【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】

絢郷水沙

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不死身の証明

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　あるところに不死身の薬を研究しているという博士がいました。皆はその博士には近づかないようにしていました。なぜならとても胡散うさん臭くさいからです。

　しかしある少年はその博士に興味がありました。あるとき少年は周囲の反対をよそに、博士に会ってみることにしました。

「不死身の研究をしているって本当ですか！？」

　博士はまばらに生えた歯で、げへへと笑って頷きました。

「研究は完成したんですか！？」
「もう少しさ。あとちょっと。あとちょっとで完成するが材料が足りん」
「ぼ、僕でよければお手伝いします！」
「そうか、それじゃあね」

　少年は不死身の研究が完成間近と聞いてとても興奮しました。自分がその瞬間に立ち会えるかもしれないと思うと、ワクワクが止まりません。
　なので少年は博士に言われたとおりの材料をいろんなところから集めてきました。

「ごくろう。では実験してみるとするかのう」
「はい！」

　しかし結果は散々でした。博士の言葉は嘘だったようです。

「うむ……。今回も失敗か……」
「なんだよ！　完成は近いって言ってたじゃんかよ！」
「そうは言うてもな少年。科学に失敗はつきものぞ」
「嘘つき！」

　みんなが近づかないのも納得です。少年はがっかりして家へと帰っていきました。

【解説＆ヒントは↓をスクロール】
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　〈ヒント「実験に失敗したということは、つまりどういう状態？」〉

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【解説】

　今回のお話のタイトルは「不死身の証明」です。

　さて、不死身ってどうやって証明するのでしょう？

　死なないということを示すためには、死ぬ状況を意図的に作る必要があるわけで、それはつまり被験者ひけんしゃを殺さないといけないわけでして……。

　博士と少年は実験に失敗しています。ということは……。

　　　◆

　ということで、みなさん、オチは分かったことでしょう。

　少年が用意したという材料とは、生贄いけにえとなる人間のことだったのでしょうね。

　科学に犠牲は付き物といいますが、いやはやこれは……。

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