永遠のさよならは―――

杜鵑花

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ループ

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 その後、俺達は夢と同じような雑談をした。
すると、夢と丁度同じぐらいの時間で注文した料理が運ばれてきた。
俺達はそれを受け取った。

「美味しそうですね!」

「そうだな。」

俺は夢で注文したものと同じものを注文したのでどんな味なのか知っている。
だが、このピザがとても美味しそうに見えるのは料理人の腕が良いからだろう。

「いただきます。」

俺達はそれぞれの料理を食べ始めた。
夢と変わらない味……美味しい。
今だけは運命に縛られず、これからの事を考えよう。
この後、何も変化が無ければ中学校に行って展望台に行く事になる。
変化を起こすには……俺が町を周ろうって言わない事だ。
こんな些細な事で変わればいいけどな……
人生の選択肢は些細な事に含まれていると聞いたことがあるそれが本当かどうかは知らないがそれに賭けるしかないだろう。
これからの事も決まったし今はピザとワインを味わおうかな……
女の子にとって最後の晩餐にならなければいいな……いや、昼食だから最後の昼餐か。

 「ふぅ~美味しかった。ご馳走様でした。」

俺達はほぼ同時に昼食を食べ終わり会計に向かった。

「割り勘でいいよな?」

「はい。いいですよ。」

今度はスムーズに会計を済ますことができた。
さて、問題はここからだ……

「これから何します?」

来た!この質問にどう答えるかだ。
帰ると答えようか……いや駄目だ。
俺が居なくても女の子は電車に轢かれるだろう。
だったら……だったら……どうすれば……

「また町周りしますか?」

ん……?
俺は違和感を覚えた。
実は夢から覚めた後、何度が違和感を覚えていた。
だが確信が持てなかった。
勘違いじゃないのかって……でも流石にここまで来たら確信を持てるだろう。

「お前……今日会うの2回目だろ?」

「えっと……どういう事ですか?」

「さっき会っただろ?お前は電車に轢かれて死んだ。」

「……気づいたんですね。」

やはり、そうだったみたいだ。
久しぶりに会ったのに驚かなかったり料理を注文する時今度はって言っていたりそして決め手はまた町周りしますか?という言葉だ。
どれも1度経験したかのような感じだ。
だから分かった。

「教えてくれ、ここは何なんだ?」

「その様子じゃ、まだ思い出してないみたいですね……まぁ、いいです。ここは永遠に繰り返すループの中です。理解できないと思いますが本当の話です。」

ループか……つまり、さっきのは予知夢なんかじゃなくて1回目のループだった訳か。

「ちょっと待って……じゃあなんで1回目のループの時にその事を教えてくれなかったんだ?」

「……細かい事はいいじゃないですか。全て、零夜さんが思い出したら分かることなんです。思い出すのは辛いと思いますが頑張って下さい。」

思い出すって……女の子の名前の事か?
いや、もっと大事な事?

「まず始めに私の名前から思い出して見たらどうですか?」

女の子がそういった瞬間、世界が歪んだ。
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