊だとわかっていながら、恐れるでもなく笑っている友人の異常さ」にです。たしかに、そんな友人がいたら怖いでしょうね。
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