【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】

人のぬくもり

「うぅ……寒いなあ」　


　僕は温かいリビングから寒い廊下へ出て、身震みぶるいしながらトイレに向かった。


　冬の便座はどうにも冷たい。

　夏の生温なまぬるいべたっとした便座に比べればマシだ、と言うやつがいるかもしれないが、やはり独ひとり身みである僕としては、どちらかとしては温ぬくもりの方を求めてしまうのだ。


　しかしこの展開は予想していなかったし、そこまでも求めていなかった。


「あ、やばい」


　そう思った時にはもうすでに遅かった。なぜなら心の準備もせずに、便座に腰を下ろし始めてしまっていたからだ。
　お尻が便座に触れた瞬間、あれ？ と思った。


　疑問に思ったその一秒後、僕は震えあがった。



【解説＆ヒントは↓をスクロール】
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓

　〈ヒント「冷たさに震え上がったにしては、タイムラグがあるようだ」〉

　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓
　↓

【解説】

　主人公が感じた異変とは、便座が冷たくなかったということです。（触れると同時に震え上がらなかった理由はこれです。）


　ではなぜ便座は冷えていなかったのでしょうか。主人公は一人暮らしをしています。


　主人公の知らない誰かがいるのではないでしょうか？　その可能性に気づいた瞬間、主人公はその意味で震え上がったのです。


　ただ便座が温かかっただけなのに……。そんななんの変哲もないような現象が、実は恐怖を示唆していたというのが面白いですね。気づかなければ一体どうなっていたことやら。