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出会い

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 俺は再び覚醒した。
初めに目に入ってきたのは見たことのない天井だった。

「うぅん……」

うめき声を上げながらベッドと思わしき物体から体を起こす。
まだ目の焦点が合っておらず、視界がぼやけている。

「お、やっと起きたか……」

すぐ近くからそんな声が聞こえた。
俺はすぐさまその方向を見る。
徐々に目が、声を発した人物を捉える。
目に映ったのはこの世界では珍しい黒色の髪をし、キズ一つない剣を腰にかけた男だった。

「あんた、近くの草原で寝てたんだぜ?? たまたま俺が通りかかったからよかったが……命知らずにも程がある」

どうやらあのスライムは俺を捕食したりはしなかったらしい。
ほとんど不意打ちのようなものだったため、襲いかかってきたのはあくまでも自己防衛だったということだろう。
それか、単にお腹が減っていなかったからか。
ともかく、助かったのならどっちでもいいよな。

「お前が俺をここに運んでくれたのか??」

「まぁな……。ところで、話は変わるがあんたが噂の勇者か??」

『勇者』その単語を聞いて先程の出来事を思い出した。
夢だったのだろうか、『魔王』となったのは。
もし、この世界にそういった何らかの『設定』があるのならばより詳しく調べなくてはいけないな。
しかし、とりあえずは今の会話に集中することにしよう。

「ああ、そうだ。俺がその勇者だ」

「そうか」

「おいおい、露骨に残念そうな顔をしないでくれよ」

「どうやら噂は誇張され過ぎてたみたいだな」

「噂ってそういうモンだろ?? まあともかく、助けてくれてありがとな。今後は草原で寝ないようにするよ」

俺は恥ずかしそうに頭を掻いた。
寝ていたと嘘を付いたものの、やはりスライムに負けるのは屈辱的なのだ。

「是非そうしてくれ」

男は苦笑しながら言った。

「じゃ、そろそろ行くかな……そうだ、お前、なんて名前だ??」

「俺は戦士ライトだ」

「やっぱり戦士か。どうだライト、俺と一緒に来ないか??」

「唐突だな……冗談ならよしてくれ」

ライトは一瞬、驚いたような顔をしたがすぐに冷静さを取り戻した。

「冗談なんかじゃないさ、俺は本気で言っている。仲間が欲しいんだ」

「直球だな。まあ、いいぜ。こういうの憧れていたんだ」

「じゃあ、これからよろしく頼む。ライト」

「ああ、よろしく」

互いに握手を交わした後、俺達はその家を後にした。
ライトの腰にかけた剣、あれはほとんど新品だった。
もしかすると、もしかするとだがライトは――
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