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衝動的殺人
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彼女を殺してしまった。でもだって仕方ねぇよ。それしか思いつかなかったんだからさ。
そう、それはついさっき彼女からきたメールだった。
『新しい家族ができたよ♡』
このメールを見た瞬間、サーっと血の気が引いていった。だって俺まだ大学生だよ。父親とか絶対無理だし、まだ遊びてーよ。
だから思った──“そうだ、殺そう”──って。
彼女と俺は同棲していた。というか俺が勝手に彼女の部屋に転がり込んでいる。
彼女は社会人二年目。街で俺がナンパしたら、なんだかんだで意気投合して付き合うようになった。
一緒にいると楽しいとは思う。だがそこまで関係は深くない。やるだけの関係。軽くて浅い、ふとしたことで簡単に切れるようなライトな関係──と俺は思っている。
だがこっちがそう思っていても、あちらは違うのだろう。現に最近、やたらと将来のことについて話してくることが多かった。正直その話は聞き流していたし、重いとも思っていた。ここらで潮時だ。
だから俺は百均で包丁を買って帰った。
「おかえりー! ねぇメール見たでしょ。それでね──」
玄関を開けると彼女が嬉しそうに駆け寄ってきた。
「すまん」
「──え?」
“スッ──“
俺は持っていた包丁を前へと突き出し──彼女の首を切った。血飛沫が噴水のごとく噴き出してくる。
「あ、なん……で……」
彼女はすぐに絶命した。
これでいい。あとは死体の処理を上手くこなせば全てが片付く。
──“ガタッ“
その時、部屋の奥で確かに物音が聞こえた。
まさか……誰かいるのか?
いるのなら、そいつも殺さなくては。
俺は包丁を握る拳に力を入れて、恐る恐る扉を開けた。
“にゃーお“
そこには見知らぬ猫がいた。
「なんだよ猫か、驚かせやがって」
【解説&ヒントは↓をスクロール】
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〈ヒント「二人は同棲しているはずだが……」〉
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【解説】
不審な物音に驚いた主人公は、その正体が猫と分かって安心していますが、そもそもどうして見知らぬ猫が部屋の中にいるのでしょう。二人は同棲しているので、猫を飼っているかどうかは把握しているはずです。
実は、その猫こそが新しい家族だったのでした。
恋人が妊娠したと勘違いした主人公は、よく確認もせずに彼女を殺してしまったのでした。
そう、それはついさっき彼女からきたメールだった。
『新しい家族ができたよ♡』
このメールを見た瞬間、サーっと血の気が引いていった。だって俺まだ大学生だよ。父親とか絶対無理だし、まだ遊びてーよ。
だから思った──“そうだ、殺そう”──って。
彼女と俺は同棲していた。というか俺が勝手に彼女の部屋に転がり込んでいる。
彼女は社会人二年目。街で俺がナンパしたら、なんだかんだで意気投合して付き合うようになった。
一緒にいると楽しいとは思う。だがそこまで関係は深くない。やるだけの関係。軽くて浅い、ふとしたことで簡単に切れるようなライトな関係──と俺は思っている。
だがこっちがそう思っていても、あちらは違うのだろう。現に最近、やたらと将来のことについて話してくることが多かった。正直その話は聞き流していたし、重いとも思っていた。ここらで潮時だ。
だから俺は百均で包丁を買って帰った。
「おかえりー! ねぇメール見たでしょ。それでね──」
玄関を開けると彼女が嬉しそうに駆け寄ってきた。
「すまん」
「──え?」
“スッ──“
俺は持っていた包丁を前へと突き出し──彼女の首を切った。血飛沫が噴水のごとく噴き出してくる。
「あ、なん……で……」
彼女はすぐに絶命した。
これでいい。あとは死体の処理を上手くこなせば全てが片付く。
──“ガタッ“
その時、部屋の奥で確かに物音が聞こえた。
まさか……誰かいるのか?
いるのなら、そいつも殺さなくては。
俺は包丁を握る拳に力を入れて、恐る恐る扉を開けた。
“にゃーお“
そこには見知らぬ猫がいた。
「なんだよ猫か、驚かせやがって」
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【解説】
不審な物音に驚いた主人公は、その正体が猫と分かって安心していますが、そもそもどうして見知らぬ猫が部屋の中にいるのでしょう。二人は同棲しているので、猫を飼っているかどうかは把握しているはずです。
実は、その猫こそが新しい家族だったのでした。
恋人が妊娠したと勘違いした主人公は、よく確認もせずに彼女を殺してしまったのでした。
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