12 / 47
破章
緑髪の人物
しおりを挟む「ちょっと君、ダメでしょ授業中にうろついたら」
僕は気づかないふりをしてその生徒の横を通り過ぎようとしたが声をかけられてしまった。
僕は生徒じゃないが人のこと言えないだろと思いつつも仕方なくそいつの方を向く。
改めて容姿を見てみると、僕はある重大なことに気づいた。
童顔で、身長が低い。
そう、相手はお手本のようなロリだった。
本当に高校生なのだろうか。
「勘違いしてるようだから言っておくが、僕は忘れ物を届けに来て帰っている最中の保護者だ。……お前こそ教室に戻れよ」
相手が自分より遥かに小さい所為か僕は少し強気でそう言った。
「ありゃ、保護者だったの?? 若いから生徒かと思っちゃった」
「……わかったなら通してくれないか??」
「いいけどちょっと待って! 君も勘違いしてるようだから一応言っておくけど私はこの学校の校長だよ??」
たった今、全米が震撼した。
そのくらいの衝撃が僕を襲った。
「じょ、冗談だろ??」
「いやホントだよ。ほらっ、名刺」
そいつは胸ポケットからサッとそれを取り出すと僕に見えるように腕を上げた。
そこには神薙高等学校長、神薙彩理としっかり書かれていた。
「ほ、本当だ……」
「わかった?? ところで、さっき失礼な態度で私に話しかけたよね??」
彩理は悪い笑みを浮かべながらそう言った。
何か、とてつもないほどの嫌な予感が脳内を駆け巡る。
「本当にすいません! あまりにもお若く見えて生徒だと思っていました!!」
「ふ~ん、ロリだなぁとか思ったんじゃないの??」
「ギクッ」
驚きで、僕はアニメや漫画の効果音のような声を洩らしてしまった。
終わったと僕の中の全細胞がそう直感した。
「当たりだね。じゃあ反省として付き合ってもらおうかな、私の話に」
「へっ??」
今度はそんな素っ頓狂な声を出してしまう。
録音してゲームの効果音にでも使おうかなぁ。
そんな呑気なことを考えれるほどに僕は困惑した。
「何かおかしいこと言った??」
「いや、殺されるのかなって思ってたので拍子抜けで」
「私のこと何だと思ってるの?! さすがにそんなことしないよ! まあしたとしても君のお子さんを退学にするぐらいかなぁ」
さらっと恐ろしいことを言う彩理に僕は久しぶりに恐怖を覚えた。
「じゃあ行こっか! 校長室へ」
そうして、僕は何故か校長室へ連行されるのだった。
僕はロリコンじゃないのだが……
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説


甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。

好きな人がいるならちゃんと言ってよ
しがと
恋愛
高校1年生から好きだった彼に毎日のようにアピールして、2年の夏にようやく交際を始めることができた。それなのに、彼は私ではない女性が好きみたいで……。 彼目線と彼女目線の両方で話が進みます。*全4話
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

虚弱なヤクザの駆け込み寺
菅井群青
恋愛
突然ドアが開いたとおもったらヤクザが抱えられてやってきた。
「今すぐ立てるようにしろ、さもなければ──」
「脅してる場合ですか?」
ギックリ腰ばかりを繰り返すヤクザの組長と、治療の相性が良かったために気に入られ、ヤクザ御用達の鍼灸院と化してしまった院に軟禁されてしまった女の話。
※なろう、カクヨムでも投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる